EEIC五月祭紹介

[PDF]  2011年10月号 [第43号]電気系学科特集 
カテゴリ:[エネルギー]  学科:[大学院の専攻]

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 EEIC(電気電子工学科・電子情報工学科)では、学生中心の五月祭展示がありました。五月祭のオススメ企画でもあったこの展示は、2日間で数千人もの来場者が訪れるほど好評でした。

 展示のうち、いくつかを紹介します。




FPGA でファミコンを再現
FPGA という内部の論理回路を自由に書き換えできるデバイスを用い、ファミコンの部品を一切使わないで、ファミコンが再現されています。もちろんファミコンと同様遊ぶことができます。作成するのにかかった期間は 4 か月くらいで、特にシミュレータにかけてバグをとるのに苦労したそうです。


Kinect
マイクロソフト社の Kinect は、カメラを使って体の特徴的な部分の位置を認識するシステムです。これを利用して、センサーなどを手に持っていなくても、ジェスチャーだけでパソコンを操作できるシステムを作りました。いわば、手がマウスになるのです。

自分シーケンサー
録音した音声を変換して、声の特徴を変えずに高さだけ変えるというものです。これで自分の声のピアノが作成されます。のどや口の中で反響して声が出てくるまでに、声の種類やその人らしさがついてくるという特徴が利用されています。

可視光通信
目に見える光で通信を行うというものです。光は電磁波の一種なので、原理的には無線通信と変わりません。可視光ランプが発する光にデータをのせて送信し、その光を光センサーで受信して、通信しています。デモでは楽曲データを通信して音楽を再生していますが、楽曲以外の情報を送ることもできます。
これを応用すると、将来的には街灯や信号など普通の光を情報発信機にすることもできます。これにはコストがあまりかからないという利点もあります。さらに、波長が短く直進性が高いので、限られたエリアだけに情報を送れることから、可視光通信で無線 LANを置き換えれば、セキュリティの問題も解決できます

人体通信
人間の体を介して流れる微弱な電流によって通信します。数百μ A という体脂肪計と同じレベルの極微弱な電流です。間に 2 人・ 3 人入っても全く問題ありません。ただし電流には変わりないので、ペースメーカーをつけている方は使えません。
この技術を用いれば、相手と握手をするだけで名刺や連絡先などの情報を交換することができたり、Suica などの ICカードを取り出さなくてもセンサー部に触るだけで改札を抜けたりすることができるようになります。視覚障害者の方に手すりをもっておいてもらえば、「10m 先にエレベータがありますよ。」とか、「もう少しで手すりが終わりますよ。」といったその場所で必要な情報を、自然な形で提供できるのではないかと期待されています。

ワイヤレス給電
電源コードなどを用いずに、ワイヤレスで供給される電力によって LED が光っています。原理は電磁誘導と一緒です。この技術を用いれば、コンセントにアダプターをつながなくても携帯電話などを充電することができます。将来的に、どこに電力を送るか制御できるようになれば、机や床に埋め込んで、掃除機のコンセントを付け替える手間が省くことができます。コンセントのタコ足配線も解消されるでしょう。ちなみに、電磁波の上で金魚を飼うという実験をして、生体に影響がないことが確認されています。



回路を印刷
銀の粒を含む塗料を入れたペンでつるつるの特殊な紙に線を描くと、最初は青っぽいのですが、液体部分だけがしみ込んで表面に銀が残ります。銀は金属なので、描かれた線には電気が通ります。
Suica などの IC カードも、このような塗料を用いて印刷で作られています。
銀の代わりに半導体の入った塗料を用いれば、クリーンルームを使用することなく、本などを印刷するように、印刷によって電子回路を作れるのではないかと期待されています


 他にも、歌詞を棒読みしただけで歌声に変換してくれるソフト、叩く強さによって鳴き声が変わるぬいぐるみ、そして自分の指揮に合わせた盛り上がりで演奏されるオーケストラ音楽など、様々な展示がありました。音声や体験で楽しめる展示が多かったので、来年はぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか



[PDF]  2011年10月号 [第43号]電気系学科特集 
カテゴリ:[エネルギー]  学科:[大学院の専攻]

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