主な研究テーマ
犬・猫などの伴侶動物の獣医療に関わる研究をメインに行っています。
伴侶動物診療の診断、治療に関することについて研究しています。臨床への応用を目指した新規診断法の開発や評価についての共同研究を多数行ってきました。腫瘍の新規治療法についても今後研究を進めていきたいと考えています。内科系疾患を中心に、画像診断装置、治療装置、栄養学、健康管理に有用なデバイスの開発などに興味を持って取り組んでいます。
桃井康行(教授)
・次世代シークエンスを利用した動物の新興感染症検出:動物にはまだ知られていない感染症が存在します。感染症が疑われる不明熱症例を集め、網羅的解析により新しいウイルスを探索しています。新しく見つかるウイルスは動物の新しい病原体として重要ですが、新型コロナなようなパンデミックの元となる感染症にも重要です。これまで人のB型肝炎ウイルスの類縁ウイルスであるネコヘパドナウイルスやネコモルビリウイルスの急性感染症としての重要性を報告しています。
・伴侶動物の非侵襲的な新規腫瘍マーカーの開発:miRNA, cfDNA、cfRNAなど低侵襲で得られる核酸を網羅的解析による新規腫瘍マーカーを探索しています。新しいマーカーは動物検診、腫瘍の早期発見、診断、治療方針の決定などへの応用が考えられます。
・AIやウェアラブルデバイスの獣医療への応用:スマートウオッチ、スマートリングなど各種生体センサーが利用されるようになっています。症状を伝えてくれない動物の健康を管理にはこれらのデバイスは有用です。動物用ウエアラブルデバイスを病気発見、診断、治療効果の判定などに応用できるよう研究を行っています。
・獣医療に有用な新規診断法の開発:獣医療の発展には新しい検査を開発し、普及させることが重要です。臨床的に有用な検査法の新規開発を行っています。また重症筋無力症の自己抗体検出など、現在国内では実施できていない検査系の開発も行っています。
米澤智洋(准教授)
・犬の特発性てんかんの発症機序の解明と治療法の確立
・抗酸化物質が腎臓に及ぼす作用の解明とこれを利用した治療
・酸化ストレスによる腎臓近位尿細管の微細構造障害メカニズムの解明
・あくびの伝染メカニズム
・犬猫の聴覚機能検査の臨床実装
前田真吾(准教授)
・癌組織への制御性T細胞浸潤メカニズムの解明
・アレルギー性疾患におけるプロテアーゼの役割の解明
・慢性腎臓病におけるプロテアーゼの役割の解明
・癌細胞の転移メカニズムの解明
・癌組織における血管新生誘導メカニズムの解明
・犬の移行上皮癌と前立腺癌の治療ターゲット分子の探索
・犬の慢性腸炎および消化管リンパ腫の病態解析
過去に手掛けた研究
・犬の壊死性髄膜脳炎(パグ脳炎)の病態解析
・猫の遺伝性てんかんの病態解析
・猫の糖尿病の診断法・治療法の研究
・猫の糖尿病における酸化ストレスの研究
・犬のアジソン病の病態解析
・犬のサルコペニアの評価法に関する研究
・フェロモンの中枢性分泌制御機構の解明
・あくびの伝染メカニズム
・マクロファージのたんぱく質 (AIM) による腫瘍悪化機序の解明
・アネキシンA5による乳腺腫瘍の診断・治療
・異種間移植による腎組織の体内再生技術の挑戦
・月の満ち欠けと出産の関係
