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物性セミナー/2022-1-13

2022年 冬学期 第7回 物性セミナー

 講師 山本倫久 氏 (理研 量子電子デバイス研究チーム)

 題目 電子干渉計で見る近藤遮蔽雲

 日時 2022年 1月 13日【木】 午後4時50分・・いつもと違う曜日に御注意

 場所 Zoom によるオンライン開催

・物性セミナーMLに登録されている方は、セミナー案内メールでZoomアドレスを通知します。

・登録のない方は、以下で予め登録をお願いします。(自動的に物性セミナーMLへ登録されます。)登録フォーム https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdT67ZsTDiKsvutP59tY4tOUlx4WTInMKkTQIGWLqYCrPAQKA/viewformをご利用ください。

アブストラクト

近藤効果は、磁性不純物を含む金属の電気抵抗が低温で増大する現象として知られている。近藤効果の基底状態は、局在磁気モーメントと伝導電子との間の多体のスピン一重項状態である。局在磁気モーメントを遮蔽する伝導電子が磁性不純物の周りに雲のように広がり、フェルミ面近傍の量子物体を形成する。このことから、近藤状態は「近藤(遮蔽)雲」とも呼ばれる。近藤雲の大きさは、有限サイズの電子系や複数の磁性不純物が存在する物質の状態を決定する重要なパラメータであり、近藤効果のスケーリングエネルギーである近藤温度に対応する時間にフェルミ速度をかけた値で与えられる。近藤効果の発見以降、多くの物理学者が、近藤雲の大きさや形状を実験的に検出して制御することを目標とした研究に取り組んできた。しかし、近藤雲の広がりが正確に測定されたことはなかった。本講演では、電子干渉計を用いた近藤遮蔽雲の観測実験を紹介する。半導体人工原子中の局在スピンを遮蔽する近藤雲を大きさ可変の電子波干渉計に埋め込んだ実験系で、近藤雲の大きさに加え、その普遍的な形状が得られた。半導体の人工原子を用いて形成される近藤雲の広がりは、数マイクロメートルに及ぶ。これは、半導体量子デバイス素子の一般的なサイズを大きく上回る値である。このスピンの量子力学的な結合状態を介して、隣接せずに離れて配置された局在スピンを互いに結合させることが可能になると考えられる。

宣伝用ビラ

KMB20220113.pdf(24)

物性セミナーのページ

http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/KMBseminar/wiki.cgi/BusseiSeminar

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最終更新時間:2022年01月04日 18時19分49秒