バイオミネラルゼミ

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活動記録

2016

第86回 バイオミネラルゼミ   2016年6月20日(月) 17時-18時30分 東京大学理学部1号館336号室

竹内猛(沖縄科学技術大学院大学研究員、東大理学系客員研究員)
 ゲノムから探る軟体動物・腕足動物の貝殻形成の進化

要旨:軟体動物門と腕足動物門はともに 冠輪動物に属し、両者には結晶化した貝殻をもつグループが含まれる。これらの動物の貝殻形成機 構の分子レベルでの共通性の有無を検証するために、本研究では、全ゲノム情報が利用可能な腕足動物シャミセンガイ(Lingula anatina)の 貝殻プロテオーム解析を行い、他の軟体動物や腕足動物の貝殻プロテオームとの比較を行った。シャミセンガイを含むLinguliformeaの貝殻 はリン酸カルシウムで構成されている点で、炭酸カルシウムからなる他の腕足類や軟体動物の貝殻と異なる。貝殻に含まれる有機基質タン パク質(SOMPs: Shell Organic Matrix Proteins)の比較により、シャミセンガイのSOMPsのレパートリーは他の腕足類や二枚貝のSOMPsとは 大きく異なることがわかった。たとえば、シャミセンガイSOMPsには他のバイオミネラル中には見られない、EGFドメインを有するコラーゲ ンタンパク質が存在する。一方で、細胞外マトリックスタンパク質に一般的なVWAドメインといった機能配列や、部分的なアミノ酸の繰り返 し構造は、各動物のSOMPsに共通して存在する。このことは、類似した機能を持った分子が、それぞれの系統において独立に貝殻形成に関与 するようになったことを示唆している。



2015

第10回バイオミネラリゼーションワークショップ

 日時:2015年12月6日
 場所:東京大学理学部小柴ホール


第85回 バイオミネラルゼミ   2015年5月11日(月) 10時10分から12時30分 工学部2号館1階212講義室

1. Dr Ingrid Weiss (Department of Biomineralization, Leibniz Institute for New Materials,Germany)
 Biomineralizing Interfaces - An Evolutionary View on Enzymes

2. Prof Motomu Tanaka(Institute of Physical Chemistry, Heidelberg University, Germany and Institute for Integrated Cell-Material Sciences, Kyoto University, Japan)
 Modulation of Cellular Contacts via Saccharide-Based Interlayers



第84回 バイオミネラルゼミ   2015年1月26日(月) 午後18時00分から午後20時00分

1. 武田洋幸(東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻・教授)
 Unexpected link between polyketide synthase and calcium carbonate biomineralization
耳石(平衡石、聴砂)は脊椎動物の内耳に存在し、傾斜や加速度の感知に必要なバイオミネラルで、約9割の炭酸カルシウムとわずかな有機 成分で構成され ている。これまでニジマスなど比較的大きな耳石を持つ魚類の生化学的解析から、基質タンパク質、構造的足場、無機環境を調節するチャ ネルなどの因 子が同定されてきた。一方で、結晶核の実態や結晶化を促進する機構は解析が進んでいない。そこで、耳石の結晶化に関連する新規遺伝子 の単離を目的とし て、私はメダカha変異体に着目した。haは平衡感覚に異常をきたす自然突然変異体で、耳石が形成されず、耳石の結晶化に異常があると考 えられてい た。ポジショナルクローニングの結果、原因遺伝子が脊椎動物では単離されたことのない新奇のpolyketide synthase遺伝子であること が判明した。




2014

第9回バイオミネラリゼーションワークショップ

 日時:2014年12月12日-13日
 場所:東京大学大気海洋研究所2階講堂


第83回 バイオミネラルゼミ   2014年11月10日(月) 午後17時00分から午後19時00分

1. 西村達也(東京大学大学院工学系研究科化学生命工学専攻加藤研究室・助教)
 高分子マトリクスと結晶成長制御高分子の組み合わせによる無機結晶の結晶成長制御
近年、生体のものづくりにまなぶ低エネルギー消費型の材料開発が望まれて いる。生体は温和な条件のもと、多糖やタンパクを利用して、歯・骨に代表される高 い秩序構造を有するバイオミネラルを形成している。我々はこれらの形、機能、形成 メカニズムに着目し、有機高分子をテンプレートに用いる薄膜状無機結晶の形成を報 告してきた。基板として用いるヒドロゲルと結晶成長溶液中の酸性高分子との組み合 わせを様々に変えることにより、薄膜結晶の多形、モルホロジー、配向が変化するこ とがわかってきた。本研究では、基板から重合して得られる「高分子ブラシ」を用い て刺激応答性高分子テンプレートを作製し、それを利用した無機結晶の結晶成長制御 を行った。リビング重合を用いて刺激応答性高分子を基板へ固定した高分子ブラシ は、主鎖の一端が基板に結合し、もう一端は自由なため、主鎖の相変化に対応して膨 潤挙動を大きく変化する。無機結晶の成長温度付近にLCST温度を示す poly(N-isopropylacrylamide)をリビングラジカル重合により基板へ固定してマトリ クスを作製し、結晶成長温度が複合体の形成に与える影響を調べた。




第82回 バイオミネラルゼミ   2014年9月29日(月) 午後18時00分から午後19時00分

1. 鄭雄一(東京大学大学院工学系研究科(医学系兼担)・教授)
 ヘッジホッグシグナルによる骨形成制御と組織工学への応用
要旨:骨形成におけるヘッジホッグ(Hh)シグナルの役割に関しては、Ihhは軟骨膜に存在する骨・軟骨前駆細胞に作用し、骨芽細胞初期分化を誘導すること、Hhシグナルの入力が阻害されると、骨・軟骨前駆細胞は骨芽細胞に分化できず、代わりに軟骨細胞に分化すること、BMPシグナルは骨形成と軟骨形成の両方を正に制御すること、軟骨組織および軟骨膜においてBMPシグナルを活性化させると、軟骨膜細胞は異所性軟骨細胞に誘導されることなどの報告があり、軟骨膜におけるHhとBMPシグナルの相互作用が示唆されています。またWntシグナルも、様々な相互作用をしていることが示唆されています。 この相互作用を調べるために、中足骨器官培養、遺伝子改変マウス、インビトロ実験を組み合わせることで、Hh-BMP-Wntシグナルのネットワークと、Hhシグナルの下流転写因子であるGliファミリーの役割を明らかにしています。 このような知見を応用して、多能性幹細胞からの骨分化誘導プロトコルの確立、様々なスケールで形状を制御した人工骨の開発に取り組んでいます。




第81回 バイオミネラルゼミ   2014年7月28日(月) 午後17時00分から午後19時00分

1. 今村伸太朗(独立行政法人・水産総合研究センター・中央水産研究所・主任研究員)
 エキソソームを介するメチル水銀の排出機構
要旨:メチル水銀は食物連鎖によって生物濃縮され,高濃度では胎児の中枢神経毒性を示す化学物質である。1970年代,魚食でのメチル水 銀の毒性軽減が報告され(Ganther et al, 1972),魚肉に含まれるセレンの解毒効果が明らかにされた。マグロ類の血液や肝臓などの臓器 には5ppmを超える高濃度のセレンが含まれることから,新規のセレン化合物を同定し,「セレノネイン」と命名した(Yamashita et al,2 010)。この化合物はイミダゾール環にセレノール基を持つ化学構造を有し,強いラジカル消去能を持つだけでなく,分泌膜小胞(エキソソ ーム)を誘導し,体内のメチル水銀排出を促進する作用を見出した。本研究では,セレノネインによるメチル水銀排出機構を解明するため に,ゼブラフィッシュ胚を用いてエキソソーム分泌の分子機構を解析した。メチル水銀のゼブラフィッシュ胚への注入(0.5-2ng Hg/胚)に よって,胚から培養液中にエキソソームが濃度依存的に分泌された。エキソソームには水銀(0.05-0.1ng Hg/胚)が含まれていた。セレノ ネイン (3?M) を投与すると,エキソソーム分泌および水銀排出が亢進された。Manumycin A投与によってエキソソーム分泌が阻害されると ,水銀排出が抑制された。セレノネイントランスポーター欠損魚octn1-/-ではエキソソーム分泌および水銀排出が抑制され,セレノネイン による作用は低下した。以上の結果から,セレノネインによるメチル水銀の解毒には,OCTN1を介するエキソソーム分泌経路が関与すること が見出された。




第80回 バイオミネラルゼミ   2014年6月30日(月) 午後16時30分から午後18時30分

1. 甕聡子(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻・特任研究員)
 造礁性サンゴ骨格を形成する鉱物相が示す石灰化母液の組成
要旨:熱帯・亜熱帯領域の浅海に生息する造礁性サンゴは、aragonite構造のカルシ ウム炭酸塩(CaCO3)から形成される外骨格を有する。サンゴ生育環境で、熱 力学的に準安定なaragoniteがどのように形成されるのかは古くから議論され てきた。しかし、未だにサンゴ骨格形成過程は明らかになっていないことが多 い。サンゴ骨格は、骨格と造骨片細胞の間を充填している石灰化母液と呼ばれ る溶液からaragonite 結晶が析出することで形成されると考えられている。石 灰化母液の化学組成は、骨格がどのように形成されるのかを議論する上で重要 な情報である。しかし、石灰化母液の存在領域は1μm以下と狭く、母液の化学 的情報を直接測定して得ることは困難である。そこで本研究では、サンゴ骨格 を形成する鉱物の微細組織観察、及び、鉱物相同定から、石灰化母液の化学的 情報の推定を試みた。塊状サンゴ骨格(Porites lobata)の構造において大部 分を占めるfiber 領域の透過電子顕微鏡による微細組織観察を行った。その結 果、光学顕微鏡下で成長縞と呼ばれる縞模様が、透過顕微鏡下ではaragonite 中に取り込まれた微量元素の分布に伴う、試料作成時の研磨効率の違いにより 形成したと考えられる試料の厚み変化として観察された。この厚さコントラス トは、aragonite の結晶方位c 軸に伸長した針状結晶を横切るように配列して おり、成長縞に伴う鉱物粒径の周期的な変化は観察されない。このことは、成 長縞を含むfiber 領域のaragonite 析出が石灰化母液からの無機的なものであ り、石灰化母液中のCaCO3 濃度が常に過飽和の条件であったことを示してい る。更に詳細な観察を行ったところ、周囲のaragonite 結晶と特定の結晶方位 関係を持つhalite(NaCl)の共存が観察された。これは、サンゴ骨格の石灰化 過程においてaragonite 以外の鉱物が石灰化母液から同時に析出しうることを 初めて示したものである。また、石灰化母液が海水と同じ組成を持つとき aragonite やhalite との共存が予想されるgypsum(CaSO4・2H2O)が観察され ないことから、サンゴの石灰化母液は周囲の海水よりもNa+、Cl-に富む、もし くは、SO42-に乏しいことを示した。




2013

第8回バイオミネラリゼーションワークショップ

 日時:2013年11月30日(日)9:30−17:30
 場所:東京大学理学部小柴ホール


第79回 バイオミネラルゼミ   2013年10月28(月) 午後18時00分から午後19時00分

1. 鈴木庸平(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻・准教授)
 地球生命史における黄鉄鉱の生体鉱物化作用の重要性
要旨:1「愚者の黄金」で知られる黄鉄鉱(FeS2)は地球史を通じて普遍的に存在し、生命誕生時にはエネルギー代謝の根幹をなした可能性が指摘される。また、34.6億年前の地層から発見された黄鉄鉱は、その硫黄同位体組成から微生物の硫酸還元活動の最古の痕跡として認知されている。現在では、次世代の太陽光発電の安価な光素子として工業的な価値が見直され、ナノ化技術が日々進歩している。微生物の硫酸還元代謝による間接的な黄鉄鉱形成への関与は自明であるが、直接的な形成への関与を強く示す深海生物が、インド洋中央海嶺の熱水噴出域から発見された。その生物は、足の表面に鱗状骨格を持つ巻貝、通称スケーリーフットで、タンパク質から構成される鱗マトリックスの内外でそれぞれ、黄鉄鉱と強磁性鉱物のグレイジャイト(Fe3S4)を形成している。グレイジャイトの生体鉱物化作用は磁性細菌により証明されており、硫黄の最密充填が共通なマキナワイト(FeS)を前駆物質として形成する点で共通する。磁性細菌による黄鉄鉱の形成についても報告されたが、その後の研究により、試料保存中に酸化して形成したアーティファクトだとされている。スケーリーフット巻貝の場合は、鱗タンパク質マトリックス内でサイズが4~5 nmの粒子が形成しており、粒径5 nm未満の黄鉄鉱が天然で存在する世界初の事例である。その後、深海熱水噴出域で、同様のサイズのナノ黄鉄鉱が熱水に含まれると報告されたが、結晶学的な証拠は一切示されていない。従って、ナノ黄鉄鉱の天然における普遍性や生成経路については疑問点が多い。本セミナーでは、生命誕生過程として有力視される表面代謝説やスケーリーフット巻貝の最近の研究動向と、現在計画しているナノ黄鉄鉱のバイオミネラリゼーションに関連した研究について発表する。




第78回 バイオミネラルゼミ   2013年07月08(月) 午後17時15分から午後19時00分

1. 安元剛(北里大学海洋生命科学部・講師)
 海洋細菌の炭酸カルシウム形成メカニズム
〜ポリアミンが空気中の二酸化炭素を取り込み石灰化が促進される〜
要旨:ある種の海洋細菌はCa2+を含んだ培地で培養すると菌体外にダンベル状や球状のCaCO3顆粒を形成する.このCaCO3形成機構は,硫酸塩還元菌,尿素分解菌および光合成細菌などの特定の種が有する代謝機構によって説明されてきた.しかし,多くの異なる種の海洋細菌がCaCO3顆粒形成を行うことが明らかとなり,上記とは異なるCaCO3形成機構の存在が示唆されていた.我々の研究グループは,海洋細菌が生産するポリアミンが空気中のCO2と高い親和性を有し,CaCO3形成を促進するという新たな石灰化反応を見出した.Ca2+を含む溶液にポリアミンを添加すると,ポリアミンが空気中のCO2を溶液中に取り込み,その結果,CaCO3が沈殿する.この系を用いて培地成分を反応溶液に添加することで海洋細菌の培地上に生じる特徴的な形状をしたカルサイトを再現することにも成功した.つまり,海洋細菌の培地上にみられるCaCO3形成においては,海洋細菌が産生したポリアミンが空気中のCO2を取り込み,培地中の炭酸イオン濃度が上昇し,栄養塩類やカルシウムキレーターなどの培地成分の影響を受けて特徴的な形状のカルサイトが生じることが強く示唆された.低分子のポリアミンが炭酸カルシウム形成に関与しているとの報告はまだない.微生物など多くの生物でポリアミンのトランスポーターは明らかにされており,ポリアミンが炭酸濃縮機構に関与している可能性は高い.




第78回 バイオミネラルゼミ   2013年07月08(月) 午後17時15分から午後19時00分

1. 氏家由利香(信州大学理学部生物科学科・PD)
 有孔虫の炭酸塩殻の石灰化機構と進化の解明に向けて
要旨:有孔虫は、浮遊性と底生の2つの生活様式をもち、海洋表層?中層水・沿岸?深海底の多様な環境に生息する単細胞・真核生物の一大グループである。浮遊性全種と底生の多くの種が炭酸塩の殻を形成し、これら殻に含まれるMg/Ca比は古水温、δ13C変動は生産量の変化の指標となることが多い。しかし、有孔虫の石灰化機構やその獲得史は解明されていない。本セミナーでは、これまでの研究から不明な点を明らかにし、解明するために現在行っている研究方策を紹介する。  有孔虫は炭酸塩の結晶をエクソサイトーシスによって細胞外に沈着させると考えられているが、その構造から陶器質とガラス質のグループに2分される。この2グループは殻の基本形態や18S rDNA遺伝子の解析による系統関係でも大きく異なり、石灰化の様式が異なることが示されている。最も顕著な違いは、細胞内におけるカルシウムイオンと炭酸イオンのプールが同一/別々の小胞にあるか、殻が単層/多層構造であるかである。このことから、有孔虫の石灰化機構には少なくとも2つの系統があることが予測されるが、有孔虫の石灰化に関連する遺伝子は未だ同定されていない。また、カルシウム(炭酸)イオンのプールとなっている小胞の移行先はわかっておらず、詳細な炭酸塩代謝過程はわかっていない。  そこで筆者らは、陶器質とガラス質の有孔虫について石灰化に関連する遺伝子、発現タンパク質の同定に取り組んでいる。関連遺伝子の系統解析から初生的な真核生物である有孔虫の石灰化機構の獲得史を再現し、陶器質とガラス質のグループ間で発現するタンパク質が異なるのか、発現する過程が異なるのかといった検証を行う。それにより、観察されている2つの石灰化様式のメカニズムを明らかにしようと考えている。さらにカルシウムや炭酸イオンの取り込み・放出に関するタンパク質の温度に対する変化と、マグネシウムや炭素の取り込みの関係を解明することにより、有孔虫殻を用いた環境指標が直面している諸問題を解決するための重要な知見を広げることが期待される。




第77回 バイオミネラルゼミ   2013年06月10(月) 午後17時00分から午後19時00分

1. 尾崎紀昭(秋田県立大学生物資源科学部応用生物科学科・助教)
 イネ科植物が形成するアモルファスシリカ(ケイ酸体)の性状〜
要旨:イネ科植物は環境中からケイ酸を能動的に取り込み、葉や籾殻にアモルファスシリカとしてケイ酸体を形成することが知られている。しかしケイ酸体の生理学的機能についてはよく分かっていない。今回、イネ(あきたこまち)の葉身に存在すケイ酸体の性状を調べた。葉身には少なくとも4種類のケイ酸体が存在することが明らかとなり、そのうち、ファン型ケイ酸体は出穂期に増加することから、何らかの生理学的意義を持つと考えられる。高分解能SEMでファン型ケイ酸体の微細構造を調べてみたところ、60nmほどのシリカ粒子からなることが分かった。さらにこの粒子は粒径5〜10nmの微粒子から構成されていた。単離したファン型ケイ酸体にはガラス海綿やケイ藻に見られるような高分子成分は含まれていなかったが、分子量3000以下の画分にCBBおよびアルシアンブルー陽性の有機物(混合物)がごく微量に含まれていることが分かった。さらにファン型ケイ酸体をDARTイオン源を接続した質量分析装置に供したところ、ポリアミン由来と予想される成分が検出された。ファン型以外のケイ酸体表面には微細な板状構造物が付着しており、この構造体はクロロホルムに可溶であったことから、現在分析を進めている。イネのケイ酸体は無機化学的に形成すると考えられてきたが、現時点まで得られた結果を含め、今後の課題についても言及したい。




第76回 バイオミネラルゼミ   2013年05月13(月) 午後17時00分から午後19時00分

1. 関有沙(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻大気海洋研究所・D1)
 化石サンゴ骨格のSr/Ca比を用いた古水温復元
〜沖縄県久米島の化石サンゴから復元した完新世中期・後期境界の気候変動〜
要旨:サンゴ骨格中の微量元素は、サンゴ成長時の様々な気候状態によって含有量が変化することが知られている。そのため、化石サンゴの骨格中の微量元素を測定することで、過去(サンゴが成長していた時期)の気候を復元することができる。本研究では、微量元素を用いた古気候指標の中でも、特に信頼性の高い水温指標であるハマサンゴ(Porites sp.)骨格のSr/Ca比を用いて、過去の水温復元を試みた。 本研究では、完新世(過去約11,700年間)の中でも特に、完新世中期・後期境界として着目されている約4200年前を対象とした。また、水温が気候変動に敏感に反応する地域である黒潮域での古水温復元を行った。 黒潮域に位置する沖縄県久米島から採取した2群体の化石サンゴについて14C年代測定を行い、それぞれ約3800年前と約4500年前に成長していたものであることを明らかにした。この化石サンゴ2試料と、現生サンゴのSr/Ca比を測定し、現生サンゴのSr/Ca比から、Sr/Ca比と表層海水温の換算式を作成した。この換算式を化石サンゴのSr/Ca比に適用し、約3800年前と約4500年前の夏と冬の表層海水温をそれぞれ独立に復元した。その結果、夏・冬ともに約4500年前から約3800年前にかけて水温が明瞭に低下したことが世界で初めて明らかになった。また、この水温低下がPME(Pulleniatina minimum event)と呼ばれる黒潮の弱化イベントと時期が一致していることと、夏と冬の水温が同程度低下していたことから、黒潮の弱化が水温低下の原因である可能性を示唆した。


2. 小暮敏博(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻・准教授)
 軟体動物貝殻を形成するアラゴナイト −その特異性−
要旨:無水炭酸カルシウム(CaCO3)の多形であるアラゴナイト(霰石)は、カルサイト(方解石)とともに軟体動物貝殻を形成する主要な生体鉱物である。非生物起源のアラゴナイトは六角柱状の形態をもち、その伸長方向は結晶の軸に平行であることはよく知られている。また様々な条件で形成される合成のアラゴナイトでもこの結晶学的特徴は保たれている。さらにこれまで多くの研究で調べられてきた真珠層のアラゴナイトも、その形態は有機膜によって板状に規定されているが、結晶学的特徴は無機的なものと大きく違わないことがわかっている。しかしながら、最近筆者らは他の貝殻微細構造中のアラゴナイト結晶をTEM等で調べているが、そこには無機的なアラゴナイトとは大きく異なる様々な特徴が見られる。今回の発表ではそのいくつかの例を紹介したい。このような結晶学的特徴がどのように実現されるかを明らかにすることは、今後の生体鉱物研究のひとつの課題と思われる。  


第75回 バイオミネラルゼミ   2013年04月08(月) 午後17時00分から午後19時00分

1. 今井宏明(慶應義塾大学理工学部応用化学科・教授)
 バイオミネラルのメソクリスタル構造に学ぶエネルギー材料の開発
要旨:多くのバイオミネラルに見られるメソクリスタルとは、ナノスケールのユニットが結晶方位を揃えて配列した、単結晶と多結晶の中間的な構造である。架橋およ び孤立タイプに分類され、それぞれ逐次的な結晶成長やナノユニットの自己集合によって構築される。メソクリスタルは、高い結晶性と多孔質性あるいは異種材料と の広い界面を有することから、電極材料などのエネルギー関連デバイスへの応用が期待されている。 我々は、ゲルマトリックス中での結晶成長を利用して卵殻に類似したMnCO3の架橋型メソクリスタルを成長させ、これを中間体として多様なマンガン酸リチウム結 晶の合成に成功した。また、コバルトの水酸化物からトポタクティックな転移を利用してコバルト酸リチウムの架橋型メソクリスタルも可能である。これらのメソクリス タル材料を用いたリチウムイオン二次電池ではサイクル特性およびレート特性の向上が確認され、ナノユニットが方位を揃えて集積した構造体は電気化学反応に有利であ ることが示された。 一辺が数十nm程度のナノキューブは自発的に方位を揃えて集積することから孤立型メソクリスタルを構築することができる。チタン酸バリウムに歪を与えて誘電率を増 大させることができれば蓄電デバイスとして期待できることから、我々は産総研加藤らと共同でチタン酸バリウムやストロンチウムのナノキューブの合成し、その三次元 配列に取り組んでいる。酸化マンガン系材料のナノキューブの合成にも成功しており、メソクリスタル構造をもつ新規な電極構造体の構築も期待される。


2. 坂本健(東京大学大学院工学系研究科化学生命工学専攻加藤研究室・助教)
 アモルファス―結晶転移制御を利用するアラゴナイト複合薄膜の構築
要旨:我々は、温和な環境下で精緻な階層構造を形成するバイオミネラリゼーションに倣った新規無機/有機融合材料の構築に取り組んでいる。本研究では、水溶性添加物と不溶性の高分子フィルムを用いて炭酸カルシウムの結晶化を制御し、アモルファス炭酸カルシウムを経由した炭酸カルシウム/高分子複合体薄膜の形成を行った。得られた複合体薄膜は薄いカルサイト薄膜の層と、配列したアラゴナイトナノ結晶からなる層の、二層から構成されていた。  


第74回 バイオミネラルゼミ   2013年03月04(月) 午後17時00分から午後19時00分

1. 奥村大河(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻・D2)
 有機高分子によるカルサイトの微細構造の制御
要旨:生物が関与して形成されるバイオミネラルは、無機的に形成された鉱物とは違った構造や特性を示すものが多い。その要因の一つに、バイオミネラルの結晶内に含まれている微量な有機画分の影響が考えられている。これまで私は、代表的なバイオミネラルの一つである貝殻を例にして、無機結晶と有機画分がどのように相互作用し、バイオミネラル独特の構造や特性が発現されているかを調べてきた。その結果、同じカルサイトで構成された稜柱構造であっても、アコヤガイ(Pinctada fucata)やイワガキ(Crassostrea nippona)には小角粒界や歪みが導入されているのに対し、タイラギ(Atrina pectinata)にはそのような結晶欠陥がなく単結晶性を示すことがわかった。このような違いが生じるのは、アコヤガイやイワガキでは結晶内有機高分子が偏って分布するのに対し、タイラギでは均一に分布していることが原因だと考えられた。分布の違いをより詳細に調べるために、高角度散乱暗視野走査透過電子顕微鏡法(HAADF-STEM)によって得られるZコントラスト像を使って結晶内有機高分子を可視化し、トモグラフィーを行った。アコヤガイではネットワーク状の有機高分子が結晶をsub-grainに分けるように分布しているのに対し、イワガキでは粒状の有機高分子がカルサイトの(001)面に沿うように並んでいた。タイラギの場合は、粒状の有機高分子が三次元的にも均一に分布していることが確認された。また有機高分子は微細構造に影響を与えるのみならず、劈開の抑制のような機械的な性質にも影響をしていた。さらに、貝殻から抽出した有機画分を添加しin vitroでカルサイトを成長させる実験も行った。アコヤガイから抽出された有機画分には結晶欠陥を導入する性質があることが示唆され、天然の貝殻で見られた微細構造がある程度再現された。実験室でバイオミネラルの性質が再現されることは珍しく、結晶内有機高分子が微細構造に影響を与えていることが確かめられた。


2. 清水啓介(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻・D2)
 巻貝の貝殻形成・螺旋成長の分子メカニズム
要旨:巻貝の多様な貝殻の形態進化の理解には貝殻形成の遺伝的基盤の理解が必要不可欠である. 貝殻の初期形成を担う貝殻腺においてdpp, engrailed, Hox1の3種類の形態形成遺伝子の発現がすでに報告されているが,それらの遺伝子の機能は不明である.本研究では,1) 分泌成長因子Dpp, 2) 脊椎動物においてengrailed, Hox1を含むホメオティック遺伝子の発現を制御するレチノイン酸経路の2つに着目した. 1)貝殻の後期成長を担う外套膜におけるdppの発現解析を行なった. その結果, 貝殻が螺旋成長するタケノコモノアラガイ(Lymnaea stagnalis)では左右非対称に発現するのに対し,螺旋成長が弱くほとんど巻かない笠型の貝殻を持つセイヨウカサガイ(Patella vulgate)では左右対称に発現していることが明らかとなった.さらに, Dppのシグナル阻害剤による機能阻害実験を行なった結果,貝殻が巻かない表現型が得られた.これらの結果は,dppの左右非対称な発現パターンが貝殻の螺旋成長を制御している可能性を強く示唆している. 2) トロコフォア期・ベリジャー期においてレチノイン酸分解酵素であるcyp26の発現解析を行った結果,貝殻腺と外套膜の縁辺部での発現が確認された. また,初期胚にレチノイン酸処理を行なうと, engrailedの発現が抑制され,貝殻成長が起こらなかった. この結果はレチノイン酸経路が貝殻の初期形成時に貝殻形成領域の指定に関与している可能性を示唆している.  


2012

第7回バイオミネラリゼーションワークショップ

 日時:2012年12月1日(日)9:30−20:00
 場所:東京大学理学部小柴ホール


第73回 バイオミネラルゼミ   2012年10月29(月) 午後17時00分から午後19時00分

1. 金澤三四朗(東京大学大学院医学系研究科 軟骨・骨再生医療寄付講座 特任研究員)
 軟骨再生医療の細胞源となる弾性(耳介)軟骨細胞におけるGFAPの発現と生物学的機能に関する研究
要旨:グリア細胞の細胞骨格であるグリア線維性酸性タンパク(GFAP)は、軟骨細胞にも発現している。われわれは再生軟骨の製造においてGFAPを軟骨細胞の基質産生指標として使用している。本研究では、経験的に評価指標として使用されているGFAPの、軟骨細胞での意義と役割を明らかにし、軟骨再生医療の品質管理に有用な情報を提供することを目的として、ヒトやマウス由来の培養軟骨細胞におけるGFAPの機能を評価した。その結果、GFAPは細胞の生存や機能発現に必須な核の形態や機能の保持に重要な役割を担っていた。したがって、GFAPが基質産生の指標をして使用されることは合理的なことであると思われた。  


2. 稲村研吾(東京大学大学院理学系研究科 地球惑星科学専攻M2)
 カキ上科の貝殻構造と分子系統解析
要旨:カキは、化石記録が多く、現在から過去を通じて進化の変遷を追いかけることが可能な生物である。カキ上科は、3つの科で構成される。現生種はベッコウガキ科の4属と、イタボガキ科の11属からなり、分類が未だに不明確なものも含め、世界中に約70種いると言われている。カキは漸深海から潮間帯の干潟まで世界中の様々な海洋環境に適応し、また、化石記録も多いが、固着生活を送り基盤に従って成長するため殻の形が周囲の環境によっても変化し、外部形態からでは分類が困難であった。近年、水産資源として有用なイタボガキ科については分子系統解析が行われたが、外群としてベッコウガキ科を固定しているため、カキ上科全体における系統関係は未だ不明である。そこで本研究では、カキ上科全体の進化について総合的な理解を得る事を主旨とする。まず、カキの仲間について核ゲノム中の3つの遺伝子(18s,28s,H3)の塩基配列を基に頑健な分子系統樹の推定を行った。今回得られた、分子系統樹の結果から、現生種のカキ上科においてベッコウガキ科の単系統性が確認できた。しかしイタボガキ科の内部において、従来言われていた属ごとの系統関係が支持されない可能性が生じた。この結果については、本研究で使用したサンプルについて、先行研究に使用されたものと同様なミトゲノムを比較する必要がある。また、ベッコウガキ科およびイタボガキ科の貝殻微細構造の観察を行った結果ベッコウガキ科では胞状構造が、イタボガキ科ではチョーク室構造が観察された。この事から、2つの科での特徴的な貝殻微細構造が各科の共有派生形質として化石にも応用できる可能性が示唆された。イタボガキ科は潮間帯、ベッコウガキ科は浅海〜漸深海に生息環境がそれぞれわかれている。そこで、今後さらに種ごとの貝殻微細構造のバリエーションを確認し、将来的には化石種と現生種との比較を行う事でカキの進化プロセスの理解を深めていく予定である。    


第72回 バイオミネラルゼミ   2012年09月24(月) 午後17時00分から午後19時00分

1. 佐々木猛智(東京大学総合研究博物館・准教授)
 貝殻の多様性:系統と適応
要旨:生物の形態の多様性について考察する際には比較が重要である。貝類は非常に種数の多い動物であるため、少数のモデル種の比較だけではその全体像を解明できない。そのため多種多様な材料を用いて考察することが欠かせないが、その際に常に系統的要因と適応的要因(または生態的要因、機能的要因)の2つの要因を意識する必要がある。系統的要因は、生物の祖先-子孫関係に由来する要因であり、進化の過程で子孫が祖先からそのまま引き継ぐ形質と新たに獲得する形質があることに起因する。系統的要因を考える時には、系統仮説(系統樹)が必要であり、分類群ごとに形質状態を比較し、系統樹と対比することで形質の進化を考察する。貝類では、腹足類、二枚貝類、頭足類のようなグループの違いが系統的要因を反映する。一方、適応的要因は、系統とは独立に貝殻形態に影響を及ぼす要因である。従って、この要因の検討にも系統樹が必要になる。系統的に近縁なグループの中で生態や生息環境が異なるもの、あるいは系統的に遠縁であるが生態や生息環境が類似するもの組み合わせを比較できるとよい。マクロレベルでの殻の適応的意義は生残のための防御戦略と結びついている。殻が堅固であるほど壊されにくく、殻表面の突起や腹足類の殻口の障害物は捕食者を回避する機能があると考えられる。殻の強度に関する研究も重要になってくる。一方で、殻の無い軟体動物も存在しており、殻の退化も興味深い現象である。無殻の軟体動物は、殻を作らない代わりに、化学的防御、骨針の形成、擬態などの生存戦略をとっていることが知られている。生息環境は、貝殻に大きな影響を与える要因である。例えば、海、汽水、淡水、陸上など、あるいは底生と浮遊性などの生息環境の違いが殻のサイズ、厚さに違いを生み出している。一方、南北の緯度方向、高度-深度方向の違いも大きく、寒帯より熱帯、深海より浅海の方がより厚く大きな貝殻を持つ種が多くなる。しかし、これらの違いを実際に定量化した研究は乏しく今後の課題である。以上のような要因は、マクロレベルで認識できるものであるが、ミクロレベルの構造からも考える必要がある。例えば、貝殻の強度については、貝殻は複数の微細構造の組み合わせであるため、個々の微細構造の強度とそれらの組み合わせの問題になる。貝類は陸上から深海、極域から熱帯まで広く分布しており、生息環境は温度、圧力、pH等の条件が著しく異なっている。アラゴナイト-カルサイトの選択、動物体の成長速度、代謝速度、結晶の成長速度、殻の成長速度、殻の強度、捕食率、生残率、繁殖と成長に対する資源配分などが環境による支配を受け、適応進化に影響していると予想される。  


2. 豊福高志(独立行政法人・海洋研究開発機構・主任研究員)
 Visualization of Foraminiferal cellular environment
要旨:Foraminifera, marine unicellular protist, have been considered as one of the major carbonate producer in ocean. Their calcareous tests are broadly utilized as paleo-environmental indicators in various studies of micropaleontology because their tests have been archived as numerous fossil in sediment for geologic time and broad environmental factors are brought by population, morphology and geochemical characters. The knowledge about the cytological process on biominelarization has been described for couples of decade using by OM, SEM and TEM. Foraminiferal activity of calcium and carbonate ion uptake into foraminiferal tests from ambient seawater are of great interest. Our studies showed the potential to understanding the biomineralization of foraminifera by the application of fluorescent microscopy. Recently, we visualize the spatial distributions of cytological calciumand pH in living cell at same time. Observed results show that foraminifera controls very detailed timing of pH variation and concentration of calcium at any stage of chamber formation dynamically. These observations will help to consider how the geochemical compositions arranging on the foraminiferal test.  


第71回 バイオミネラルゼミ   2012年07月30(月) 午後17時00分から午後19時00分

1. 宮園浩平(医学系研究科・分子病理学・教授)
BMPシグナルと細胞分化・形態形成機構
要旨:BMP (bone morphogenetic proteins)は間葉系細胞に作用して骨・軟骨の分化を促進する因子として骨組織から純化され、1988年に遺伝子が同定された。BMPはその構造からTGF-βと類似の構造を持つことが明らかとなり、その後研究が飛躍的に進展した。ほ乳類ではBMP-2, -4, -6, -7, -9, 10、GDF-5の研究が盛んに行われている。BMPの類縁因子は線虫やショウジョウバエなどの無脊椎動物にも存在し、BMPは骨・軟骨の分化にとどまらず神経、腎臓、歯、毛組織など生体内の様々な組織の形態形成に重要な役割を果たしており、さらに血管の恒常性維持や鉄代謝にも関与していることが明らかとなってきた。BMPはTGF-βと同様にI型とII型のセリンスレオニンキナーゼ型受容体に結合し、Smadを介してシグナルを伝達するが、Smadを介さないNon-Smad経路の役割の重要性が最近になって明らかになってきた。本セミナーではBMPの多彩な作用とそのシグナル伝達機構、さらに細胞の分化や形態形成のメカニズムを中心に紹介する。
参考文献: Miyazono K, Kamiya Y, Morikawa M. (2010) Bone morphogenetic protein receptors and signal transduction. J. Biochem. 147 (1): 35-51.    


第70回 バイオミネラルゼミ   2012年06月25(月) 午後17時00分から午後19時00分

1. 大森文人(東京大学大学院農学生命科学研究科水圏生物科学専攻・特任研究員)
 次世代シーケンシングで得られたアコヤガイPinctada fucataにおける新規真珠層形成関連遺伝子候補の機能解析
要旨:アコヤガイは真珠母貝として商業的価値が高く、バイオミネラリゼーション、特に真珠層形成に関して古くから研究されてきた生物である。演者らの研究グループでは、これまでにアコヤガイを対象にGS-FLX454次世代シーケンサーを用いて外套膜と真珠袋で発現する遺伝子の網羅的解析を行ない、25,000以上のESTを取得してきた。本研究では、まず、これらESTから発現量の多い16個の遺伝子に着目し、RNA干渉法によるノックダウン解析を試みたところ、12個の遺伝子について真珠層形成に何らかの異常が認められた。これら12個の遺伝子はBLAST検索の結果、いずれも相同性を示す配列は検索されなかったことから新規真珠層形成関連遺伝子と考えられた。次に、これらの遺伝子についてRACEによるcDNA全長配列の決定を試みたところ、12個中10遺伝子のcDNA全長配列を決定した。このうち、遺伝子000081および000118はそれぞれ、近縁種のシロチョウガイやクロチョウガイで貝殻形成への関与が示唆されているglycine-rich protein 2およびprism uncharacterized shell protein 18遺伝子と高い相同性(E値<1.0E-10)を示した。また、これらの遺伝子についてRT-PCRにより、鰓、閉殻筋、足、生殖腺、外套膜および真珠袋における発現を、in situハイブリダイゼーションにより外套膜における発現局在部位を解析したところ、RT-PCRにより遺伝子000194および000200の転写産物は外套膜にのみ、000081のそれは外套膜と真珠袋にのみ局在していた。また、in situハイブリダイゼーションにより、外套膜における各遺伝子の転写産物の分布は演者らの先行研究における次世代シーケンサーの解析結果と概ね一致し、中でも遺伝子000081は外套膜背側の外側上皮細胞にのみ発現することから、遺伝子産物の機能が真珠層形成に特化していることが考えられた。    


2. 酒井理恵(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻 佐々木研究室 M2)
 軟体動物腹足 綱カサガイ類における貝殻微細構造の進化
要旨:貝殻微細構造は分類群によって様々な組み合わせがあり、貝殻微細構造と系統には密接な関係が知られている。腹足類(巻貝類)は貝殻の形態観察から高次分類群を特 定することが難しいことがあり、軟体部の残らない化石の高次分類を行う上で貝殻微細構造による分類が有用だと考えられる。 カサガイ類は腹足類中で最も初期に分岐したクレードであると考えられており、腹足類における貝殻構造の進化を考える上で重要な存在である。カサガイ類を網羅する分子系統樹がNakano & Sasaki (2011)により報告されたことによりカサガイ類全体の進化が議論できるようになった。本研究ではカサガイ類のSEM観察と構成鉱物同定を行うことで貝殻微細構造と構成鉱物の進化を考察する。 これまでの研究から以下のこがわかった。(1)多くの属が特異的な組み合わせの微細構造を持っている。(2)カサガイ類の共通祖先はmyostracumの外側に共心方向の交差板構造を持っていたと推定される。(3)現生カサガイ類の中で最初に分岐するアツガサガイ属は最外層にのみカルサイト持つ。カサガイ類の外群である古腹足類も最外層にカルサイトを持つ種がいることから、カサガイ類の祖先は最外層にカルサイトを持っていたと考えられる。    


第69回 バイオミネラルゼミ   2012年05月28(月) 午後17時00分から午後19時00分

1. 朱方捷(東京大学工学系研究科化学生命工学専攻加藤研究室・D2)
 金属イオン添加物とポリマー基板の協同作用による炭酸カルシウム薄膜作製
要旨:生体は常温常圧下、複雑な階層構造を有し、高い力学・光学性能を持つ有機・無機複合組織を形成しでいる。我々はバイオミネラルの形成機構に学び、可溶性高分子と高分子マトリクスを共に用い、薄膜状炭酸カルシウム/有機高分子の複合体を作製してきた。しかし、可溶性高分子だけではなく、生物のバイオミネラリゼーションは、イオン性添加物からも大きく影響を受けている。例えば、海洋生物のバイオミネラリゼーションはMg2+イオンの存在下で行っている。そこで、本研究では可溶性高分子の代わりに、Mg2+イオンを結晶成長制御物質として用い、高分子基板上の炭酸カルシウム薄膜形成について検討した。    


2. 金惠眞(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻・M2)
 温泉炭酸塩岩中のイオウ含有方解石の結晶学的評価
要旨:Recently we have found weak super-structure reflections similar to those previously reported and termed “c-reflections” in the electron diffraction (ED) patterns of calcite, precipitated in a hot-spring (La Duke) near Yellow Stone National Park. Since the first documentation by Reeder and Wenk (1979), many studies suggested that c-reflections are formed by the long-range ordering of trace cations such as Mg2+, Fe2+ and, Mn2+ substituting Ca2+. However, X-ray microanalysis indicated that the amount of trace cations such as Mg2+ is very small and sulfur is the major impurity element. S/Ca atomic ratio is about 3%. We have performed several experiments to construct the structure model of sulfur-containing calcite and to explain the relation between c-reflections and sulfur.    


第68回 バイオミネラルゼミ   2012年03月26(月) 午後17時00分から午後19時00分

1. 横尾直樹 (東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻・D2)
 陸生甲殻類オカダンゴムシの外骨格における炭酸カルシウムの結晶学的解析
要旨:炭酸カルシウム(CaCO3)は、軟体動物や節足動物、棘皮動物など非常に多くの生物で見られる代表的な生体鉱物として盛んに研究が行われている。従来、生体鉱物としての炭酸カルシウム結晶は過飽和の溶液から析出しているものと考えられてきた。しかしながら近年では、一部の種においてその前駆体として非晶質炭酸カルシウム(ACC)が存在し、ACCから結晶に転移することが示唆されている。しかしながら、前駆体としてのACCの存在を明確に示した例はあまり見られない。本研究では、先行研究よりACCを前駆体とした結晶性のCaCO3(カルサイト)が含まれると考えられるオカダンゴムシArmadillidium vurgareを対象とし、その結晶学的特徴についてX線回折(XRD)、走査型電子顕微鏡(SEM)、電子後方散乱回折(EBSD)、透過型電子顕微鏡(TEM)などを用いて調べた。 FIB-TEMの観察結果から、オカダンゴムシの外皮(exocuticle)の最外層(distal layer)は板状のカルサイト単結晶で形成されていることが確認された。SEM-EBSDの結果から、表面に見られる鱗片状の領域が一つの板状単結晶であることが示唆された。また、カルサイトのc軸は概ね頭部から尾部に向けて配向しているが、その角度などは完全には制御されていない可能性が示された。一方その下部にある遷移層 (transition zone) には、紡錘状結晶が形成されており、電子回折パターンからカルサイトであることが確認された。その下部の内皮(endocuticule)では、電子回折パターンや元素分析の結果から、ACCが存在することが確認された。TEMでのX線組成分析の結果、最外層のカルサイトにはリンなどのACCの安定化要因とされる元素が全く含まれなかったが、遷移層ではリンの存在が確認され、ACCが含まれる内皮では、比較的多量のリンが検出された。これらの結果から、外皮最外層のカルサイトは体液から有機基質上に直接結晶が析出したものであり、外皮遷移層のカルシウムはACCを前駆体として結晶成長したものであることが考えられる。また内皮ではACCの安定化につながる元素を十分保持しているため、カルサイトへの転移が起こらないと考えられる。  


2. 橋本直樹(筑波大学大学院生命環境科学研究科生物科学専攻・M2)
 腹足類の蓋形成に関する進化発生学的研究 〜貝殻と蓋の比較より〜
要旨:軟体動物は優れた防御器官である貝殻を獲得したことによって繁栄する動物群である。さらに腹足類は“蓋”という新奇形質を獲得したことによって、軟体部すべてを外骨格で覆うという適応進化を遂げた。蓋は腹足類を特徴づける重要な形質の一つであるが、その形成に着目した研究は報告されておらず、どのように発生を改変することで蓋という新奇形質が獲得されたのか解明されていない。蓋と貝殻は腺細胞からの分泌物によって形成される構造で、構成基質や螺旋状に形成されることなどいくつかの共通点をもつ。これらの共通点から、共通する発生の分子基盤が貝殻形成と蓋形成に関与しているという可能性が考えられる。本研究では腹足綱カサガイ目に属する Nipponacmea fuscoviridis を用いて、組織切片の作成、遺伝子発現解析、遺伝子阻害実験を行い、貝殻形成と蓋形成を比較した。その結果 dpp が貝殻及び蓋の形成に機能していることが明らかとなった。つまり軟体動物の背側において貝殻形成に関与していたdpp を上流とする遺伝子ネットワークが、腹足類において足の後方に異所的に発現することで蓋という新奇形質が獲得されたことが示唆された。  


第67回 バイオミネラルゼミ   2012年02月27(月) 午後17時00分から午後19時00分

1. 佐藤圭 (理学系研究科地球惑星科学専攻)
 日本近海産キヌタレガイ類(軟体動物:二枚貝綱)5種の貝殻微細構造
要旨:軟体動物の貝殻微細構造は近縁種で構造が類似することが知られ,硬組織であることから化石種にも応用可能な分類形質として注目されてきた.本研究で研究対象としたキヌタレガイ類は,最も原始的な二枚貝である二枚貝類原鰓亜綱に分類される.また,キヌタレガイ類は鰓内に硫黄酸化細菌を共生し,細菌の生成するエネルギーに従属する化学合成二枚貝である.深海の冷湧水場や熱水域にしばしば生息するが,地質時代を通じた深海への進出史はまだ明らかにされていない.このように,キヌタレガイ類は二枚貝の進化史・化学合成二枚貝の進化史の二点において重要な位置づけにあるが,巨視的な貝殻形態に形質が極めて乏しいため,これまでに余り研究が進んでいなかった.本研究では,キヌタレガイ類の貝殻微細構造に注目し,貝殻微細構造と分子系統解析の結果の比較を通じて,貝殻微細構造をキヌタレガイ類の分類形質の有効性を再検討し,貝殻微細構造の進化仮説およびキヌタレガイ類の進化史を考察した.本研究の結果,観察したキヌタレガイ類5種中4種の外層で放射状稜柱構造が観察され,この構造をもつ種は系統樹において全て同じクレード内に入った.一方Acharax johnsoni は,外層に本研究で新たに発見された網目状構造を有し,放射状稜柱をもつグループとは異なるクレードに入った.このように,キヌタレガイの外層の貝殻微細構造は系統をはっきりと反映していたことが明らかとなった.また,貝殻微細構造と生息場との対比を行ったが,放射稜柱構造を有するクレードにおいて,これらの明確な関係は見いだせなかった.しかし,深海固有種のAcharax johnsoniは他種と比べ遺伝的に大きな隔たりがあり,貝殻微細構造も大きく異なることから,深海への適応が関係しているかもしれない.化石記録と本研究の結果を総合すると,石炭紀以降において外層の放射状稜柱と,外靭帯をもつ祖先型のキヌタレガイ類がいたと予想される.また,Acharax johnsoniの祖先はジュラ紀以前には出現し,深海へ進出していったと考えることができる. 


2. 中山 誠志 (東京大学大学院農学生命科学研究科応用生命化学専攻 生物有機化学研究室・M2)
 アコヤガイの殻皮に含まれるタンパク質の構造および機能解析
要旨: 貝殻は軟体動物が作るバイオミネラルであり、真珠貝であるアコヤガイの貝殻形成機構についてはその経済的重要性からも盛んに研究が行われてきた。しかし、未だその分子機構の詳細は明らかになっていない。そこで、本研究では殻皮に注目した。過去の研究から、殻皮は貝殻の形成起点として働くと考えられるが、これまでその成分に関してはほとんど研究が行われていない。現在までに、アコヤガいの殻皮からキチンおよび2種類の新規タンパク質PPP-1,-2を同定した。発現解析の結果、PPP-1, -2は殻皮形成に関わると考えられる外套膜外ひだの上皮細胞で発現していることが明らかとなった。また、PPP-2の組換え体はキチン結合能を示した。現在はPPP-2の局在解析を行っている。 


第66回 バイオミネラルゼミ   2012年01月30日(月) 午後17時00分から午後19時00分

1. 石川牧子(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻・学振特別研究員)
 ツキガイ科二枚貝の殻体内有機質膜形成と捕食に及ぼす効果
要旨:捕食-被食関係は海洋生態系の成立の過程で重要な鍵となる。硬組織に焦点を当てれば、被食者にとっては自身の硬組織の堅牢化、捕食者にとっては堅牢な硬組織からいかに効率よく軟体部を取り出すかが求められてきた。今回は貝食性の捕食者であるタマガイ科巻貝と、その被食者であるツキガイ上科ツキガイ科Cardiolucina属の二枚貝との捕食‐被食関係を例に、硬組織の進化史の一例を紹介する。 タマガイ類は、酸を分泌して被食者の殻の炭酸カルシウムを軟化し、それを歯舌で削り取ることによって殻に穿孔し、貫通した穿孔痕を通して軟体部を捕食する。タマガイ類による捕食は、それが出現した中生代白亜紀以降の海棲貝類の進化に大きな影響を与えたとされている。一方、ツキガイ科Cardiolucina属の二枚貝は成長期と停滞期を繰り返す成長パターンを示し、成長停滞期に殻体内に有機質の膜状構造を挟在する特殊な殻構造を持つこと、タマガイ類はこの有機質膜を軟化できず、結果的に捕食が阻害されることを示した。こうした有機質膜を殻体内に持つ二枚貝は、シジミ上科、イシガイ上科、オオノガイ上科、カキ上科などいくつかの系統的に離れた上科で知られており、シジミ、イシガイ上科では淡水域での殻の溶解を抑える働き、また、オオノガイ上科、カキ上科ではタマガイ科巻貝などによる穿孔捕食を阻害する働きが報告されている。Cardiolucina属は中新世に出現し、現在では潮下帯から漸深海帯まで生息する。殻体内の有機質膜の枚数は種により異なり、その枚数が多いほど効果的に捕食を阻害したが、枚数に時空間的な傾向は見られなかった。逆に有機質膜の形成に周期性がみられることから、有機質膜の形成には何らかの環境的triggerが存在することが示唆される。


2. 小林未明 (がん研究会がん研究所・蛋白創製研究部)
 タバコモザイクウイルス(TMV)遺伝子改変体を用いた金属ナノ構造の作製
要旨:タバコモザイクウイルス(TMV)は,長さ300 nm,外径18nm, 内径4 nmのチューブ状粒子である.我々はTMVの構造情報を元に,内部空洞に露出していると考えられるアミノ酸残基に的を絞り,遺伝子工学的手法を用いて様々な変異を導入した.最終的に,101番目のセリン,あるいは106番目のグルタミン酸を,陽電荷を持つリジン(K)に置換した変異体を用いて,Pt/CoやPtのナノ粒子列を作製することに成功した[1].野生型のウイルスを利用した際には,ナノ粒子列ではなくてワイヤが形成される[2].また最近は,外側に金結合ペプチドを提示した変異体を用いて金粒子を析出し,可視光領域のメタマテリアル創成に向けて取り組んでいる[3]. 生体材料の持つ微小空間を利用することは,磁性ナノ粒子の配置に限らず,様々な応用展開の可能性がある.

1. Kobayashi, M. et al., Nano Lett. 2010, 10, 773.
2. Kobayashi, M. et al., Chem Lett. 2010, 39, 616.
3. Kobayashi, M. et al., Proc. SPIE 2011, 8070, 80700C.


2011

第6回バイオミネラリゼーションワークショップ

 日時:2011年12月3日(日)9:30−20:00
 場所:東京大学農学部弥生講堂


第65回 バイオミネラルゼミ   2011年10月24日(月)午後17時00分から午後19時00分

1. 鈴木道生(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻・学振特別研究員)
 カサガイ交差板構造のアラゴナイト結晶形成に関する研究
要旨 : 貝殻は軟体動物が作る炭酸カルシウムを主成分とするバイオミネラルである。本研究で研究対象とした交差板構造は、様々な貝類の貝殻微細構造に見られる一般的な構造であり、巻貝、二枚貝、掘足綱や多板綱に至るまで幅広く存在している。交差板構造は、アラゴナイト結晶で構成された柱状の構造(Third order lamella)が並んで平行なプレートを作り(Second order lamella)、このプレートが積み重なって一つのブロックを形成する(First order lamella)という階層構造をしている。ブロックは貝殻に対して約45度傾いて配置しており、ブロック毎に互い違いに逆の向きに交差していることから交差板構造と命名された。 これまで交差板構造においては多くの微細構造の観察結果が報告されているが、その形成メカニズムについて研究した例は少ない。そこで本研究では、まずIRによるgrinding curveを用いて交差板構造のアラゴナイト結晶の特徴を解析し、続いてcryo-SEMを用いてin vivoにおけるアラゴナイト結晶の形成初期の観察を行った。さらに交差板構造に含まれる有機基質を用いてin vitroでの結晶形成実験を行ったところ、低濃度のMg存在下でアラゴナイト結晶を誘導することが明らかにされた。以上のことから交差板構造に含まれる有機基質が、そのアラゴナイト結晶形成に何らかの役割を果たしていることが示唆された。


2. 飯村九林(東京大学大学院農学生命科学研究科応用生命化学専攻・特任研究員)
 鱗形成細胞から考える鱗進化
要旨:魚類の鱗は主にI型コラーゲンにリン酸カルシウムが沈着した石灰化組織である。一般的な硬骨魚類の鱗(骨鱗)には、どちらも骨様の骨質層と線維層板の2層が認められる。しかし、古代魚の鱗(コスミン鱗やガノイン鱗)には歯のエナメロイドや象牙質に類似した構造も認められる。そのため、鱗が歯と類似した性質を持ち、鱗は各層の構成比を変化させることで進化してきたと推測されている。しかし、このような進化の分子生物学的な裏づけは行われておらず、鱗進化の詳細はいまだ不明なままである。鱗進化のさらなる解析は、各鱗の形成機構を解析し、それらを比較することで可能になると考えられる。そこで本研究では、鱗進化の詳細な解明を最終目的に、骨鱗の形成機構の解析を細胞分化に着目して行った。その結果、鱗形成細胞が象牙芽細胞に近い性状を持つことが明らかとなった。


第64回 バイオミネラルゼミ   2011年9月26日(月)午後17時00分から午後19時00分

1. 木下滋晴(東京大学大学院農学生命科学研究科水圏生物科学専攻・助教)
 次世代シーケンサを用いたアコヤガイPinctada fucataの真珠および稜柱層形成部位のEST解析
要旨 : 近年、貝殻形成に関わる遺伝子やタンパク質の報告が相次いでいるが、機能の詳細が明らかにされているものは少なく、未知の分子も数多いと予想される。そもそも貝類ではゲノムデータは公開されておらず、ゲノム規模での網羅的な解析は行われていなかった。一方、ここ数年次世代シーケンサが実用化され、ゲノム情報が全くない生物種でも莫大な遺伝子情報が短期間で取得できるようになっている。我々は、代表的な真珠貝であるアコヤガイPinctada fucataを対象に、真珠層および稜柱層形成部位における網羅的な発現遺伝子プロファイルを作成するため、GS-FLX454次世代シーケンサによるEST解析を行った。得られた全リード数は260,477で、クラスタリングの結果、真珠層形成部位である真珠袋および外套膜縁膜部からそれぞれ14,833種類および11,353種類、稜柱層形成部位である外套膜膜縁部から8,533種類、3組織の合計で29,682種類の遺伝子配列を得た。さらに、配列と組織別出現頻度の解析から、新規真珠層あるいは稜柱層形成関連遺伝子候補を多数抽出した。


2. 丸山浩司(東京大学大学院理学系研究科化学専攻・M2)
 非晶質炭酸カルシウムのアスパラギン酸を用いた安定化および圧力誘起結晶化
要旨:非晶質炭酸カルシウム(ACC)は熱力学的に不安定であり、条件によっては短時> 間でより安定な結晶相の炭酸カルシウム(カルサイト、ファーテライ トなど)に変化する。ACCはバイオミネラルの前駆体として注目されているだけでなく、アモルファスの特性を活かした材料開発も進められている。 これまで、ポリマーを用いたACCの安定化は報告されているが、モノマーを用いた例はない。我々は、アスパラギン酸を用いることで安定なACC材 料の合成を試み、透明なACCとアスパラギン酸の複合物質の合成に成功した。また、ACCの圧力誘起結晶化という新しい現象を見出したので、その結果について報告する。加圧により生成する結晶はカルサイトとファーテライト であり、これらの多形の比率は圧力によって変化し、圧力が高いほどカルサイトが多く生成する傾向が見られた。また、ACCの含水量が多いほど結晶 化圧力は低くなることが分かった。これまでに得られた結果からACCの圧力誘起結晶化のメカニズムについて考察する。


第63回 バイオミネラルゼミ   2011年7月25日(月)午後18時00分から午後19時30分

1. 遠藤博寿 (東京大学大学院農学生命科学研究科応用生命化学専攻・特任助教)
 円石藻のココリス形成機構に関する分子生物学的解析
要旨 : 海洋性の単細胞藻類である円石藻(ハプト植物門)は、細胞の周囲をコ コリス(coccolith)と呼ばれる炭酸カルシウム結晶が沈着した微細構造で覆っ ている。これまで、このココリスの形成機構については、主に生理学・組織 学・結晶学的なアプローチにより研究が行われてきた。しかし、ココリス形 成、特に石灰化の過程を制御する有機基質については詳細な知見は得られてい ない。そこで、本研究では、ココリスに含まれるタンパク質の単離および遺伝 子導入系の確立を試みた。現在までに2種類の新規な基質タンパク質が得られ ており、その内の少なくとも片方は、発現パターンの解析から、ココリス形成 に何らかの関与をしていると考えられる。現在はその局在および機能について 解析を進めている。


2. 磯和幸延 (東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻・D1)
 翼形類(二枚貝)における貝殻基質タンパク質アスペインの分子進化
要旨:軟体動物の貝殻に含まれる酸性タンパク質はCa2+との結合能を有し、貝殻形成において重要な役割を果たすと考えられている。アスペインはアコヤガイから同定された酸性タンパク質であり、カルサイト(稜柱層)殻体の形成に重要な役割を果たしていることが示唆されている。本研究では、アスペインと相同なタンパク質をアコヤガイの近縁種において同定し、一次構造を比較することで、進化的に保存された、機能的に重要と解釈される領域を推定した。その結果、SEP(セリン−グルタミン酸−プロリン)とDA(アスパラギン酸−アラニン)×5というモチーフが保存されていることがわかり、重要な機能をもつことが示唆された。また、大量のアスパラギン酸が集中し、Ca2+との結合能を有する領域であるDドメインも保存されていた。ただし、Dドメイン内のアスパラギン酸の並び方は種によって大きく異なっていた。このことから、Dドメインが機能するためには、アスパラギン酸が多いことのみが重要であり、特定の配列の並びは必要としないということが示唆された。


第62回 バイオミネラルゼミ   2011年6月20日(月)午後5時00分から午後7時00分

大越健嗣(東邦大学大学院理学研究科環境科学専攻・教授)
 (1)深海および極域に生息する貝類のミネラリゼーションと海洋酸性化の影響
 (2)浅海に生息する貝類の成長や貝殻形成に対する地震・津波の影響
要旨 : 地球温暖化と海洋の酸性化に伴い、炭酸カルシウム、とくにアラゴナイト殻を持つ海洋生物は今後生存にも成長にもダメージを受ける可能性がある。今回は、極域に生息する二枚貝や浮遊性の巻貝、深海の熱水噴出域に生息する二枚貝類の貝殻構造や貝殻形成と溶解の特性を紹介し、今後の海洋酸性化の影響について話題提供を行う。また、2011年3月11日の大地震と津波が浅海に生息する貝類に与える影響についてミネラリゼーションの視点から考察する。
(2)に関しては、下記サイトを参考にしてください。
http://www.asahi.com/national/update/0605/TKY201106040559.html


第61回 バイオミネラルゼミ   2011年5月30日(月)午後5時30分から午後7時00分

1. 林明子(明治大学理工学部・D2)
 SEM, EBSD, FIB-TEM を用いた Meretrix lamarckii (二枚貝) の交差ラメラ構造の結晶学的キャラクタリゼーション
要旨 : 軟体動物貝殻の交差ラメラ構造の形成メカニズムを理解するために、Meretrix lamarckii の結晶学的構造が SEM, EBSD, FIB-TEM により分析された。厚さ-0.5 µm 程度のラメラが交互に反対方向を向いて厚さ方向に積層することにより、第一次ユニットが形成される。第一次ユニットは貝殻の中央付近では殻に平行に積層し、外殻及び内殻の方向に曲がっている。ラメラは粒状層とカラム層の二層で構成されている。TEM分析の結果は、これらの二層は同一の結晶配向をもっており、互いに{110} 双晶として存在することを示唆した。また、結晶のc軸はカラムに平行な位置から0°〜50°の範囲で傾き、その値には分散があること、a, b軸 はランダムな方向を向いていることが明らかになった。


2. 奥村大河 (東大・理・D1)
 バイオミネラルにおける結晶内有機高分子に制御された微細構造と機械的性質
要旨:バイオミネラルは同じ物質や材料でも、無機的に形成されたものでは得られない優れた特性や性質をもつ場合があり、物質科学や材料工学において注目を集めてきた。そのような性質が誘起される要因の一つとして、結晶内に存在する有機高分子が重要であると考えられている。今回我々は、カルサイトで構成されたバイオミネラルにおける結晶中の有機高分子の存在状態を透過型電子顕微鏡(TEM)等を用いて明らかにし、ナノインデンテーションで得られる結晶の機械的性質との関連を調べた。


第60回 バイオミネラルゼミ   2011年4月18日(月)午後6時00分から午後7時00分

Prof. Markus Linder (VTT Technical Research Centre of Finland)
 "Biology as a treasure trove for materials engineering"


第59回 バイオミネラルゼミ   2011年2月28日(月)午後5時00分から午後7時00分

1.宮部耕成(東大・農学生命科学研究科・M2)
  「キンギョの鱗の石灰化に関与する新規基質タンパク質GSP-37に関する研究」


2.西田 梢(東大・地球惑星科学専攻・博物館・D1)
  「二枚貝類の貝殻微細構造の成長段階による変化 −アカガイを例にー」


2010

第58回 バイオミネラルゼミ   2010年11月29日(月)午後5時00分から午後7時00分

1. 吉野 徹(東大・理・地殻化学)
 「結晶溶解及び成長実験から見たカルサイト表面と生体分子との相互作用」


2. 川幡穂高(東大・大気海洋研/東大・新領域・環境学系)
 「飼育実験からみた生物硬化作用ー将来の地球環境(酸性化)や古環境指標の開発ー」


第5回バイオミネラリゼーションワークショップ

 日時:2010年11月6日(土)10:00−20:00
 場所:東京大学農学部弥生講堂


第57回 バイオミネラルゼミ   2010年9月27日(月)午後5時30分から午後7時30分

1. 熊谷洸・梶山智司・緒明佑哉・西村達也・加藤隆史(東大・工)
  「バイオミネラリゼーションにならう遷移金属酸化物・水酸化物の構造制御およびその機能化」


2. 奥村剛(お茶の水女子大学大学院・理学部物理学科)
  「天然物質の強靭性:硬・柔組み合わせの妙−真珠層とクモの巣を例として」


第56回 バイオミネラルゼミ   2010年7月29日(木)午後5時から午後7時

1. 遠藤一佳(東大・理・地球惑星)


2. 小暮敏博(東大・理・地球惑星)


3. 長澤寛道(東大・農・応用生命化学)


2009

第4回バイオミネラリゼーションワークショップ

 日時:2009年12月13日(日)10:00−20:00
 場所:東京大学農学部弥生講堂


第55回 バイオミネラルゼミ   9月16日(水)17:30〜19:00

1.岩嶋 愛(農学生命化学研究科・応用生命化学専攻・M2)
  「ムラサキイガイの真珠層形成に関与する新規基質タンパク質BMSPに関する研究」


2.奥村大河(理学系研究科・地球惑星科学専攻・M1)
  「アコヤ貝稜柱層を構成する方解石の階層構造」


第54回 バイオミネラルゼミ  7月22日(水)17:00〜18:30

1. 横尾直樹(理学系研究科・M2)
  「アコヤガイPinctada fucata幼生における初期貝殻構造の観察」


2. 佐藤愛(農学生命科学研究科・M2)
  「甲殻類における石灰化を制御する有機基質の機能解析」


2008

第3回バイオミネラリゼーションワークショップ

 日時:2008年12月13日(土)10:00−20:00
 場所:東京大学農学部弥生講堂


第53回 バイオミネラルゼミ  11月19日(水)17 : 30 〜 19 : 00

1.緒明佑哉(工学系研究科・化学生命工学専攻・加藤研・PD
  「透明で安定なアモルファス炭酸カルシウム/有機高分子複合体の開発」


2.小暮敏博(理学系研究科・地球惑星科学専攻・准教授)
 「イワガキ幼生の初期貝殻構造」


第52回 バイオミネラルゼミ  7月23日(水)17:00−19:00

1.吉野 徹(理学系研究科・化学専攻・D1)
  「カルサイトの溶解挙動の観察から見える結晶表面と有機物との相互作用」


2.斎藤幸恵(農学生命科学研究科・農学国際専攻・准教授)
 「βキチンの結晶構造と成層化合物の形成」


第51回 バイオミネラルゼミ  6月25日(水)17:30−19:00

1.辻 融(工学系研究科・化学生命工学専攻・PD)
  「人工タンパク質を用いたリン酸カルシウム結晶成長制御に向けて」


2.猿渡和子(理学系研究科・地球惑星科学専攻・PD)
 「未成熟ココリスPleurocrysis carteraeの結晶方位解析から推測されるココリス形成メカニズム」


第50回 バイオミネラルゼミ  5月28日(水)17:30−19:00

1.佐藤 愛(農学生命科学研究科応用生命化学専攻、M1)
  「アメリカザリガニの胃石と外骨格に含まれるリン化合物の同定とその機能解析」


2.長坂征治(農学生命科学研究科応用生命化学専攻、特任研究員)
 「円石藻におけるココリス形成機構の形態学的、分子生物学的解析」


2007

第2回バイオミネラリゼーションワークショップ

 日時:2007年12月1日


第49回 バイオミネラルゼミ  10月24日(水)17:00−19:00

1. 荒井 公(理学系研究科・地球惑星科学専攻・M1)
  「ニジマスの耳石の結晶学的解析」


2. 鈴木道生(農学生命科学研究科・応用生命化学専攻・D3)
 「アコヤガイ貝殻の真珠層形成に関与する基質タンパク質に関する研究」


第48回 バイオミネラルゼミ  7月24日(火)17:00−19:00

1.坂本 健(工学系研究科・D2)
  「合成高分子を利用した炭酸カルシウム結晶のパターン構造制御」


2.佐野健一(財団法人 癌研究会癌研究所・蛋白創製研究部)
 「無機材料結合人工ペプチドとナノテクノロジーへの応用」


第47回 バイオミネラルゼミ  5月30日(水)17:00-19:00

1. 向井広樹(理学系研究科地球惑星科学専攻小暮研究室)
  「Mineralogical features of euhedral aragonite plates in the nacreous layer of abalone shell」


2. 国友良樹(筑波大学大学院遠藤研究室)
 「貝殻タンパク質DermatopontinのRNAiによる機能解析」


第46回 バイオミネラルゼミ  2月21日(水)17:00-19:00

1. 森本温子(東大理学系研究科・化学専攻、M2)
  「無機塩ならびに生体鉱物中に取り込まれたランタノイド元素の価数変動」


2. 芝清隆((財)癌研究会癌研究所・蛋白創製研究部)
 「人工タンパク質を用いたバイオミネラル研究」


2006

第1回バイオミネラリゼーションワークショップ

 日時:2006年12月13日


第45回 バイオミネラルゼミ  11月14日(火)17:00−19:00

1. 木原 隆典(東大工学系研究科・ナノバイオ・インテグレーション研究拠点)
  「骨髄間葉系幹細胞の骨芽細胞への分化にともなう石灰化」


2. 服部淳彦(東京医科歯科大学・教養部・生物学)
 「メラトニンと骨−膜性骨のモデルとしてのキンギョのウロコを用いた解析」


第44回 バイオミネラルゼミ  9月20日(水) 17:00−19:00

1. 吉野 徹(東京大学大学院理学系研究科・化学専攻・M1)
  「カルサイトの溶解に及ぼすアミノ酸の影響〜溶液化学的手法を用いて〜」


2. 更科 功(筑波大学大学院地球進化学専攻・PD)
 「軟体動物の殻内基質タンパク質Dermatopontinの起源と進化」


第43回 バイオミネラルゼミ  7月19日(水) 17:00−19:00

1. 徳永大樹(大学院農学生命科学研究科・応用生命化学専攻・M1)
  「魚類の鱗の石灰化を制御する有機基質の探索」


2. 猿渡和子(大学院理学系研究科・地球惑星科学専攻・PD)
 「地球生命圏科学電子後方散乱回折(EBSD)を用いたココリス(Pleurochrysis carterae)の結晶方位解析」


第42回 バイオミネラルゼミ  5月24日(水)17:00−19:00

1. 佐々木猛智(東京大学総合研究博物館・助手)
  「軟体動物における貝殻の進化」


2. 筧 光夫(明海大学歯学部口腔解剖学分野)
 「生体アパタイト結晶と中心線」


第41回 バイオミネラルゼミ  4月26日(水)17:00−19:00

1. 三島弘幸(高知学園短期大学・保健科歯科衛生専攻)
  「歯の象牙質の組織構造、系統発生学と比較組織学からの観点」


2. 佐野有司(東京大学海洋研究所・先端海洋研究センター・教授)
 「二次イオン質量分析計を用いた生体硬組織・炭酸塩の分析」


第40回 バイオミネラルゼミ  3月15日(水) 17:00−19:00

1. 茅野啓介(発表者、M2)、鈴木石根、白岩善博(筑波大学・大学院生命環境科学研究科・情報生物科学専攻・生物科学系)
  「円石藻Emiliania huxleyiのココリス局在性有機分子」


2. 森陽太(農学生命科学研究科・生物材料科学専攻・M2)
 「有機/無機複合体反応による炭酸カルシウムの調製と紙への応用」


2005

第39回 バイオミネラルゼミ  12月14日(水)17:00−19:00

1. 岡野桂樹(秋田県立大学生物資源科学部・助教授)
  「フジツボ幼生とイワガキ幼生における付着と殻形成」


第38回 バイオミネラルゼミ  10月26日(水) 17:00−19:00

1. 小暮敏博(大学院理学系研究科・地球惑星科学専攻・助教授)
  「フォーカスイオンビームを用いた炭酸カルシウム結晶のTEM観察」


2.今井宏明(慶應義塾大学理工学部応用化学科・助教授)
 「バイオミネラルに類似した階層的な結晶成長と形態デザイン」


第37回 バイオミネラルゼミ  9月14日(水) 17:00−19:00

1. 福良哲史(理学系研究科付属地殻化学実験施設・D1)
  「蛍光分光法で見る鉱物溶解速度の結晶面依存性」


2. 松井智之(理学系研究科・地球惑星化学専攻・M1)
 「電子後方散乱解析(EBSD)によるアコヤガイ真珠層のaragonite結晶の方位解析」


第36回 バイオミネラルゼミ  7月13日(水)17:00−19:00

1. 桜井 卓(東京大学大学院農学生命科学研究科・応用生命化学専攻・M2)
  「円石藻のココリス形成にかかわる遺伝子の探索」


2. 菅原彩絵(東京医科歯科大学生体材料工学研究所・日本学術振興会特別研究員(PD))
 「バイオインスパイアード・ミネラリゼーション: ナノゲル−リン酸カルシウムハイブリッド微粒子の創製」


第35回 バイオミネラルゼミ  6月22日(水)17:00−19:00

1. 山本祐也(東京大学大学院工学系研究科化学生命工学専攻・M1)
  「アメリカザリガニ由来のペプチドを用いた炭酸カルシウムの結晶成長制御」


2. 村山英未(フランス、パスツール研究所)
 「ゼブラフィッシュにおける耳石形成−耳石基質タンパク質OMP-1およびOtolin-1の役割−」


第34回 バイオミネラルゼミ  5月18日(水) 17:30−19:30

1. 竹内 猛(筑波大学大学院生命環境科学研究科・D1)
  「アコヤガイにおける殻形成関連遺伝子の発現解析」


2. 井上宏隆(東京大学大学院農学生命科学研究科応用生命化学専攻・PD)
 「アメリカザリガニ外骨格の石灰化の分子機構」


第33回 バイオミネラルゼミ  3月16日(水) 17:00−19:00

1. 鈴木道生(農学生命科学研究科、応用生命化学専攻 M2)
  「アコヤガイ貝殻形成に関与する新規有機基質の構造および機能解析」


2. 井上 弦(東京工業大学大学院 総合理工学研究科 環境理工学創造専攻 助手)
 「土壌学における植物珪酸体を利用した研究−南九州都城盆地のテフラ-土壌シークエンスを例に−」


2004

第32回 バイオミネラルゼミ  11月17日(水)17:00−19:00

1. 新海 政重(東京大学大学院工学系研究科・化学生命工学専攻・助教授)
  「新しい三次元組織構築法を用いた培養骨の調製」


2.安元(広瀬)美奈(海洋バイオテクノロジー研究所・研究員)
  「サンゴ礁海域から分離したアレイ状顆粒(炭酸カルシウム)生産菌について」


第31回 バイオミネラルゼミ  10月20日(水) 14:00−15:30

1. 江前敏晴(農学生命科学研究科・生物材料科学専攻・助教授)
  「界面反応法で調製した球状中空炭酸カルシウムの紙への応用」


第30回 バイオミネラルゼミ  6月23日(水) 17:00−19:00

1. 吉田哲章(地殻化学研究室・M2)
  「炭酸カルシウムに取り込まれるYbの酸化状態について」


2. 尾市哲(東京大学大学院工学系研究科・化学生命工学専攻・M1)
 「ポリビニルアルコールを用いた自己組織化による炭酸カルシウム微細構造の構築」


第29回 バイオミネラルゼミ  2月18日(水)17:00−19:00

1. 鈴木道生(東京大学大学院農学生命科学研究科・応用生命化学専攻・M2)
  「アコヤ貝貝殻における稜柱層特異的基質タンパク質の構造・機能解析」


2. 神谷奈津美(東京大学大学院理学系研究科・化学専攻・D1)
 「炭酸カルシウムの溶液中挙動に及ぼすランタンイオンの影響」


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