トップ 差分 一覧 ソース 検索 ヘルプ PDF RSS ログイン

物性セミナー/2013-12-18

2013年 冬学期 第7回 物性セミナー

 講師 伊與田 英輝氏(東京大学大学院総合文化研究科)

 題目 量子ドットから生成される単一光子・単一電子の純粋度

 日時 2013年 12月 18日(水) 午後4時30分- いつも時間は異なります

 場所 16号館 827

アブストラクト

半導体メゾスコピック系は半導体の微細加工技術を用いて作られる系であり、量子ドットやABリングなどの構造を用いることにより、非平衡量子輸送現象をはじめとした基礎的な物理を調べる舞台となっている。主によく扱われるのは電流・熱流・スピン流などの流れとそのゆらぎなどであるが、近年、量子ドットを用いた単一光子・単一電子の生成実験が行われるようになっている。

単一光子は量子情報処理・量子力学の基礎研究における重要な物理的資源である。その生成源として共振器内二準位系が研究されているが、この系は原子系のみならず半導体量子ドットなどの固体系でも実現されている。また、単一光子を用いた実験のアナロジーとして単一電子の生成実験も行われており、量子統計性の違い・電子間クーロン相互作用を利用した今後の研究が期待されている。一方で、これらの研究を行う上での問題は固体環境からの純位相緩和や電子間クーロン相互作用の影響である。

本講演では、メゾスコピック系と単一粒子の干渉性について紹介した後、量子ドットから生成される単一光子・単一電子の純粋度を議論する。単一光子の計算では環境の自由度まで含めた運動方程式を厳密に解くことにより、単一電子の計算では非平衡Green関数を用いた摂動論により、密度行列・純粋度を解析的に求めた。純位相緩和・クーロン相互作用の影響は一粒子スペクトルに表れ、生成した粒子が混合状態にあることを示唆しているが、純粋度を計算することによって直接確認できる。

宣伝用ビラ

KMB20131218.pdf(311)

物性セミナーのページ

http://huku.c.u-tokyo.ac.jp/cgi-bin/FSwiki/wiki.cgi/BusseiSeminar

駒場セミナーカレンダー(駒場内のみアクセス可)

http://huku.c.u-tokyo.ac.jp/cgi-bin/webcal/webcal.cgi

[ページのアクセス数: 0282143]

最終更新時間:2013年12月07日 15時34分30秒