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物性セミナー/2020-1-17

2019年 冬学期 第5回 物性セミナー

 講師 北村 未歩 氏(KEK 物質構造科学)

 題目 放射光分光によるペロブスカイト型遷移金属酸化物界面に発現する特異な強磁性の起源解明

 日時 2020年 1月 17日(金) 午後4時50分

 場所 16号館 827

アブストラクト

ペロブスカイト型酸化物は、構成する陽イオンの種類やその組成を変化させることで、金属−絶縁体転移や高温超伝導、巨大磁気抵抗効果、マルチフェロイクスなどの多彩な物性を示す。さらに近年、薄膜作製技術の進歩により、異なるペロブスカイト型酸化物薄膜を分子層レベルで制御しながら積み重ねる、超高品質ヘテロ構造の作製が可能となってきた。これにより、ペロブスカイト型酸化物の多彩な機能を集積化できるだけではく、その界面において構成材料単体では発現し得ないような特異な物性が発現するという報告が次々になされてきた[1]。例えば、絶縁体酸化物同士の界面における2次元金属状態や超伝導特性、あるいは非磁性酸化物同士の界面における強磁性の発現などがその例として挙げられる。

 我々は、そのような酸化物ヘテロ界面に発現する特異物性に着目し、酸化物分子線エピタキシーというヘテロ界面を「つくる」技術と高輝度放射光による界面の電子状態・スピン状態を「みる」技術とを高いレベルで融合することで、酸化物ヘテロ構造に発現する特異物性の起源解明とその設計・制御を推進している。本講義では、これまでの酸化物ヘテロ界面の研究を俯瞰的に紹介するとともに、私が携わった放射光分光を用いた酸化物ヘテロ界面の研究について紹介する。具体的には、界面において特異な磁気特性が発現しているLaNiO3/LaMnO3ヘテロ構造において、様々な放射光分光手法を駆使してその起源を明らかにした結果を紹介したい [2,3]。

[1] H. Y. Hwang, et al., Nat. Mater. 11, 103 (2012).

[2] M. Kitamura, et al., Appl. Phys. Lett. 108, 111603 (2016).

[3] M. Kitamura et al., Phys. Rev. B in press.

宣伝用ビラ

KMB20200117.pdf(143)

物性セミナーのページ

http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/KMBseminar/wiki.cgi/BusseiSeminar

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最終更新時間:2020年01月10日 16時32分45秒