東京大学大学院総合文化研究科本吉研究室

研究室の概要Overview

視覚認知Visual perception and cognition

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何がどこにあるか,誰が何をしているか,人間は外界の事物の認識や価値判断の多くを視覚に頼っています.本研究室ではおもに,この視覚認知を支えている脳情報処理の原理を理解するための研究をおこなっています.また,視覚の原理を応用して他の感覚や社会的認知を説明する研究も進めています.

具体的なテーマは,特徴検出,色覚,運動視と時空間定位,立体視,顔や物体の認識といった基礎プロセスから,注意や意識,記憶,美,推論や意思決定まで,「人間が見て判断する」ことにまつわる様々な問題を含みます.

研究テーマの例を「研究内容」のページで紹介しています.ぜひご覧ください.

精神物理学Psychophysics

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本研究室ではとりわけ,ミクロな神経学的現象よりも,眼・脳・身体というシステム全体の挙動(主観報告と行動)に着目し,「こころの動作原理」にせまることを目指しています.
 この精神物理学(心理物理学)というアプローチは,人間が外界の事物に何らかの判断を下すとき,脳が結局のところどんな情報を処理し何を計算しているのか(計算理論)を実験的に検討することのできる優れた方法です.複雑な装置や高価な物質がなくても,鋭い発想力と一台のパソコンがあればすぐに始めることができます.この簡便な方法により,運動知覚の原理,新しい記憶の概念,意識下の学習など,現代の認知科学を支える数々の重要な発見が生み出されてきました.
 主観・行動と神経活動の関係を明らかにするための神経学的な研究も進めています. 

生態光学Ecological optics

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脳の認知システムは,生体が環境から情報を受け取り,それに対して適切な反応をするために進化・発達したものです.もし脳が環境に適応しているとするならば,その情報処理を深く理解するための鍵は脳の中だけでなく環境の中にもあるといえます.
 そこで本研究室では,私たちが生活する自然な視覚環境を統計的に分析し,それを知覚や記憶,行為のデータと結びつけるアプローチを積極的に取り入れています.生態光学あるいは生態物理学と呼ぶべきものです.
 カメラでたくさんの日常風景を撮影すると,そこには一定の法則性が見つかります.例えば,自然画像は1/fのスペクトルをもつ,物体は上から照明される,物体の凹んでいる部分は暗い,などです.こうした法則性を読み解くことによって,脳の情報処理が「なぜそのようになっているのか」という究極の説明に迫るわけです.様々な物理法則をシミュレートできるコンピュータ・グラフィクスも活用しています.

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