2014年 夏学期 第6回 物性セミナー
講師 望月維人氏(青山学院大学理工学部,科学技術振興機構さきがけ)
題目 カイラル磁性体における磁気スキルミオンの動的現象
日時 2014年 6月 11日(水) 午後4時30分 いつもと曜日が異なります
場所 16号館 827
アブストラクト
ある種の磁性体中で実現する「スキルミオン」と呼ばれる「渦状かつ粒子的な性質を持ち、量子化されたトポロジカル数で特徴付けられる、ナノスケールの大きさを持った磁気構造体」が注目を集めている[1]。スキルミオンは最初、MnSiやFeGe、Fe1-xCoxSiなどのB20型結晶構造を持つ金属磁性体で発見されたこともあり、伝導電子との結合がもたらす現象に注目が集まった。代表的な例としては、スキルミオンが作る仮想磁束に由来するトポロジカルホール効果や、スピン偏極電流によるスキルミオン並進運動の駆動などである。それに対し、2012年にCu2OSeO3という物質において初めて発見された絶縁磁性体中のスキルミオンは強誘電分極を発現し、マルチフェロイック特性を示すことが確認された。このマルチフェロイックスキルミオンは、電場による駆動・制御や、トポロジカルマグノンホール効果を通じた温度勾配による駆動、エレクトロマグノン励起に起因するマイクロ波整流効果など、電気分極と磁化のカップリングを通じて様々な興味深い動的電気磁気現象を示す。このようなスキルミオンの特異な非平衡現象は、基礎・応用の両面から研究者の興味を集めている。最近の研究成果と世界の研究の状況を紹介したい。
[1]最近のレビューとして、N. Nagaosa, Y. Tokura, Nature Nanotech., 8, 899 (2013).
宣伝用ビラ
KMB20140611.pdf(434)
物性セミナーのページ
http://huku.c.u-tokyo.ac.jp/cgi-bin/FSwiki/wiki.cgi/BusseiSeminar
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最終更新時間:2014年05月27日 11時57分37秒