トップ 差分 一覧 ソース 検索 ヘルプ PDF RSS ログイン

物性セミナー/2011-7-15

2011年 夏学期 第6回 物性セミナー

 講師 長谷川 宗良 氏(東大総合文化)

 題目 高強度レーザー光によって誘起された分子の超高速回転ダイナミクス

 日時 2011年 7月 15日(金) 午後4時30分

 場所 16号館 827

アブストラクト

分子内電場に匹敵する光電場と分子を相互作用させると,分子配列,分子構造変形,多重イオン化,クーロン爆発,高次高調波発生,高エネルギー粒子生成,核融合といった様々な現象が起こる[1].このような光電場は,フェムト秒程度の時間幅を持つレーザー光を数十ミクロンに集光することで生成することができる.我々は化学において広く応用が可能な分子配列に着目し,その詳細について研究を行った。分子配列は,通常ランダムに分布している気相分子の分子軸が,レーザー偏光方向にそろう現象で,2001年に初めて実験的に見いだされた[2].以降,多くの研究者によって分子軸分布の時間発展が,実時間で観測されてきた.この分子軸分布は,量子力学的に見ると多数の回転状態のコヒーレントな重ね合わせ状態,すなわち回転波束のダイナミクスとみなすことができる.我々は,高分解能分光の手法を用いて回転状態を分離し,回転波束がどのような回転状態の重ね合わせから成っているかを明らかにすることを目指した[3].また,複数の光パルスを用いることによって,回転波束の波動関数(2乗ではない)を再構築することに成功した[4].さらに,複数の光パルスを用いることで,回転波束の量子干渉を引き起こし,回転状態の制御ができたので,これらの結果についてお話する.

[1]. K. Yamanouchi, Science, 295 (2002) 1659.

[2]. F. Rosca-Pruna and M. J. J. Vrakking, Phys.Rev.Lett., 87 (2001) 153902.

[3]. H. Hasegawa and Y. Ohshima, Phys. Rev. A, 74 (2006) 061401(R).

[4]. H. Hasegawa and Y. Ohshima, Phys. Rev. Lett., 101 (2008) 053002.

宣伝用ビラ

KMB2011-0715.pdf(400)

物性セミナーのページ

http://huku.c.u-tokyo.ac.jp/cgi-bin/FSwiki/wiki.cgi/BusseiSeminar

駒場セミナーカレンダー(駒場内のみアクセス可)

http://huku.c.u-tokyo.ac.jp/cgi-bin/webcal/webcal.cgi

[ページのアクセス数: 0282143]

最終更新時間:2011年06月22日 22時21分25秒