トリチウムの調査 -大塚商会 ハートフル基金 2019-

株式会社 大塚商会様よりご支援いただき、福島第一原発周辺のトリチウムの観測を始めました。

トリチウムが漏れている場所を特定したい

トリチウムという物質は、多くの方が一度は耳にしたことがあるのではないかと思います。トリチウムは放射性物質の一種で、天然にも存在しますし、人工的にも作られます。ただ、日本国内において、「トリチウム」といえば、(特殊なケースを除いて)ほとんどの文脈で「トリチウムを含んだ水」という意味になり、背景には福島第一原子力発電所の事故があることは言うまでもありません。

数年来の観測で、福島第一原発周辺には天然のレベルを超えたトリチウムを含んだ水(地下水)が地表面に漏れていることを複数の分析方法、分析機関で確認しています(告示濃度限度[60,000 Bq/L][1]や1Fにおける運用目標[1,500 Bq/L][2]よりは下回っています)。しかしながら、漏れている場所をピンポイントで見つけることがいまだできていません。本プロジェクトでは、漏れている場所を特定することを目的とした調査を行います。

現場は高い空間線量率と野生生物(イノシシ)のため、調査は容易ではありませんが、調査回数と測定を重ねて場所の特定を目指します。

[1]放射線を放出する同位元素の数量等を定める件(科学技術庁告示)および、実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則に基づく許容被曝線量等を定める件(通産省告示)

[2]地下水バイパスの運用目標(排水の基準)について (東京電力), 2016

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