目指すところは,"決断"のための情報提供です.
2011年からの福島第一原発事故当時,放射性物質の正確な情報は限られていただけでなく,とにかく伝達が遅かった.私自身が原子炉内の研究から,環境の研究に大きく舵を切った動機になっています.ラボカー,移動研究室は13年間に開発してきた装置やノウハウを全部叩き込んでオールインワンで状況を克明に記録できるマシンを作り上げることを目標にしています.
現在でも帰還困難区域内のサンプルを東京に持って帰って測って,を繰り返していますが,これも効率が悪い.その場で全部片づけて記録をとれるようにした方が圧倒的に効率がいい.帰還困難区域の面積は現在でも337 km2とされています.移動先で測定から公開まですべて完結させるべきだと考えていました.
さらに,今年1月の能登半島の地震のように「地震!原発大丈夫?」という喫緊の問いに直ぐに応えられていない現状にも憂いていました.地震直後からモニポス14機がダウンし,13年前と同じ状況,またしても周辺の状況が分からない場所がある.今回は幸いにして大きな漏洩にはなりませんでしたが,いつ来てもおかしくない地震や核の問題に対して,速やかに情報が伝播できる体制をもっと堅固に冗長に整えられなければなりません.
その一助になるであろう,ラボカー,作っていきます!