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物性セミナー/2020-12-4

2020年 冬学期 第4回 物性セミナー

 講師 町田 理 氏(理研創発)

 題目 超低温走査トンネル顕微鏡によるトポロジカル超伝導体におけるマヨラナ粒子検出

 日時 2020年 12月 4日(金) 午後4時50分ー6時20分

 場所 Zoom 開催

(一度登録された方、物性セミナーMLに登録されている方は、以下は必要ありません。)出席希望者は、予め登録をお願いします。登録フォーム https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdT67ZsTDiKsvutP59tY4tOUlx4WTInMKkTQIGWLqYCrPAQKA/viewformをご利用ください。メールにてこちらからZoomアドレスをお知らせします。

アブストラクト

マヨラナ粒子は,それ自身が反粒子と等価である電荷中性の粒子として素粒子分野で提案された粒子である.近年,このマヨラナ粒子が量子スピン液体やトポロジカル超伝導体などの固体中においてもある種の準粒子として存在し,またこれを用いることで外乱に強い量子計算(トポロジカル量子計算)が実現し得ることが提案されてきた.これらの基礎物理学的な興味や産業応用の観点から,世界各国でマヨラナ準粒子の実現に向けた研究が行われてきた.特に,トポロジカル超伝導体では,そのエッジや渦糸芯に局在したマヨラナ準粒子が期待され,それらがマヨラナゼロモードと呼ばれる準粒子励起スペクトルにおけるゼロエネルギー状態として現れることから,局所的に分光測定が可能な走査型トンネル顕微鏡(STM)を用いたマヨラナゼロモードの検出実験が盛んに行われてきた. しかしながら,マヨラナ準粒子の存在を証明する確固たる証拠が得られていないのが現状である.これは通常の超伝導体のエッジや渦糸芯でも“自明”な束縛状態がゼロエネルギー近傍に現れ(厳密には有限のエネルギー),この“自明”な束縛状態とマヨラナゼロモードの明確な区別ができていないことに起因する.我々は,自明”な束縛状態とマヨラナゼロモードとのエネルギー差が100~200 μeVと比較的大きいトポロジカル超伝導体のFeSeTeの渦糸芯に着目し,このエネルギー差を分解可能な超低温希釈冷凍機STM[1]を用いて渦糸芯の電子状態を調べた.その結果,マヨラナゼロモードと矛盾しないゼロエネルギーピークZEPを示す渦糸とZEPが無い渦糸が実空間で共存していることが明らかとなった.また外部磁場の増加に伴いZEPを有する渦糸の割合が系統的に減少していくことも新たに発見した[2].さらに,理論計算との比較から,新たに発見された磁場依存性を説明する上でマヨラナ粒子間相互作用が重要であることも解った[3].これらの結果は,マヨラナ粒子を利用したトポロジカル量子計算実現にむけて極めて重要な知見であると考えられる.

Reference

[1] T. Machida et al., Rev. Sci. Instrum. 89, 093707 (2018)

[2] T. Machida et al., Nat. Mater. 18, 811 (2019)

[3] C.-K. Chiu et al., Sci. Adv. 6, eaay0443 (2020)

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物性セミナーのページ

http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/KMBseminar/wiki.cgi/BusseiSeminar

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最終更新時間:2020年11月30日 16時44分06秒