2014年 冬学期 第4回 物性セミナー
講師 藤 陽平氏(東京大学物性研究所)
題目 1次元量子常磁性体の分類:対称性に守られたトポロジカル相と自明な相
日時 2014年 12月 5日(金) 午後4時30分
場所 16号館 827
アブストラクト
多体系の状態の普遍的性質や相転移に伴う臨界現象を調べる上で、相を何らかの指針に従って分類することは重要な課題の一つである。対称性が自発的に破れた相においてはLandau理論に基づき、群論に従って相の分類を行うことができた。しかし、量子多体系の基底状態においては、分数量子Hall効果、Haldane相、トポロジカル絶縁体などで知られているように、同じ対称性を持つ相の間でも相転移が起こり得る。本講演では、対称性を何も破らない「常磁性体」相について、分類がほぼ完成しつつある1次元系を中心に最近の展開をレビューする[1]。1次元の基底状態の行列積表示を用いることで、これらの相は対称性の群の射影表現で分類できることがわかる。それらがトポロジカルに非自明な性質を相に与えることを、1次元量子スピン系のHaldane相を例に議論する[2]。また、系に空間対称性がある場合には、対称性の群の1次元表現も重要となり、トポロジカルに自明な相どうしの区別を与えることを議論する[1,3]。
[1] X. Chen, Z.-G. Gu, and X.-G. Wen, Phys. Rev. B 83, 035107 (2011).
[2] F. Pollmann, A. M. Turner, E. Berg, and M. Oshikawa, Phys. Rev. B 81, 064439 (2010).
[3] YF, F. Pollmann, and M. Oshikawa, arXiv:1409.8616.
宣伝用ビラ
KMB20141205.pdf(287)
物性セミナーのページ
http://huku.c.u-tokyo.ac.jp/cgi-bin/FSwiki/wiki.cgi/BusseiSeminar
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最終更新時間:2014年11月27日 21時50分32秒