2024年 夏学期 第6回 物性セミナー
講師 光元 亨汰 氏 (東大総合)
題目 柔らかい多孔性結晶における分子吸脱着転移
日時 2024年 6月 7日(金) 午後4時50分-6時15分程度
場所 16号館 827 およびオンライン
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アブストラクト
金属イオンに有機分子が配位結合して構成される結晶は金属有機構造体(Metal-Organic Framework, MOF)と呼ばれ、ガス貯蔵・分離等の機能を持つ多孔性材料として注目されている。中には、分子吸着によって大きな変形を示すほど柔らかな結晶構造を持つ物質も多く存在する[1]。この時、吸着はラングミュア的ではなく、大きなヒステリシスを伴う強い一次転移的な振る舞いを示す。この現象を利用した工学的な応用開発が盛んに行われている。しかし、何故このような協力現象が生じるかについての理解については不十分なままであった。我々は、分子吸着によって細孔の大きさと硬さが変化するということに着目し、統計力学的な模型を構築した[2]。そして数値シミュレーション行った結果、この模型がヒステリシスを伴う吸脱着転移を再現することがわかった。また、吸着質の吸着分布が弾性の不均一性に支配されていることがわかり、これが大きなヒステリシスを生み出すことを見出した。本セミナーでは、上記について詳細に議論するとともに、この模型が示す超格子秩序や[3]、吸着時に示す非平衡ダイナミクス[4]についても議論したい。
[1] S. Horike, S. Shimomura, and S. Kitagawa, Nat. Chem. 1, 695–704 (2009).
[2] K. Mitsumoto and K. Takae, Proc. Nat. Acad. Sci. 120, e2302561120 (2023).
[3] K. Mitsumoto and K. Takae, Phys. Rev. Research 6, L012029 (2024).
[4] K. Mitsumoto and K. Takae, in preparation.
宣伝用ビラ
KMB20240607.pdf(69)
物性セミナーのページ
http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/KMBseminar/wiki.cgi/BusseiSeminar
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最終更新時間:2024年05月29日 19時07分44秒