一行日記

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2006年5月1日(月) 5月。

ついに5月になってしまった。いまだにFullPaperが投稿できていない。新しいプログラムをFortranで組んだので、それによる計算と実験との比較がここ一週間うまくいってなかった。それもなんとかうまくよい絵が出てくれたのでとりあえず決着。あとは英語の直しと議論部分の直し。今度は学振の計画書を書かなければ。

2006年5月2日(火) 一喜一憂

実験をどう解釈すればよいのかわからなくなってきた。以前より強い主張はできないのかもしれないと思ってきた。学振申請書締め切りに間に合わせるため鋭意研究中。

2006年5月3日(水) GW。

学振申請書書きと論文書きで平常どおり。家からおかずを持ってきていたので昼も外に出る必要がなかった。午前中は誰もいなかったのでスピーカーの音量をONにして音楽を流しながら作業。

2006年5月4日(木) 量子化条件

今日は17時で切り上げた。量子化条件を考慮すると、どうしても実験結果が準古典理論じゃ説明できないことになってしまう。実験で用いている解析式について調べる必要があるようだ。この問題に気づいただけでも今日来たかいがあった。

2006年5月5日(金) GW中。

やはり実験が用いている式が適用範囲外であるという結論に達しつつある。

2006年5月8日(月) 確かめ。

FullPaperの式の導出を一からやっているが、どうにもおかしいような場所を発見してしまった。家に帰って布団に入ってしばらく考えると思いつき、25時頃やっとなんとかなった。しかし、風邪をひいてしまったため調子が悪い。

2006年5月9日(火) スキャナ

今日はスキャナが活躍した。Texに直すのすら時間が惜しい時は効果的な道具だということがわかった。研究室に新しいパソコンが届く。Dual core でDualで計4個のCPUで20万切るという価格設定がすごい。

2006年5月10日(水) 詰め。

FullPaper一号の詰めるべきところを詰めようと思った日。わからないと眠くなる。眠くなるとまずいと思ってコーヒーを入れようと思うのだが、眠すぎてコーヒーを入れられず。眠くてあまり考えられなくてわからない。という循環をぐるぐるやっていた日だった。午後六時半に突如ひらめいて今日やろうと思っていた事はとりあえず達成できた。まだ詰めるべきところはある。明日に。

2006年5月11日(木) セミナーとか。

福島研の輪講セミナーに参加。自発的対称性の破れの「自発的」が大事なんだと思うけど教科書が悪いのかなんだかだまされた気がする。x軸y軸に対して傾いた楕円の方程式ax^2+by^2+2c x y=hをalpha p^2 + beta Q^2=hに回転座標変換した。高校のときやけに苦労したはずの計算だが(単純計算が苦手)、さすがにいまはさくさくできた。数学も前よりもできるようになったのか。

2006年5月12日(金) Fedora core

研究室の二台の計算機がどうやらL1キャッシュしか認識してないらしいことが判明した。なのでVine LinuxからFedora coreに乗り換えを行った。すると認識した。速度にどの位影響があるかはまだ不明。

2006年5月13日(土) 大学院入試説明会

総合文化研究科の大学院入試説明会があった。三時半くらいから、加藤研に見学にきた学生達の相手をする。一人、二人、一人、と計四人と話した。実は一人目と喋っている途中左目のコンタクトレンズを落としていた。次の二人が来たので探さずに喋り、その後部屋の床を探すと見つかった。よかった。FullPaper直しが大詰めを迎えている。果たして学振申請書前までに投稿できるか。

2006年5月15日(月) 再計算

図を再計算することになった。終電が近いのでとりあえず帰る。家からも計算機に接続できるので残りは家に着いてから。どうか定性的に今と一致しますように。

2006年5月16日(火) 大詰め

FullPaperの議論を縮小することにした。もう少しまとめて、かつ近似を改良してみよう。

2006年5月17日(水) 修正

加藤研セミナーに出た以外はずっと論文の校正をしていた。

2006年5月18日(木) 学振

お昼にcond-matに投稿し、午後学振の申請書を提出してきた。所属が理学系なので本郷まで久々に出かけた。こういうとき事務が違うキャンパスにあると不便だ。しかし無事提出でき、肩の荷が下りる。JPSJに投稿するのは月曜日頃になりそう。

2006年5月19日(金) MIT

MITの電磁気学の実験を見た。
MIT OpenCourseWare | Physics | 8.02 Electricity and Magnetism, Spring 2002 | Video Lectures

The Van de Graaff(ラスト8分くらいに出てくる実験)はとても面白かった。
金属製のなべに外側にタッチして電荷を移動させるとすぐに飽和してしまうが、なべの内側をタッチするとどんどん電荷がたまっていくのが見もの。
Real Playerストリーミングビデオ
なぜそうなるのかしばらく考えた。鍋が内側で球と等電位になるためには球から出ている電気力線が鍋にささらない必要がある。そのために鍋が大量の電荷を蓄えて球の電場をキャンセルして球から出ている電気力線を鍋の外へ逃がす必要がある。そのため鍋内では電気力線が密になっていて仕事量が多い。ということなのだろうか。

2006年5月20日(土) カオス

紙が散らばっていてカオス的だった研究室の机を少し整理した。
「Green関数のノートのHartree-Fockの節のハミルトニアンの導出ができないじゃないか(要約)」との指摘が清水研の國分君からされる。三日前くらいには実は清水研松崎君からもされていた。Fock項が出ない。とりあえず解決策が思いつかないので該当箇所を削除することにした。

2006年5月22日(月) JPSJ

JPSJに無事投稿できた。夕ご飯のお好み焼きのビールが非常に旨かった。

2006年5月23日(火) バンド図とフェルミ面

スパゲティみたいな線がたくさんあるバンド図からフェルミ面を構築する方法を調べている。とりあえず銅に関しては自分で「犬の骨」フェルミ面を描くことができるようになった。しかしまだ他の物質のは描けない。逆格子ベクトルの知識が不十分なようだ。「第51回物性若手夏の学校」に参加申し込みをした。去年、夏の学校のポスター発表がとても楽しそうだったので、ポスターと分科会(口頭)の両方の発表希望を出した。

2006年5月24日(水) データ溜め込み

Fermi面の異方性を取り扱った論文(Adachi et al.)を読む。YNi_2B_2Cのバンド計算の論文を二つ見つけたので比べながら読む。バンド計算からFermi面を構築するのは難しそうだなあという感触。3dとか4dのTight-Binding近似について勉強することにする。

2006年5月25日(木) Slater and Koster

Slater and Kosterの論文を眺める。強束縛近似は奥が深い。

2006年5月26日(金) 物性セミナー

今日は総合文化・化学の遠藤先生の 「大気化学関連反応中間体の高分解能分光」だった。又聞きで「違うものを発見することに楽しさを感じるのが化学で、違うものを同じものに帰着させるのを面白いと思うのが物理。 」というのをつい最近聞いていたので、そのことを少し思い出しながら興味深く聴いた。プレゼンテーションの組み立て方が物理畑の人と異なるように感じた。何がどう異なるのかはまだ言葉になっていない。

2006年5月27日(土) 一週間

FullPaper一号をcond-matに投稿してから、だいたい一週間が経った。今週は意図的にのんびりモードで研究する事にしていた。単純立方格子(sc)のTight-Bindingのフェルミ面の効果を取り入れたプログラムが完成した。Fermi面が運動量空間の関数系として与えられており、かつ動径方向にエネルギーが単調増加する場合ならどんな異方的な場合でも計算できる。しかし、YNi_2B_2Cをうまく再現するようなFermi面をどのようにとればいいのかがまだ不明なので、さしあたってはisotropic s-waveで遊んでいる。

2006年5月29日(月) バンド計算

バンド計算の結果から各点各点でのフェルミ速度を出したい。なかなか難しい。誰かが一度やっていたようで、引用元をどんどんたどっていくと、最後に「private communication」にぶち当たり、困った。

2006年5月30日(火) スロー

あまり捗らない日だった。参考文献を調べたりの日。

2006年5月31日(水) あわただしい日

メールアカウントの管理とかやりつつ、論文探しの日だった。いろいろな論文のバンド計算の方法を眺めつつ、なんとかして取り入れる方法はないかと考えていた。4d軌道は計算するのが面倒だ。

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