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2005年12月22日

麹菌のゲノム配列の解読とその解析結果がネイチャーに掲載されました。

 

微生物学研究室の北本勝ひこ教授、丸山潤一産学官連携研究員、Praveen R.Juvvadi産学官連携研究員らは、国内の研究所、大学および企業からなるコンソーシアム(代表、日本醸造協会)に参加し、麹菌Aspergillus oryzaeのゲノム解読およびその解析を行いました。麹菌のゲノムは約3700万塩基対で、約12000固の遺伝子が含まれていることが明らかになりました。近縁のAspergillus属カビと比較して、遺伝子数で約30%多く、代謝関連、特に、二次代謝産物関連遺伝子が、麹菌のゲノム中に多数含まれるていることを明らかにしました。麹菌は、古くから日本酒、醤油、味噌などの醸造に用いられてきたことから、「国菌」とも呼ばれている微生物であり、今後、おいしいお酒の開発や新たなバイオ産業への利用が期待されます。

本研究において、当研究室では、二次代謝産物関連遺伝子、タンパク質分泌関連遺伝子、有性生殖関連遺伝子などについて、多くの大学院生の協力のもとに麹菌ゲノムプロジェクトに参画しました。

Nature, 438, 1157-1161(2005)(12月22日発行)に掲載