本研究部門は生体膜に存在する物質輸送タンパク質の機能解析を行っています。膜輸送タンパク質は生命活動に必須なエネルギーの生産や、シグナル伝達、細胞外からの物質の取り込みや排出など、生命活動にとって重要な役割を担っていますが、まだ未解明の部分が多く残されています。細菌の抗生物質耐性機構の一つは薬剤の細胞外への排出であることから、微生物膜輸送は医学・創薬分野からも大きな関心が寄せられています。我々は独自に開発した世界トップクラスの性能を有する「電気生理学的解析システム」を用い、膜輸送タンパク質の機能解析を行っています。さらに、「富岳」などのスーパーコンピューターの活用により、実在膜に近い膜モデルを独自に構築して分子動力学シミュレーションによる膜輸送タンパク質の解析を行なっています。これらの従来とは異なる手法を駆使することで、我々は本研究分野において世界をリードするとともに、得られた知見を活用して社会に貢献することを目指しています。
本研究室では随時研究室見学を受け付けています。ご興味のある方は川崎までお尋ねください。