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物性セミナー/2011-7-22の変更点

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!!!2011年 夏学期 第7回 物性セミナー
!!講師  川島直輝氏(東大物性研)
!!題目 脱閉じ込め転移に関する量子モンテカルロシミュレーション
!!日時 	2011年7月22日(金) 午後4時30分
!!場所 	16号館 827

!アブストラクト
近年,脱閉じ込め転移とよばれる新しいタイプの量子相転移現象が議論されている.2次転移は一般に「自発的対称性のやぶれ」によるものと説明されるが,場の理論からの議論[T. Senthil, et al, Science 303 (2004) など]によれば,そのようなカテゴリに属さない連続的相転移が可能である.この新しいタイプの相転移は,2次元磁性体における反強磁性状態(ネール状態)からVBS状態への転移などで典型的に表れると期待されているが,これまでのところ,その実現に関して弱い1次転移であるという主張と,上記の議論から予想される臨界現象であるという主張があって,数値計算による確定的な検証はなされていない.我々は,通常SU(2)の対称性をもつ磁性体モデルであるハイゼンベルクモデルをSU(N)対称性に拡張したモデルを考え,空間的に等方的な場合と異方的な場合の両方について数値計算を行った.用いた数値計算手法は,有限温度のループアルゴリズムに基づく量子モンテカルロ法である.等方的な場合については,スピンの代数に関して様々な表現に関して計算を行い,基底状態の表現依存性を調べた.基本表現の場合には,十分に大きなNの値に関してVBS状態が得られたが,転移点近傍の広い領域で秩序変数の分布がU(1)的な対称性を示した.これは脱閉じ込め転移の臨界点に関して予言されているU(1)的な対称性を反映しているものと解釈できる.また,より高い表現では,ネール秩序が1/N展開から予想される臨界点付近で消失することが確認された.また,臨界現象であると仮定して求めた臨界指数の値もやはり1/N展開からの予想とコンシステントに見える.現在,我々は,神戸に建設中の京コンピュータを使ってこの問題を解決することを計画中である.

[1] K. Harada, N. Kawashima, and M. Troyer, J. Phys. Soc. Jpn. 76, 013703 (2007).

[2] N. Kawashima and Y. Tanabe, PRL 98, 057202 (2007).

[3] Jie Lou, Anders Sandvik, and Naoki Kawashima, PRB 80 R180414 (2009).

!宣伝用ビラ
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