戦前日本における「宗教団体」の法的基準:宗教団体法(1939)における「回教」の位置付けに関する議論の考察(2024年10月16日)
本講演では、戦前の日本において「回教(イスラーム)」に対する政治家の認識やイスラームや共産主義に基づく超国家的な繋がり、そして国際情勢が「宗教団体」の法的基準に与えた影響を考察する。宗教団体法(1939年)は、日本で初めて体系的に「宗教団体」を規定、統制、保護し、その他を「宗教結社」として統制した法律である。本法における「回教」の位置づけについての政治家や官僚による議論を考察すると、国内外の信徒からの関心、国際情勢、信徒の「神社」に対する忠誠心への疑惑、共産主義運動への恐怖等が「回教」を本法に「宗教団体」として明記しない、という帝国議会での決断に影響を与えたことが窺える。今まで言及されることの少なかった、イスラームや共産主義の超国家的な繋がりやこれらの人々を取り巻く国際情勢が本法における「宗教団体」の規定に影響を与えたこと、そしてまた本法により守るべき日本の中枢にある「神社」という政治家の認識に影響を与えたことを議論する。
スピーカー | 金原典子(東京大学大学院総合文化研究科・学術研究員) |
討論者 | 山口輝臣(東京大学大学院総合文化研究科・教授) |
日時 | 2024年10月16日(水)17時15分~19時 |
会場 |
東京大学駒場キャンパス 18号館コラボレーションルーム1(4階) |
参加申し込み | 対面のみ(申し込み不要)。 |
言語/Language | 日本語/Japanese |
主催 | 東京大学中東地域研究センター(UTCMES) |
問い合わせ先 | 東京大学大学院総合文化研究科・准教授 大塚修(osamuotsukaアットマークask.c.u-tokyo.ac.jp) *「アットマーク」は「@」に変えてください。 |