研究テーマ

地球や惑星の表層環境はどのように形成され,どのように進化・変動するのか,そしてそれは生命の誕生・進化・絶滅とどのように関係しているのか? ―私たちの研究室では,このような問題に関する研究を行っています.

宇宙には地球のように液体の水が存在する惑星が存在しているはずです.そのような惑星は“ハビタブル”,すなわち生命が生存可能であると考えられています.地球のようなハビタブルな惑星(ハビタブル・プラネット)の成立には,いったいどのような条件が必要で,その環境はどのように進化・変動するものなのでしょうか?

こうした問題を理解するためには,地球環境が地球史を通じてどのように進化・変動してきたのかを明らかにすることが重要です.太陽の明るさの変化や天体衝突,大陸成長,火成活動の変動などは,地球の気候や物質循環に大きな影響を与えてきたものと考えられます.また,地球環境の大規模変動は,生命の絶滅や進化に大きな影響を与えてきたことは間違いありません.地球環境進化と生命進化との間には密接な関係があったはずです.

そこで私たちの研究室では,地球史を通じた気候変動,とくに生物の大量絶滅イベントに関係した大規模地球環境変動(スノーボールアース・イベントや天体衝突イベント,海洋無酸素イベントなど)に注目して,理論・フィールド調査の両側面からアプローチし,地球システムの挙動や地球環境と生命の共進化を理解しようとしています.

さらにまた,そのような知見に基づいて,太陽系内の他の惑星(火星や金星,氷衛星等)や太陽系外惑星系に存在するであろう地球のような水惑星や太陽系には存在しないような特徴を持った惑星も含め,地球以外の惑星の環境やその進化についても明らかにしたいと考えています.それによって,宇宙におけるハビタブル・プラネットの存在条件を解明したいと考えています.


■研究紹介


  1. 太古代の海洋微生物生態系と暗い太陽のパラドックス
  2. 原生代の“退屈な10億年”は飢えと酸欠の時代だった
  3. 大気中酸素濃度の上昇史とそのメカニズムの解明
  4. 太陽系外におけるスノーボールプラネットの存在予測 
  5. 太陽系外における地球類似惑星の気候進化