研究内容紹介

本講座で推進しているテーマは多岐にわたっています。メタボロームやトランスクリプトームを使った新しい栄養学(ニュートリオミクス・ニュートリゲノミクス)を推進するための基礎研究を進め、さらにそうした情報を活用して機能性食品成分の作用メカニズムについて調べています。また、栄養素の中で特にアミノ酸に着目し、摂取するアミノ酸が生体調節機能を発揮する際の機構、あるいは大量摂取を想定した安全性に関する研究なども行っています。他にも、代謝を制御するホルモンの情報伝達と食品成分の関係について、生体リズムと栄養、運動と栄養、といったテーマにも取り組んでいます。
今のところ実験動物や培養細胞を用いての分子生物学、細胞生物学、動物生理学、栄養生化学といった分野が中心ですが、今後はネスレと東大の間の国際共同研究を推進するため、栄養疫学等も含めたヒトを対象とした研究にも深く関わっていく予定です。 なお本講座は、農学生命科学研究科が世話部局であり、同研究科・応用生命化学専攻の協力講座として、院生・学生の教育も担当しています。
「食」の科学を広く深く究めたいという学生さんの来訪もお待ちしています。


最近の研究テーマ一覧

・運動やカロリー制限の効果のトランスクリプトーム解析
・アミノ酸の情報伝達に関わる新規分子の検索
・アミノ酸過剰の影響のトランスクリプトーム・メタボローム解析
・アミノ酸による糖代謝調節機構の解析 ・栄養条件がmiRNA量に及ぼす効果の網羅的解析
・コーヒーによるインスリン情報伝達分子の制御機構
・胎児期の低栄養が生活習慣病を誘導する機構の解明
・アミノ酸不足を利用した家畜への脂肪蓄積制御
・大豆イソフラボンによる糖尿病改善効果のトランスクリプトーム解析
・食品機能に関わるSNPに関する研究
・その他:様々な食品成分の機能解析