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西林研究室/触媒反応工学
研究内容

(3) 21世紀を担う次世代の窒素固定法の開発

アンモニアは現代生活においても医薬品、工業製品を合成する上での一次原料として重要な化合物です。 現在工業的には約100年前に開発されたハーバー・ボッシュ法を用いて合成されていますが高温・高圧という過酷な反応条件が必要です。 一方、自然界では大気中の窒素を植物が取り込み(窒素固定)、アンモニアへと容易に変換し、生物はそれを窒素源として体内に取り込み生活しています。 つまり非常に穏和な条件でアンモニア合成を行っているのです。 われわれは化学者が達成すべき最重要検討課題の一つである省エネルギー型の新しい窒素固定法の開発を行っています。 つまり錯体化学的・有機化学的手法を用いて常温常圧での窒素分子と水素分子とからの触媒的なアンモニア合成を目標としています。

地球上の窒素循環

図3-2 地球上の窒素循環


われわれの研究グループは、シクロデキストリンで包接したフラーレンが常圧で窒素固定を行い、アンモニアへと変換出来ることを発見しました。これは金属錯体を全く用いない有機化合物のみを用いた窒素固定法であり、新しい方法論になると考えています。

バッキーボールを用いた窒素固定法の開発
バッキーボールを用いた窒素固定法の開発
図3-3 フラーレンの窒素固定