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物性セミナー/2019-1-18

2018年 冬学期 第6回 物性セミナー

 講師 野口 篤史 氏(東大総合文化)

 題目 共振器オプトメカニクスと超伝導量子回路

 日時 2019年 1月 18日(金) 午後4時50分

 場所 16号館 827

アブストラクト

物体の位置や距離を測る技術であるレーダーは,対象に電磁波を照射し、その反射波を観測している.特に波長の短い電磁波である光を用いることで,高感度な位置測定を行うことができる.近年では,さらに光共振器を組み合わせた共振器オプトメカニクスと呼ばれる系[1]の研究が進み,物体の振動の量子ノイズや重力波の検出のような究極的な実験が行われるようになってきた.ここまで測定感度が上がると,ハイゼンベルグの顕微鏡で考えられているような,物体の変位測定の反作用にまで考慮する必要があり,測定感度と反作用が釣り合う量子標準限界に近い感度での測定がなされるようになってきた. 我々は近年,物体の変位をさらに高感度に測定する技術として超伝導量子回路を用いる方法を提案・実現した[2].超伝導回路の非線形な応答を利用することで,共振器オプトメカニクス系を電気回路で構成した.この系は,これまで実現してきた共振器オプトメカニクス系を上回る性能を発揮し,測定のために入射する単一光子レベルの微弱電磁波の反作用までが影響するほど高い感度を実現している.

[1] M. Aspelmeyer, T. J. Kippenberg, and F. Marquardt, Rev. Mod. Phys. 86, 1391 (2014)

[2] A. Noguchi, R. Yamazaki, Y. Tabuchi, and Y. Nakamura, arXiv:1808.03372 (2018).

宣伝用ビラ

KMB20190118.pdf(181)

物性セミナーのページ

http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/KMBseminar/wiki.cgi/BusseiSeminar

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最終更新時間:2019年01月07日 11時33分32秒