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物性セミナー/2011-10-28

2011年 冬学期 第3回 物性セミナー

 講師 小塚 裕介氏(東京大学大学院工学系研究科)

 題目 高移動度酸化物半導体ヘテロ構造における量子伝導

 日時 2011年 10月 28日(金) 午後4時30分

 場所 16号館 827

アブストラクト

酸化物が電子機能材料として脚光を浴び始めたのは、銅酸化物で高温超伝導体が発見された比較的近年になってからである。酸化物は高温超伝導以外にも、様々な伝導特性、磁性、誘電特性、光学特性、熱電特性およびそれらの複合的相関を示すなど、従来の半導体や金属では実現できない物性の宝庫である。本発表ではそのような酸化物半導体薄膜を高品質化することで見えてきた量子現象に注目する。我々は酸化物の中でも高品質結晶が得られるチタン酸ストロンチウムと酸化亜鉛の二つの物質に注目し、高移動度二次元界面を作製した。また、低温における電気測定を行い、量子伝導観測を試みた。チタン酸ストロンチウムは低温で10,000を超える誘電率を示す誘電体であるが、電子ドープすることで高移動度キャリアがチタンのdバンドに生成され、低温では超伝導を示すことが知られている。我々はチタン酸ストロンチウムを用いて二次元電子系を作製し、高移動度半導体における低次元超伝導の特性を測定したので、その結果を紹介する。一方、酸化亜鉛は大きな有効質量を持ち、電子相関の強い量子ホール系である。我々はさらに清浄な二次元界面を作製することに努め、最大移動度800,000 cm2/Vsを達成した。その結果、見えてきた相関系における量子ホール効果について議論する。以上の実例を通し、酸化物薄膜研究の面白さと難しさ、またその広がりについて話す。

宣伝用ビラ

KMB2011-1028.pdf(374)

物性セミナーのページ

http://huku.c.u-tokyo.ac.jp/cgi-bin/FSwiki/wiki.cgi/BusseiSeminar

駒場セミナーカレンダー(駒場内のみアクセス可)

http://huku.c.u-tokyo.ac.jp/cgi-bin/webcal/webcal.cgi

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最終更新時間:2011年10月09日 22時40分45秒