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物性セミナー/2022-6-3

2022年 夏学期 第3回 物性セミナー (注 日程を再々調整しました)

 講師 伏屋 雄紀 氏(電気通信大 基盤理工) 

 題目 磁場中固体電子の量子論

 日時 2022年 7月 11日 【月】 午後3時10分 ・・・いつもと違う曜日と開始時間に注意

 場所 16号館 827 室(対面)及びZoom (オンライン)

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アブストラクト

磁場は物理学のみならず,自然科学において極めて基本的で重要な存在である.しかし身近な存在であるはずの磁場は,量子の世界では未だ解明されない多くの謎を生み出す源泉でもある.金属や半導体中の電子は,磁場によってエネルギーが量子化(ランダウ量子化)される.そのこと自体は古くから知られていたが,量子化の間隔や規則性は物質によって様々に異なり,それを正確に"量子力学の枠組みで"計算することは現代においても困難であった[1]. 近年,固体における相対論効果(スピン軌道結合)が,トポロジカル量子現象との関連性も含め,大いに注目を集めている.研究が進むにつれ,スピン軌道結合とランダウ量子化との関係性が従来理論では全く理解できない,という問題が顕在化してきた.この問題を解決するために,磁場中固体電子の量子化エネルギーを正確に計算する理論が求められていた [2]. 我々は,一見何の関係もないハイゼンベルクの「行列力学」が,ランダウ量子化の計算に転用できることを発見し,それを基に量子化エネルギーを厳密に計算出来る理論手法(π-matrix法)を開発することに成功した [3].この手法をディラック電子系の典型として知られるPbTeに適用し,これまでの常識的理解を覆す,スピン軌道結合とランダウ量子化の新しい関係性を見出した.この手法は密度汎関数法やLCAO法などバンド計算と組み合わせることが可能で,様々な物質に固有のランダウ量子化を計算できる.実験に先駆けて強磁場領域を理論的に探索することにより,磁場中固体電子の新しい量子現象を見出す一助になると期待している [4]. 本セミナーでは,集中講義の延長として,磁場中固体電子の量子論の基本的な内容から最近の研究までを紹介したい.

参考文献

[1] D. Shoenberg, in Magnetic Oscillation in Metals (Cambridge University Press, 1984).

[2] YF, Z. Zhu, B. Fauque, W. Kang, B. Lenoir, and K. Behnia, "Origin of the large anisotropic g-factor of holes in bismuth", Phys. Rev. Lett. 115, 216401 (2015)

[3] Y. Izaki and YF, "Nonperturbative matrix mechanics approach to spin-split Landau levels and the g-factor in spin-orbit coupled solids", Phys. Rev. Lett. 123, 156403 (2019)

[4] W. Kang, F. Spathelf, B. Fauque, YF, K. Behnia, Nat. Commun. 13, 189 (2022)

宣伝用ビラ

KMB20220711.pdf(38)

物性セミナーのページ

http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/KMBseminar/wiki.cgi/BusseiSeminar

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最終更新時間:2022年06月16日 13時50分07秒