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物性セミナー/2021-11-19

2021年 冬学期 第3回 物性セミナー

 講師 青木 大 氏(東北大学金属材料研究所)

 題目 新奇スピン三重項超伝導体UTe2の多重超伝導と磁場誘起現象

 日時 20121年 11月 19日(金) 午後4時50分

 場所 場所 Zoom によるオンライン開催

・物性セミナーMLに登録されている方は、セミナー案内メールでZoomアドレスを通知します。

・登録のない方は、以下で予め登録をお願いします。(自動的に物性セミナーMLへ登録されます。)登録フォーム https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdT67ZsTDiKsvutP59tY4tOUlx4WTInMKkTQIGWLqYCrPAQKA/viewformをご利用ください。

アブストラクト

UTe2は2018年末に初めて超伝導が報告された重い電子系常磁性体である。当初は強磁性超伝導体URhGe, UCoGeとの類似性が指摘され、強磁性臨界点近傍にある物質と考えられていたが、それほど単純ではないということもわかってきた。しかし強磁性超伝導体に見られるように、スピン三重項超伝導が実現しており極めて磁場に対して強い超伝導であるという点で類似性がある。超伝導転移温度は1.6Kであるが、磁化困難軸方向の直方晶b軸方向に磁場を加えると、磁場再突入型超伝導相図を示しながら35Tまで超伝導が生き残る。また、圧力を加えると超伝導転移温度が分裂し多重超伝導相図を示す。圧力下で磁場を加えると多重超伝導を反映した特異なHc2相図を示す。超伝導が抑制される臨界圧力以上では反強磁性秩序が現れる。臨界圧直上で磁場を加えると、ゼロ磁場では常伝導であるが10T以上のスピン分局した高磁場で磁場誘起超伝導を示す。このように、UTe2は、磁場、磁場方向、圧力、温度をチューニングすることで多彩な現象を引き出すことができる。スピン三重項超伝導ということでトポロジカル超伝導という視点からも注目を集めている。講演ではこれらの概要を示しながらUTe2の物理の魅力を伝えたい。

宣伝用ビラ

KMB20211119.pdf(35)

物性セミナーのページ

http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/KMBseminar/wiki.cgi/BusseiSeminar

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最終更新時間:2021年11月12日 20時45分15秒