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2023-11-24
2023年 冬学期 第2回 物性セミナー
講師 素川 靖司 氏(東大総合文化)
題目 冷却原子気体・量子シミュレータによる非平衡多体ダイナミクスの探求
日時 2023年 11月 24日(金) 午後4時50分-6時15分前後
場所 16号館 829およびオンライン (注)今期はいつもの827ではなく、829です
オンラインで参加される方へ:
・オンライン参加の方へ:物性セミナーMLに登録されている方は、セミナー案内メールでZoomアドレスを通知します。登録のない方は、以下で予め登録をお願いします。(自動的に物性セミナーMLへ登録されます。)
登録フォーム https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdT67ZsTDiKsvutP59tY4tOUlx4WTInMKkTQIGWLqYCrPAQKA/viewform
アブストラクト
レーザー冷却によって超高真空中に生成される極低温の中性原子気体は、クリーンで長いコヒーレンス時間を有しているだけでなく、様々なパラメータを自由に調整でき、非常に高い制御性を有している。原子の運動自由度や内部状態を巧みに利用し、量子系をエンジニアリングすることで、近年、多様な量子現象を探求できるようになってきた[1]。難解な量子多体現象を実験的にシミュレートする量子シミュレーション実験は、多体基底状態と非平衡ダイナミクスの解明を目指すものの二つに大別される。本講演では、冷却原子気体・量子シミュレーション実験の進展について概観した後、リュードベリ励起された冷却原子モット絶縁体を用いて非平衡スピンダイナミクスを探求した最近の我々の研究を紹介する[2]。リュードベリ原子間に働く巨大な長距離相互作用に起因するピコ秒スケールのダイナミクスを観測し、実験的に量子もつれの生成を評価するとともに、様々な近似理論と比較から、量子ゆらぎが本質的な役割を果たしていることを明らかにした。
参考文献:
[1] F. Schäfer, T. Fukuhara, S. Sugawa, Y. Takasu, Y. Takahashi, Nat. Rev. Phys., 2, 411 (2020).
[2] V. Bharti, S. Sugawa, M. Mizoguchi, et al., Phys. Rev. Lett. 131, 123201 (2023).
宣伝用ビラ
KMB20231124.pdf(59)
物性セミナーのページ
http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/KMBseminar/wiki.cgi/BusseiSeminar
2023-11-17
2023年 冬学期 第1回 物性セミナー
講師 中川 尚子氏 (茨城大学理工学研究科)
題目 熱伝導下相共存の大域熱力学
日時 2023年 11月 17日(金) 午後4時50分
場所 16号館 829およびオンライン (注)今期はいつもの827ではなく、829です
オンラインで参加される方へ:
・オンライン参加の方へ:物性セミナーMLに登録されている方は、セミナー案内メールでZoomアドレスを通知します。登録のない方は、以下で予め登録をお願いします。(自動的に物性セミナーMLへ登録されます。)
登録フォーム https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdT67ZsTDiKsvutP59tY4tOUlx4WTInMKkTQIGWLqYCrPAQKA/viewform
アブストラクト
非平衡現象の面白さは局所構造の豊かさにあるが、この局所構造に立ち入らずに系全体を粗視化し、熱力学構造の非平衡拡張を行う。この非平衡熱力学を「大域熱力学(Global Thermodynamics)」と呼ぶ[1]。弱い熱流をかけた熱伝導系は温度的に非一様であるが、熱伝導状態を特徴付ける温度として、唯一の大域温度を導入する。他のさまざまな大域熱力学量は局所熱力学に則って自然に導入可能である。この上で変分原理や熱力学基本関係式を整える。一見、局所平衡にある系を粗視化しただけのようだが、二相共存状態では、相界面付近の広い領域で「準安定状態」が安定化される結果が導かれる。このような状態は局所平衡仮説では不安定とされるため、大域熱力学は局所平衡仮説(流体力学)とは異なる非平衡定常状態を予想している。この予想をHamiltonian-Pottsモデルを用いた大規模な数値実験で検証したところ、熱伝導下の秩序=無秩序相の共存状態では大域熱力学予想が支持された[2]。本講演では大域熱力学の導入、エントロピーや自由エネルギーの非平衡拡張と相加性の破れ、準安定状態の安定化、大域熱力学の熱力学的等価性など、現状の大域熱力学が導いている内容について、時間が許す範囲で説明する。
[1] N. Nakagawa, S.-i. Sasa, Phys. Rev. Lett. 119, 260602 (2017), J. Stat. Phys. 177, 825–888 (2019), Phys. Rev. Res. 4, 033155 (2022)
[2] M. Kobayashi, N. Nakagawa, S.-i. Sasa, Phys. Rev. Lett. 130, 247102 (2023)
宣伝用ビラ
KMB20231117.pdf(250)
物性セミナーのページ
http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/KMBseminar/wiki.cgi/BusseiSeminar