トップ 差分 一覧 ソース 検索 ヘルプ PDF RSS ログイン

物性セミナー/2012-6-15

2012年 夏学期 第4回 物性セミナー

 講師 池上 弘樹氏(理化学研究所)

 題目 超流動3He-A相における軌道角運動量由来の新現象とカイラリティの観測

 日時 2012年6月15日(金) 午後4時30分

 場所 16号館 827

アブストラクト

p波超流動状態である超流動3Heは、実現されている数少ないトポロジカル超流動体/超伝導体であり、最近、大きな注目を集めている。その複数存在する超流動相のなかで、特に3He-A相は、すべてのクーパー対が同じ軌道角運動量状態(Lz=1)に凝縮することにより時間反転対称性を破った状態であり、カイラル状態と呼ばれる(軌道角運動量の向きをl vectorと呼ぶ)。超流動3He発見後40年経った今でも、カイラリティの直接的な観測はなされていない。最近、我々は、荷電不純物(電子バブル)の輸送現象に対するintrinsic Magnus効果[1,2]と呼ばれる現象を観測し、A相のカイラリティを観測したので紹介したい。intrinsic Magnus効果は3He中を走っている電子バブルの軌道がl vectorに対し垂直方向に曲がるという現象であり、Bogoliubov準粒子の電子バブルによる散乱の非対称性に起因する。この非対称散乱には、A相の秩序変数のトポロジカルな性質が重要な役割を果たしている。この効果の特徴は、逆向きのl vectorに対しては、電子バブルの曲がる向きが逆になることであり、+lと-lを明確に区別できカイラリティの観測が可能となる。我々は、自由表面を利用してl vectorを空間的に一様に揃えることにより、intrinsic Magnus効果を観測した。セミナーでは、カイラリティの観測に加え、カイラリティを決めるメカニズムについても議論したい。

[1] R. H. Salmelin et al., Phys. Rev. Lett. 63, 868 (1989).

[2] R. H. Salmelin and M. M. Salomaa, Phys. Rev. B 41, 4142 (1990).

宣伝用ビラ

KMB20120615.pdf(469)

  • ビラの日付を正しく修正しました(2012.6.13).

物性セミナーのページ

http://huku.c.u-tokyo.ac.jp/cgi-bin/FSwiki/wiki.cgi/BusseiSeminar

駒場セミナーカレンダー(駒場内のみアクセス可)

http://huku.c.u-tokyo.ac.jp/cgi-bin/webcal/webcal.cgi

[ページのアクセス数: 0276859]

最終更新時間:2012年06月13日 10時05分44秒