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物性セミナー/2018-11-16

2018年 冬学期 第2回 物性セミナー

 講師 楠瀬博明氏 ( 明治大学理工学部 )

 題目 拡張多極子による多様な交差相関現象

 日時 2018年 11月 16日(金) 午後4時50分

 場所 16号館 119号室 【いつもと違う部屋に注意!】

アブストラクト

電子の電荷・スピン・軌道が絡み合った局所的な自由度は、微視的な多極子として統一的に記述できる。これまでの研究では、主に単一原子内 の単一軌道からなるヒルベルト空間内で定義される多極子自由度に焦点が当てられていた[1]。このような制限されたヒルベルト空間では、空間反転に対して偶パリティの電気および磁気多極子のみが活性である。

多極子を考えるヒルベルト空間を、複数原子サイト(クラスター)もしくは複数軌道(ハイブリッド)に拡げると、空間反転および時間反転の偶奇性が異なる4種の多極子自由度がすべて活性となる[2,3]。電気磁気効果に代表される多様な交差相関現象は、電場により磁化を誘起するといった空間反転や時間反転の異なる物理量を結びつける現象である。その背景には空間反転または時間反転を破る結晶構造や外場、分子場が必要であり、これらを産み出す微視的な自由度は、上記の 4種の多極子自由度によって尽くされる。

本講演では、多極子自由度の一般化によって活性化する4種類の多極子について触れた後、そのような拡張された多極子の秩序が引き起こす、交差相関現象をいくつかの例を交えて紹介する[3,4]。

[1] Y. Kuramoto, H. Kusunose, and A. Kiss, J. Phys. Soc. Jpn. 78, 072001 (2009), and references therein.

[2] S. Hayami and H. Kusunose, J. Phys. Soc. Jpn. 87, 033709 (2018).

[3] S. Hayami, M. Yatsushiro, Y. Yanagi, and H. Kusunose, Phys. Rev. B 98, 165110 (2018), and references therein.

[4] S. Hayami, H. Kusunose, and Y. Motome, J. Phys.: Condens. Matter 28, 395601 (2016), and references therein.

宣伝用ビラ

KMB20181116.pdf(204)

物性セミナーのページ

http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/KMBseminar/wiki.cgi/BusseiSeminar

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最終更新時間:2018年11月07日 21時57分36秒