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物性セミナー/2008-7-4

2008年 夏学期 第8回 物性セミナー

 講師 鈴木 健太郎氏(東大総合文化・菅原研)

 題目 「ダイナミックなモルフォロジーを示す脂質チューブ」

 日時 2008年 7月 4日(金) 午後4時30分

 場所 16号館 827

アブストラクト

両親媒性分子は水中で自己集合することで、球状やチューブ状といったさまざまな形状のベシクルを形成する。特にマイクロメートルサイズのベシクルはジャイアントベシクルと呼ばれ、光学顕微鏡で直接観測可能なことから、ミクロな分子に由来するさまざまなダイナミクスを、マクロレベルで観測できる系として興味が持たれる。特に、細長い形状をしたチューブ状ベシクルは、球状ベシクルに比べ構造の異方性が極めて大きいため、構成分子の状態がわずかに変化しても形状が大きく変わるというおもしろさがある。たとえば、チューブ状ベシクルに静磁場を印加し、ベシクルを構成する両親媒性分子を磁場によって配向させると、チューブ状ベシクルでは1T程度の磁場によっても顕著な配向を示すと言った現象は、等方的な形状をした球状ベシクルにはない特徴である。我々は最近、コラーゲンを封入したチューブ状ベシクルが磁場下で特徴的な曲線構造を示すことを見出した。この現象は、チューブ全体が磁場から受ける影響と、チューブが持つ曲げ弾性とが上手く拮抗することで出現することが、解析から明らかとなった。また、チューブ状ベシクルが示す別のダイナミクスとしては、脂肪酸からなるチューブ状ベシクルが、特定のpHでのみ螺旋構造を形成し自発運動する現象がある。弾性体であるチューブが、エネルギー的に不利な螺旋構造が自発的に形成することは奇妙であるが、Stavansらは、チューブ内に形状の異なる二種類の分子が混在することが、螺旋構造形成の鍵であることを指摘している(PRE2001)。螺旋形性が見られるpHでは、構造体内にオレイン酸とオレートが混在していることから、我々の系で見られる螺旋の形成および運動は、同様の機構によって説明できる。

宣伝用ビラ

2008-0704.pdf(708)

物性セミナーのページ

http://huku.c.u-tokyo.ac.jp/cgi-bin/FSwiki/wiki.cgi/BusseiSeminar

駒場セミナーカレンダー(駒場内のみアクセス可)

http://huku.c.u-tokyo.ac.jp/cgi-bin/webcal/webcal.cgi

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最終更新時間:2008年06月24日 06時13分48秒