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東京大学農学部 生命化学・工学専修 / 東京大学大学院 農学生命科学研究科 応用生命化学専攻

食の健康科学(ニップン)寄付講座

研究概要Research summary

当研究室は現在、大きく分けて、以下2つのテーマで研究を行っています。
     @ 食品・栄養成分の体内動態と機能発現メカニズムの解明
     A ポリフェノールによるアルツハイマー病予防・改善効果の検証

  @食品・栄養成分の体内動態と機能発現メカニズムの解明
     近年、生活習慣病予防に焦点を当てた食の機能性に注目が集まっています。しかし 、食の機能性成分については、その機能発現メカニズムはもとより、吸収・代謝・排泄をはじめとした詳細な体内動態は未解明です。腸管には、様々な吸収・排泄トランスポーターが存在すると同時に、消化・吸収を調節するホルモン等を分泌する内分泌器官としての役割もあります。我々は、腸管上皮モデル細胞や実験動物を用いて、食品・栄養成分の腸管や脳などにおける膜透過性とその制御メカニズムを解析し体内動態を明らかにすると共に、機能発現メカニズムの解明に取り組んでいます。

  Aポリフェノールによるアルツハイマー病予防・改善効果の検証
     高齢化に伴い増加する認知症患者のうち、アルツハイマー病(AD)は患者数の6割を超え、既存の医薬品では治療が困難であることから、予防や早期治療が重要視されています。そこで我々は、ポリフェノール類を豊富に摂取する食習慣がADリスクを低減するという疫学的知見に基づき、ポリフェノールによるAD予防に着目し研究を行っています。当研究室ではこれまでに、ADモデルマウスを用いて、認知機能低下及びAD特異的な表現型を抑制するポリフェノールを見出しており、現在はトランスクリプトミクスや腸内細菌叢解析等を通じ、抗ADメカニズムを探っています。また、血中で検出可能なAD治療反応性マーカーを探索し、臨床で応用可能なAD診断バイオマーカーの同定を目指しています。


研究テーマ一例Theme

  1.コレステロールトランスポーター(NPC1L1)の輸送メカニズムと食品成分によるその制御
  2.胆汁酸トランスポーター(ASBT)の輸送メカニズムと食品成分によるその制御
  3.ポリフェノールのアルツハイマー病予防及び改善効果
  4.ポリフェノール摂食によるアルツハイマー病治療反応性マーカーの探索
  5.ポリフェノール摂食による脳内モノアミン類変動の解析