2006年 冬学期 第5回 物性セミナー
講師 寺崎 一郎 氏 (早稲田大学 理工学部)
題目 強相関電子系と巨大応答:面白くて役に立つ物質の物理学
日時 2006年 11月 24日(金) 午後4時30分
場所 16号館 827
アブストラクト
電子は負に帯電した荷電粒子であり,電子同士はクーロン斥力を通じて相互作用する。多くの固体では遮蔽効果によって,この斥力の影響は小さいが,磁性を示す遷移金属酸化物や有機伝導体では,電子は互いに避けあいながら運動し,様々な異常物性を示す。このような系を強相関電子系という。強相関電子系では,2重占有を禁止された各格子点にスピンや軌道の自由度が残留し,その残留エントロピーを開放しようとして,様々な相転移が生じる。本講演では,強相関電子系の中でも「相転移が起きそうで起きない系」に注目し,
(1)層状コバルト酸化物の巨大熱起電力
(2)θ型(BEDT-TTF)塩の巨大非線形伝導
という2つの巨大応答について簡潔に解説し,その共通する物理を聴衆のみなさんとともに議論したい。
宣伝用PDFビラ
2006-1124.pdf(692)
物性セミナーのページ
http://huku.c.u-tokyo.ac.jp/cgi-bin/FSwiki/wiki.cgi/BusseiSeminar
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最終更新時間:2006年11月17日 12時39分49秒