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Vol.34 12月号
50年、100年先を見据えるアカデミックの現場

 現在、横浜市立大学大学院、生命ナノシステム科学研究科の益田隆嗣准教授は、東京大学工学部物理工学科出身です。益田先生は、物質の様々な性質に関して50年、100年先までも見据えた研究をされています。研究の醍醐味や、大学で研究する場合のメリットに関して益田先生にお話を伺いました。



Q.研究内容について教えて下さい。

 対象は物質を構成する原子や、電子であり、ミクロな世界で起こる現象を研究しています。電子に付随している究極的に小さい磁石は「スピン」と呼ばれています。スピン同士は、あたかもマクロな磁石のように相互作用していて、その集合をスピン系と呼んでいます。様々な物質の中の電子やスピンなどがどのように運動しているのかを計算によって考察しています。その考察結果を実験による観測で実証することでスピン系の深い理解を目指しています。


 益田隆嗣准教授(中央)と学生達
横浜市立大学大学院 
生命ナノシステム科学研究科

Q.研究の醍醐味を教えて下さい。

 研究は山登りに似ていると思います。未だ誰も登ったことが無い山があるとして、その山に登ろうとした場合、きっと素晴らしい世界があるに違いないと考えて頑張るわけです。登っているとやはり苦しいことがありますが、研究を一通り終えることができれば、様々なことが分かり、達成感が得られます。他の誰もやっていないことを世界で初めて行うのが研究です。そこで実績を残すということは、やはり非常に魅力的です。

Q.大学での研究は企業での研究に比べてどのようなメリットがありますか?

 企業で研究する場合には、研究内容が非常に近い将来、実用的なものに結び付くものでなければならない場合が多いと思います。それに対して、大学の研究と言うのは、必ずしも5年後に役に立つということがなくても、50年後、100年後に役に立つ可能性があれば行うことが可能だと思います。そういった意味では、予算の確保などは必要になりますが、自分の好きな研究を非常に自由に行うことができる環境にあると思います。

Q.最後に、読者へのメッセージをお願いします。

 研究において、運の善し悪しというのは必ずあります。運が善くなければ、新しい発見は難しいと思います。運が近付いている、チャンスがそこにあると気づくことができるだけの鍛錬、例えば、論文を読むこと、勉強をすることを普段からしておくことが非常に大切だと思います。

(インタビュアー 柴田 明裕)

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