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物性セミナー/2025-01-24

2024年 冬学期 第 10回 物性セミナー

 講師 姫岡 優介 氏 (東大生物普遍)

 題目 「細胞死」の理論

 日時 2025年 1月 24日(金) 午後4時50分-6時15分程度

 場所 16号館 827 およびオンライン

オンラインで参加される方へ:

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登録フォーム https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdT67ZsTDiKsvutP59tY4tOUlx4WTInMKkTQIGWLqYCrPAQKA/viewform

アブストラクト

細胞の死と生死の境界を理解することは、生物学における根本的な課題であり、非常に重要なテーマであるが、実験的アプローチのみでこれを定量することは難しい。本研究では、細胞死を理解するための理論的枠組みを提案する[1]。この枠組みにおいて、細胞死は細胞状態の制御可能性の問題として定式化され、今回新たに開発した、制御可能性の計算手法である“Stoichiometric Rays”によって生死の境界を計算する。この手法を用いることで、「どのように細胞内酵素量と外部栄養濃度を制御しても『生きている』状態へと制御することができない状態」を計算することが可能となり、「死状態」、ひいては生死境界の定量を行うことができるようになる。 また、本研究では代謝モデル[2]を用いて本理論の有用性の実証も行った。このモデルは、実験的に同定されたパラメーター値において増殖活性の高い状態と低い状態の双安定性を示す。この低増殖活性状態が、「死んだ」状態と呼ぶべきものなのか、それとも単に活性が低いだけの状態であるのかを明らかにするためにStoichiometric Raysを用いた制御可能性の計算を行った。その結果として、どのように酵素量などを制御したところで、この低増殖活性状態から高増殖活性状態に復帰することが不可能である、すなわちこの状態は「死んだ」状態であることが明らかになった。また、生と死を分つ超平面、Separating Alive and Non-life Zone (SANZ; 三途) Hypersurfaceの定量化をおこなった。 本講演では、理論の概要、三途超平面の定量化とその生物学的解釈を概説する。

参考文献:

[1] Himeoka et al., 2024, Phys. Rev. Res. 6 (4): 043217.

[2] Boecker et al., 2021, Mol. Syst. Biol. 17 (12): e10504.

宣伝用ビラ

KMB20250124.pdf(21)

物性セミナーのページ

http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/KMBseminar/wiki.cgi/BusseiSeminar

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最終更新時間:2025年01月10日 12時05分24秒