MENU

〒277-0871 柏市若柴178-4-4 柏の葉キャンパス駅前サテライト503
東京大学フューチャーセンター推進機構

START

研究課題名

大学発新産業創出プログラム(START) - 科学技術振興機構(JST)

クロレラによる複数色のカロテノイドと長鎖不飽和脂肪酸の大量生産

研究課題概要

本プロジェクトでは、カロテノイドや長鎖不飽和脂肪酸などの機能性物質をクロレラから効率良く生産する基礎技術を基に、スケール アップ時の大量培養、回収、精製などのプロセス技術を開発する。従来製造が困難であったクロレラ由来の機能性物質の低コスト・大 量生産法を確立し、事業化を目指す。

研究代表者

河野重行(東京大・新領域・先端生命)

リンク

START

プロジェクト一覧

研究紹介

1. カロテノイドの利用用途と市場規模

カロテノイドは光合成生物や一部の酵母やバクテリアが作る色素で、その種類は600種類とも750種類とも言われています。現在、それらのカロテノイドの中から限られた種類が市場に出回っており、健康食品や化粧品に配合されて製品に機能性を付加するために使用されています。上記の図は、カロテノイドの国際市場規模を示したグラフで、2010年に対し2018年には最も大きな市場規模が予想されるβ-カロテンで334億円規模の市場が見込まれています。この数字は、DHAやEPAなどの機能性の不飽和脂肪酸に比べると少ないような印象を受けるかもしれませんが、600種類以上に及ぶカロテノイドのもつ機能性の中には、例えばルテインでみられるような「目の老化予防」や「癌抑制効果」なども含まれています。このことは、微細藻類によって作られるカロテノイドが、真に機能性を発揮する素材となりうる可能性を秘めていることを示し、2018年に予測されている市場規模を大幅に上回ることも期待できます。


2. ベンチャー設立へのロードマップ

STARTの一つの出口目標はベンチャーの設立による新産業の創出です。ベンチャー企業では、培養から目的とするカロテノイドや脂肪酸の蓄積誘導と場合によって抽出精製を行い、食品、化粧品、飼料メーカーへと販売するB to B企業を想定しています。その場合、一つの素材だけでは採算をとるのは難しいと考えられるため、複数のカロテノイドや脂肪酸を商材として扱い、顧客となる各メーカーからのニーズに応えるだけの体制を整える必要があります。そのための方策として、事業化後2-4年目を中心に、微細藻類が賛成する物質の探索を様々な手法で得られる「株」毎にチェックし、株のバリエーションを増やす計画でいます。最終的には、機能性化合物や医薬品原料を微細藻類で作ることができるようになれば、微細藻類が世界を救うことも可能となるはずです。

Copyright © Functional Biotechnology Project, The University of Tokyo. All rights reserved.