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概要: リン酸化は、タンパク質の翻訳後修飾の中でも最もよく観察される修飾であ る。一般に、リン酸化はタンパク質の配列と構造の両方の要因によって制御されてい
ると考えられているが、リン酸化部位の一般的な構造的特徴を議論することは必ずし も容易ではなかった。というのも、リン酸化部位は天然変性領域に多く存在すること
が知られているが、こうした領域は実験的に決定された構造ではしばしば欠落してい るからである。しかし、2021年にAlphaFold2およびAlphaFold構造データベースが突
如公開されたことで、状況は変わりつつある。AlphaFoldのユニークな点は、その高 い精度や新規の構造情報の拡充の点もさることながら、タンパク質の配列全長に渡っ
て予測構造と予測の信頼度スコアを提供できる点にある。すなわち、構造領域と天然 変性領域を一元的に扱うことができるという面で、これまでの構造予測とは一線を画
すと言える。そこで、今回の発表では、AlphaFoldモデルを用いてリン酸化部位の構 造的・機能的特徴がどのように理解できるかを紹介したい。