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研究・教育理念

科学技術が現代の一般社会に影響を与えている領域は極めて広範囲かつ多様に細分化され,同じ分野でも細目が異なると理解が困難となります。しかしながら,科学という学問は,生命・宇宙全体に畏敬の念をもち,基本的には自然と真摯に向き合うことを通じて,我々人間の存在意義を知る一つの壮大なプロジェクトであって,その根本は一つに繋がっていると考えています。このことを踏まえ,研究活動に於いては,幅広い分野の基礎知識と研究を支える専門力の獲得による複眼的な思考能力はもちろんのこと,実験を通じた自然との対話から知的好奇心の刺激を受け,湧き出る豊かな想像力を涵養し,科学の本質を捉えられる世界トップレベルの研究者の育成を目指します。その実現のため,個々の学生が自らの原動力をもって自由闊達に自走し「化学を楽しむ」研究の場を提供しています。


研究概要

Molecular Architectonics(分子建築学)は,有機分子をまるで家屋の柱や壁,屋根にみたて建造物のように組み上げる技術を創出する学問で有り,当研究室学生はMolecular Architect(分子建築士)として,Molecular design(分子設計)とMolecular synthesis(分子合成)に参画し,nmスケールの機能性分子をどの位置に,どのように繋ぎ合わせるかを緻密に設計し,世界最小の有機建造物・電子素子を自在に創成することを目指します。現在,我々は有機化学・高分子化学・超分子化学を中心とする分子建築技術を応用物理・界面化学・理論化学分野と融合させ,独自の視点から考案した斬新な手法により様々な機能性分子・超分子材料・分子触媒等の創成を行っています。

                      図:分子建築学と分子建築士 (稲森大貴 作)