2014年 夏学期 第3回 物性セミナー
講師 斎藤弘樹氏(電気通信大学大学院情報理工学研究科)
題目 ボース・アインシュタイン凝縮体における量子流体力学
日時 2014年 5月 23日(金) 午後4時30分
場所 16号館 827
アブストラクト
我々の身の回りは様々な流体現象で満ち溢れている。例えば、風が吹いた時にピューッと音がするのは渦が周期的に発生していることによる。また、風で水面が波立つのは、平らな水面を変形させようとする流体不安定性に起因する。我々が目にするこうした現象は、空気や水などの古典流体ではよく知られた現象である。それでは、我々の身の回りの流体がすべて超流動体だったらどうなるだろうか。それでも多彩な流体現象が現れるだろうか。
超流動体は粘性を持たず、渦が量子化されるという点で古典流体とは異なる性質を持つ流体である。最近、冷却原子気体や励起子ポラリトンの超流動体で流体現象が実験的に観測されている。本講演では、古典流体で知られている流体現象のいくつかが超流動体でも出現し、さらに超流動体の性質を反映した新しいダイナミクスが現れることを示す[1-3]。
[1] K. Sasaki et al., Phys. Rev. Lett. 104, 150404 (2010);H. Saito et al,, Phys. Rev. B 86, 014504 (2012).
[2] K. Sasaki et al., Phys. Rev. A 80, 063611 (2009);T. Kadokura et al., Phys. Rev. A 85, 013602 (2012).
[3] H. Takeuchi et al., Phys. Rev. B 81, 094517 (2010);N. Suzuki et al., Phys. Rev. A 82, 063604 (2010).
宣伝用ビラ
KMB20140523.pdf(358)
物性セミナーのページ
http://huku.c.u-tokyo.ac.jp/cgi-bin/FSwiki/wiki.cgi/BusseiSeminar
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最終更新時間:2014年05月09日 16時17分42秒