2012年 冬学期 第 5回 物性セミナー
講師 中島峻氏(東京大学大学院工学系研究科)
題目 エッジ状態電子スピンの電気的コヒーレント制御
日時 2012年 12月 7日(金) 午後5時30分 開始時間がいつもと異なります!
場所 16号館 827
アブストラクト
半導体量子ドットや超伝導素子における量子二準位系(qubit)を制御する実験技術が飛躍的に発展し、固体素子における実用的な量子情報処理の実現も決して夢物語ではなくなってきた。近年はqubitそのものの研究に加えて、「多数のqubitの間でどのようにしてコヒーレントに情報をやり取りするか」というテーマが注目されるようになってきた[1,2]。講演者はこのような量子情報の媒体として、コヒーレントな電子波のスピンに着目した。整数量子ホール系のエッジ状態と呼ばれる電子波の軌道をゲート電圧によって制御することで、スピン軌道相互作用を利用して電気的にスピンの歳差運動を制御・測定することができた[3]。これはスピンによる量子回路、“flying qubit”の実現に向けた第一歩と言える。
[1] A. Wallraff et al., Nature 431 162 (2004)
[2] M. Yamamoto et al., Nature nanotechnology 7 247 (2012)
[3] T. Nakajima et al., arXiv:1207.7243
宣伝用ビラ
KMB20121207.pdf(376)
物性セミナーのページ
http://huku.c.u-tokyo.ac.jp/cgi-bin/FSwiki/wiki.cgi/BusseiSeminar
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最終更新時間:2012年12月05日 12時32分19秒