一行日記

バックナンバー

[先月] [目次] [来月] [最新版] [トップ]

2006年9月1日(金) 論文読み

なんとなく修士論文の目次だけ作ってみる。YNi_2B_2Cの実験の論文が予想よりたくさんあったので、どんなものがあるのか探した。何がわかっていて何がわかっていないのかを調べたい。

2006年9月4日(月) のんびり

昨日は平泳ぎで連続500m泳いだ。意外と泳げた。今日は論文漁り。Neutron 散乱の論文を読む。今週はのんびりモードの予定。

2006年9月5日(火) メカニズム

最近はポイントノード形成メカニズムに興味があって、いろいろ文献を探したりしている。局所的な斥力を使って練習問題としてd波を出そうとしているけれどうまくいかない。

2006年9月6日(水) 強結合

超伝導の強結合理論のEliashberg方程式を導出すべく、まずelectron-phonon couplingの入ったハミルトニアンを考えたときのGreen関数の運動方程式を導出しようと試みた。が、どうにも計算が合わない。平均場近似を行うタイミングをもう少し早くすればできそうだが、それだと少し悔しいのでもう少し考える。

2006年9月7日(木) Eliashberg

Eliashberg方程式の導出が最後までいけそうな感じ。計算がめんどくさいところは越えた。PDFファイルにまとめたので、明日あたりには「Eliashberg方程式の導出」というノートをサイトに掲載できそう。ここまで丁寧に強結合理論の計算を追っかけているのはネットにも教科書にも無いから地味に価値があるかもしれない(一体どのくらい需要があるのだろうか?)。

2006年9月8日(金) 750m

駒場プールで泳いだ。700mまでは平泳ぎで最後はクロール。足が少しつりかけた。強結合理論のPDFノートアップロードしたはいいが、まだ完成していない。

2006年9月9日(土) 三時間

三時から六時くらいまで研究室により、PDFノートをいじる。まだできあがっていない。昨日寝る前に気づいた式変形をTex化した。もう少しなのだが。

2006年9月11日(月) 研究再開

Eliashberg方程式の導出は終了し、PDFノートは完成した。なので研究に戻った。ひさびさにプログラムを回してやり方を思い出しつつデータを出した。

2006年9月12日(火) バンド計算

産業科学研究所@大阪のグループに共同研究をお願いし、バンド計算の結果を頂いた。生データを得たのでやれることが増え、うれしい。修論まではこのテーマで続けようと思う。秋の学会に整理が間に合わなくても次の春の学会には間に合うだろうと思う。そうすると春の学会会場である鹿児島へ行ける。

2006年9月13日(水) 取り込み

バンド計算のデータを自分の局所電子状態密度分布プログラム(LDOS-program?)に取り込むことを試みる。もともと一価の関数しか想定していないプログラムをn価の関数でも大丈夫なように拡張する方法を悩んだが、なんとかなりそうだ。

2006年9月14日(木) プログラム

とりあえずプログラムはできた。微妙に間違っているのでバグとりに勤しむ。s波でテストしているのだが、s波ですら何が正解かわからない状況なので、途中結果や対称性を見て正当性を判断しなければならない。いまは対称性が満たされていないので、どこかにバグがあることはわかる、という状態。

2006年9月15日(金) バグ取れた

バグはとれたような気がする。バンド計算の結果をフルに取り入れたs波のLDOSを描くことに成功。これは学会で発表しようと思う。というわけでスライド第一版を作り終わる。

2006年9月16日(土) OB会

加藤研のOB会に参加してきた。面白い人たちだった。

2006年9月19日(火) まとめるかすすむか

日曜日は今年6月にできたらしい杉並公会堂でクラシックのコンサートを聴く(Soprano,Violin,Viola,Piano)。オペラの一幕(の一部?)もあったが声は楽器だった。ちなみにクラシックのコンサートは高校のとき以来。そして月曜日は風邪を引いてノックダウン。そして火曜日、研究を進めるかスライドをもっと練るかで迷ったが結局研究を進めることに。依存すべきではないパラメータに敏感に結果が依存していて、よくわからない。もっと見直そう。

2006年9月20日(水) 謎の図形

異方的ギャップを入れてバンド計算フェルミ面を使ってLDOSを描いたはいいが、解釈に苦しむ図形が出てきており、それがどのような物理的意味を持つのか、はたまた物理的意味はなくプログラムミスなのかが判然としない。これ以上やっても早期解決ができそうにないので切り上げ、学会準備に費やそう。

2006年9月21日(木) リハーサル

加藤先生と学会発表のリハーサルをした。何度か練習をしたけれども、やはりプロジェクターで説明すると変な汗が出る。言いたいことを伝えるのはやはり難しい。スライドに修正を施してまた練習をしよう。

2006年9月22日(金) 学会前日

スライド、直すところ直してその後は発表練習。四時くらいまで部屋に誰もいなかったので声に出して練習した。今日は大学院の合格発表があったようで、新M1の一人が加藤先生に連れられ顔見せに来た。来年はかなり人が増えにぎやかになる。

2006年9月23日(土) 学会一日目

今日は午前前半量子ドットの理論、午前後半と午後はBECの理論を聴いた。BECは渦流行りすぎだろうと思った。独自の切口がないと印象がその他大勢になってしまいそうな感じ。いくつかはなかなか面白そうな切口だった。新規参入するなら自分でしか思い付かないorできない切口で行くべきだなと思った。
英語の講演はいくつかあったが、スライドの色使い(字が読めない)やぼそぼそ声やスライドにある長文そのまま読みとかこの人やる気あるのかと問いたいものばかりだった。ひとつは良かった。

2006年9月24日(日) 学会二日目

午前中はBECの実験と理論、午後は空間反転対称性の破れた超伝導体のシンポジウムに行った。BECの魅力はやはり理論で熱力学極限なんかをとらなくてもよく実験と合うことなのかなあと思った。実験の粒子数も10^4から10^5コくらいだし。けれど自分が参入するならGP方程式を数値的に解くという最もポピュラーな手段ではない手段を使いたいところ。午後は非常にわかりやすいシンポジウムだった。ウラン系の方は理論じゃどうしようもできないほどバンド図が複雑だということがよくわかった。

2006年9月25日(月) 学会三日目

今日は自分の発表の日だった。午前の後半に割り当てられていたのだが、午前の前半の最後や午前の後半の最初の講演は緊張しすぎて覚えていない。自分の発表は、伝えたいことは一応伝えられたような気がする。質問が三つ出たのでよかった(ほかにも手を挙げていた方もいたと後で聞いた)。三人とも実験家の方だった。質問に対する応答はまだうまくいったとは言えない。後になって言い忘れたことを気づいた。実験家の方々と顔合わせして実際に話すこともできとても有意義だった。

2006年9月26日(火) 学会四日目

学会四日目だったが、実は行かなかった。見る予定のものがなかったというのもあるが、昨日の疲れで思いっきり寝てしまい、起きられなかったのも大きい(前日に学部時代の研究室のメンバーと酒を飲んだというのも大きい)。
午後は駒場へ行き、ETHチューリッヒの林さんと議論した。自分がまだ議論下手なせいで伝えるのに時間がかかってしまった。今後やるべきことと、今の問題の解決策が少しわかったのでうれしい。

2006年9月27日(水) 寝坊

今日も思いっきり寝てしまい、起きられなかった。というわけで11:55という午前中とは言えない時間に駒場東大前に着く。そして林さんと議論したり話をしたりした。国際会議でもETHに話をしにいくでも英会話能力向上が必須であると感じた。英語はなんとかなる、という話だが残念ながら自分には基本的に度胸しかない。
また、今後やるべきことは、まずバンド計算を用いたLDOSのプログラムの改良、そしてバンド計算を取り込んだ熱伝導率の計算。Doppler shift法を異方的な場合に拡張しなければならない。

2006年9月28日(木) 寝坊2

今日も起きられなかった。目が覚めたら11時半。今週はどうやら少し燃え尽きているらしい。教養の基礎物理学実験のTAをやることにした。理論の院生が実験補助をやる是非はともかく、理論でもいいと言われれば飛びつくしかない。オシロスコープとかは学部一年以来だ。やったことのない実験もあるのであらかじめ練習しよう。研究の息抜きになるとうれしい。

2006年9月29日(金) 寝坊3

そして今日も起きられず。月曜日から心機一転ということにしよう。熱伝導率の実験の解析を行うため少し計算する。今日はどうしてもやる気が起こらず、プログラムはしなかった。最近は塩野七生著「ローマ人の物語」を読んでいる。文庫の5まで読んだ。非常に面白い。ハンニバルとスキピオの対決が燃える。今、紀元前179年まで来た。このとき日本はまだ弥生時代だと言うのだから驚きだ。

[先月] [目次] [来月] [最新版] [トップ]

your@mail.address
Akiary v.0.51