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Vol.33 10月号
計算機で地震に挑む

 堀宗朗教授は最先端の情報科学技術を駆使して、都市で地震などの災害が起きたときの様子をシミュレーションするシステムを作っています。今回は堀先生に地震シミュレーションシステムの内容と情報処理技術の観点からみた汎工学の重
要性についてお話を伺いました。


Q.地震シミュレーションシステムについて教えてください。

 地震等の自然災害が都市に及ぼす被害や復旧過程を予測するためのシミュレーションシステムを作っています。このシステムを作るためには、自然現象を計算するサイエンティフィックコンピューティングと、大規模な都市のモデルを扱うシステムエンジニアリングの2つが必要です。多くの分野では片方しか扱わず、両方知っている技術者が潜在的に不足しています。このため、このシステムは非常によい教材です。大学の研究なので教育効果も重視しています。


堀宗朗教授
(社会基盤学科
社会基盤学専攻)


Q.社会基盤学とコンピュータはつながりがなさそうに思えますが。

 しっかりつながっています。社会基盤施設の設計ではルーチンワークでコンピュータが使われます。もう一歩先に進むために、学生には膨大な情報処理を行うため並列コンピューティング(*)を勉強しなさいと言っています。

 社会基盤の創造・維持には社会全体を俯瞰的に見る必要に迫られています。また、いろいろな分野との境界での仕事も多いのです。俯瞰的な見方や他分野との境界での仕事には、コンピュータは必須の道具です。


Q.最近はどのような研究をされているのですか?

 公共事業の縮小で建設技術者・労働者が減少する現在、大地震で広域が壊れた場合、原状回復できるかどうかは未知です。直したくても直せない可能性も考えるべきだと思います。公共事業の縮小は避けられませんから、現在よりもレベルの高い耐震性の確保が必要です。また、大地震が及ぼす経済活動への負の影響の予測にも興味があります。地震対策の重要性を社会に浸透させるためには、科学的裏付けのある信頼性の高い地震情報の提供が必須です。シミュレーションシステムはこのために用います。


Q.学生へのメッセージをお願いします。

 知性を磨いて下さい。勉強は勿論、読書でも知性は磨けます。スポーツでもちょっとは磨けます(笑)。大学にいる間は広い意味で知性を磨くことに精を出して下さい。

*並列コンピューティング:複数のコンピュータを同時に制御する技術

(インタビュアー 郷原 浩之)

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