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物性セミナー/2025-01-17

2024年 冬学期 第9回 物性セミナー

 講師 吉田 旭 氏 (京大理学研究科)

 題目 弱熱流が安定化させる浮遊液体と過冷却気体

 日時 2025年 1月 17日(金) 午後4時50分-6時15分程度

 場所 16号館 827 およびオンライン

オンラインで参加される方へ:

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登録フォーム https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdT67ZsTDiKsvutP59tY4tOUlx4WTInMKkTQIGWLqYCrPAQKA/viewform

アブストラクト

気液共存系における気液の空間的配置について考える。平衡系では、気液の体積比は熱力学によって決まるが、空間反転対称であるため空間的な配置は一意に決まらない。ここに重力のような一様外力がかかれば気液の配置は一意に定まる。例えば、鉛直下方向に重力がかかっていれば、密度の大きい液体が下側に現れる。一方、系に非平衡性を与えることによっても対称性は破れる。例えば、系に定常的に熱流が流れ続ければ反転対称性が破れ、定常状態で低温側に液体が現れる様子が観測される。これは、熱伝導によって液体を低温側へ寄せる何らかの「力」が加わっていることを示唆する。では、重力と温度差を同時に、かつ逆向きにかけると気液の配置はどうなるだろうか?分子動力学計算でこれを調べると、液体が熱流の影響を受けて浮き上がるという興味深い現象が現れた。浮き上がった液体は、定常的に浮遊し続ける。液体が浮遊する高さを詳しく調べると、温度勾配と重力の比に関係する無次元パラメータによって決定されることが明らかとなった。さらに、液体の上にある低温の気体は、平衡状態における過冷却気体で安定化していることを数値的に確認した。本講演では、これらの現象の詳細について説明する。また、これらの現象が、簡単な仮定を用いた熱力学的な現象論で説明できることも合わせて報告する。

宣伝用ビラ

KMB20250117.pdf(23)

物性セミナーのページ

http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/KMBseminar/wiki.cgi/BusseiSeminar

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最終更新時間:2025年01月09日 18時12分49秒