物性セミナー/2015-11-20

2015年 冬学期 第3回 物性セミナー

 講師 国場敦夫氏(東大総合文化)

 題目 完全非対称ゼロレンジ過程

 日時 2015年 11月 20日(金) 午後4時50分

 場所 16号館 827

アブストラクト

１次元周期格子上の連続時間マルコフ過程として，n 種の粒子からなる完全非対称ゼロレンジ過程(n-species totally asymmetric zero range process; n-TAZRP)を導入する．類似の模型として完全非対称排他過程(n-species totally asymmetric simple exclusion process; n-TASEP)が良く知られているが，実は n-TAZRPとn-TASEP は，１次元周期格子を量子群の内部自由度(Dynkin図)に取り込み，逆に粒子の内部自由度を実空間とみるクロスチャンネルに移行すると，対称テンソル表現と反対称テンソル表現に付随する姉妹模型に他ならないことが分かる．セミナーでは，n-TASEP定常状態の構成法として有名なFerrari-Martin アルゴリズム の n-TAZRP版が得られること，n-TAZRPの定常確率はq=0に変形されたボソンに値を持つ角転送行列による行列積表示を持つこと，この結果の証明は3次元格子模型のlayer-to-layer 転送行列へ埋め込みを通じて四面体方程式(Yang-Baxter方程式の３次元的拡張)にさかのぼること等について，時間の許す範囲で紹介する．(丸山翔也氏，尾角正人氏との共同研究)

文献：TASEP については

Multispecies TASEP and the tetrahedron equation, arXiv:1509.09018

Multispecies TASEP and combinatorial R, arXiv:1506.04490

宣伝用ビラ

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