航空宇宙
システム学コース
航空機や宇宙機の機体について学ぶ
航空宇宙システム学コースとは
航空宇宙システム学コースでは、航空機および宇宙機を包括的なシステムとして捉え、その設計、解析、分析、開発及び利⽤に関して統合的かつ体系的な教育および研究を⾏います。航空宇宙システム学コースにおける専⾨カリキュラムでは、空気⼒学、構造⼒学、制御工学を主要な学習の柱として位置付けています。
- 空気力学
- 空気⼒学は、機体周りの流れや、ジェットエンジンやロケットエンジン内の流れを理解するために不可欠な学問です。空気力学の基礎から応用まで学びますが、本学科の特徴としては超音速流れなどの高速空気力学についてもしっかりと学ぶ点が挙げられます。これらの講義を通じて、実際の航空機および宇宙機設計に応⽤可能な空気⼒学の知識を深めていきます。
- 構造力学
- 構造⼒学は、航空宇宙機の構造が荷重を受けた際に内⼒や変形を推算・設計するための学問です。材料力学や航空機特有の構造設計、構造振動や構造解析手法、製造方法について学びます。軽量でも安全な、極限的な軽量構造を実現するための知識を身につけます。
- 制御工学
- 制御工学は、システムを所望の状態に遷移・維持するための理論や技術を扱う学問です。
航空機・宇宙機の飛行経路・軌道の調整、姿勢制御等、飛行中に必要な様々な機能を実現するための方法について学びます。そして、無人航空機や宇宙探査機が遠隔地の極限環境下で任務を遂行するために必要となる自律制御システム等の応用について学びます。
専門カリキュラム
- 宇宙軌道力学
- 宇宙機制御工学
- 航空宇宙自動制御
- 航空機力学
- 航空宇宙機器システム工学
航空機・宇宙機の運動・構造に係わる力学、制御の基礎理論から最適制御およびその航空機・人工衛星・ロケットへの応用、宇宙機の軌道計画や機器システム等を学習します。それらを題材に、システム工学・システム設計の考え方についても取り上げます。
航空宇宙システム学コース
時間割例
PICK UP
- 01宇宙軌道力学
- 人工衛星・探査機等の宇宙機が宇宙を飛行する際の軌道力学および軌道設計手法について学習します。力学でも扱うことのある二体問題から出発して、地球周回軌道、軌道間移行と学んでいき、最終的にはスイングバイを用いた地球-惑星間の軌道計画を考えます。
本講義は、4年生の後期に行われる宇宙機の卒業設計へと繋がっていきます。
- 02航空機設計法第一・第二
- 3年生Aセメスター及び4年生のSセメスターに開講される航空機設計法第一・第二では、 航空機概念設計法について学びます。具体的には、設計要求を満足する機体諸元を決定し、より詳細な設計に向けて機体の三面図を描きます。
これらの講義は、4年生の12月から始まる卒業設計（航空機）へと繋がっていきます。
- 03航空宇宙システム学実験
- 航空宇宙システム学コースの各研究室で実験を行い、座学の講義で学んだことを活かしてデータの解析を行います。
実験テーマは、風洞を使った空気力学の実験、複合材を用いた構造力学の実験、フライトシミュレータや制御系の実験など多岐に渡ります。
また、柏キャンパスに設置されている極超音速高エンタルピー風洞の実験の見学も行います。
卒業論文［4月〜11月］
正解の用意されていない課題に
これまでの学習成果を総動員して取り組む。
4年生になると各研究室に配属され、各研究室のテーマに沿った研究に取り組み、卒業論文を書き上げます。4⽉に開催される卒論⽣受け⼊れガイダンスにて、卒論に関する説明と受⼊れ研究室の全体説明や個別説明が⾏われます。
研究室に配属後、約半年かけて研究を進め、11月末に卒業論文を提出します。
教員一覧（研究室）
卒業論文発表までのフロー
| 4月上旬 | ガイダンス＆研究室ごとの全体説明 |
|---|---|
| 希望研究室提出 | |
| 4月中旬 | 卒論生受入れ研究室決定 |
| 卒論テーマ選定 | |
| 11月末 | 12月 |
卒論提出・卒論発表 |
卒業設計［12月〜2月］
4年生の12月～2月にかけて、システム学計画及製図（通称、卒業設計）に取り組みます。
航空機・宇宙機の計画立案・設計・製図の通して、座学で学んだ様々な知識を統合し、一つのシステムを作り上げる楽しさと難しさを体験します。
航空機設計［過去の設計例］
- 小型ビジネスジェット機、超大型旅客機
- 水陸両用ターボプロップ機、超音速旅客機
- 環境適合型リージョナルジェット機、水素燃料航空機、電動航空機
- 成層圏プラットフォーム型航空機、宇宙往還機
宇宙機設計［過去の設計例］
- 地球観測（災害、津波、渋滞など）衛星、太陽観測衛星、テザーでのオーロラ観測衛星
- デブリ観測・地図作成衛星、無重量実験衛星、再突⼊実験・⾼速⾵洞模擬衛星
- ⽉・⽕星⽤GPS衛星、エウロパ・イオ探査船、有⼈⽕星・⽊星探査船、⽉ホバークラフト
- 宇宙ステーション・ホテル、ステーション近傍救助カプセル、ステーション間移動スクータ
