コース概要

1.目的

医療イノベーションコース(旧バイオ知財コース)に所属する当研究室は、技術、知的財産、レギュレーション、ビジネス、政策の全体像を踏まえて、医療のイノベーションに貢献できる人材を養成することを目的としている。

2.特徴

・ バイオ分野に特化した知財教育・起業家教育の実施(全学向け)

・ バイオ分野に特化した知財戦略・企業戦略、イノベーション政策を研究することで、博士号の取得が可能

・ 社会科学的なアプローチによる実証的な研究スタンス

・ 産学官に渡る多様な人材のコミュニケーションを基盤とする教育・研究体制

3.教育カリキュラム

(1)バイオ知財法に関する実践的授業の開講(修士)
知財に関する基礎知識の獲得にも配慮している(バイオ知財法概論)が、知財実務者による知識の権利化における演習と討議を含めたより実践的な講義編成(バイオ知財実践演習)を重視している。
(2)バイオビジネスの事業化におけるMOT教育(修士)
知財の事業化、ビジネスモデルの解析、産業分野としての医療産業や医薬品産業に関する知識、スタートアップ企業の事業計画立案、資金調達、大手企業との提携、組織などManagement of Technologyに関する基本的な概念や知識については初学者に考慮した講義(医療イノベーション特論T)を用意しているが、具体的な実例については、研究開発の現場を知るために企業の第一線で活躍しているマネージャーの話を聞くと同時にスタートアップ企業のデザインについても機会を設けている(医療イノベーション特論U)。
(3)論文執筆(修士・博士)
修士論文、博士論文執筆のために、フルタイム学生は週1回、社会人学生は月1回のリサーチ・ミーティングを開催している(医療イノベーション特別研究T/U、医療イノベーション特別演習T/U)。


(参考)メディカル情報生命専攻医療イノベーションコース授業科目一覧

授 業 科 目

単 位

授 業 科 目

単 位

バイオ知財法概論

医療イノベーション特論T

研究倫理/医療倫理T

医科学と公共政策特論T

医療イノベーション特別研究T (※1)

医療イノベーション特別演習T (※1)

1

1

1

1

12

4

医療イノベーション特論U

バイオ知財実践演習

医療イノベーション俯瞰演習

医科学と公共政策特論U

医療イノベーション特別研究U (※2)

医療イノベーション特別演習U (※2)

1

2

1

1

12

8

  ※1 修士課程で研究室が付与する単位
  ※2 博士課程で研究室が付与する単位
  〇修士課程は30単位、博士課程は20単位が卒業の要件。
  〇修士課程では、バイオ知財法概論、医療イノベーション特論T、研究倫理・医療倫理T及び
   医科学と公共政策特論T、医療イノベーション俯瞰演習は必修。
  〇博士課程では、※2以外に、平成27年度4月入学以降は研究倫理/医療倫理T、博士必修演習T、
   博士必修演習Uが必修。
  〇新専攻発足に伴う経過措置については、新専攻HP:講義案内を参照のこと

4.研究内容

主に以下の3分野に取り組んでいる。研究テーマの設定は、学生の自主性に委ねられているが、論文指導はスタッフとのディスカッションを中心とし、必要に応じて外部の識者を交えた形で行っている(詳細は、「研究内容」へ)。
(1)バイオ分野の知識マネジメント
(2)先端医療分野におけるイノベーションの測定
(3)ナショナル・イノベーション・システム

5.学位

修士論文又は博士論文を提出し、所定の審査に合格すれば、修士(科学)又は博士(科学)を取得できる。

6.修了後の進路

民間企業における研究開発戦略、大学TLO等における産学連携・技術移転、科学技術政策の立案等、当研究室の研究分野と関連した実務の専門家になることを期待している。当コースは、平成18年にスタートし、現在までに8名の修士課程修了者は、大手総合商社、大手特許事務所、国立研究機関、医療機器開発会社、製薬メーカーなどに就職している。また、社会人で博士課程に入学したものは、学位取得後は海外勤務、経営企画等で次のステージへと進み、博士号取得をキャリアアップに活かして活躍している。