固体中、特に磁性体中に焦点を絞って新しい電磁気学の創成を行います。電子状態・スピン状態をトポロジーの観点より理論・実験双方から研究し、実空間における非自明なスピン構造(スキルミオン、モノポール、など)と運動量空間におけるベリー位相構造とを統一的に記述する理論的枠組みを構築するとともに、磁性、誘電性、量子輸送現象、光学特性、熱輸送現象における新現象を、新物質・超構造において第一原理計算を援用して予言し、その実験的検証を行います。トポロジカル磁性体の探索とともに、時間依存現象(ダイナミクス)に着目し、非散逸性電流による超低電力消費デバイスの基礎学理創成を目指します。

本プロジェクトの開始以前から、永長・Bahramy・十倉の3者間ではすでに関連テーマについて1年以上の共同研究が進んでおり、これに佐藤を加えて数か月にわたり緊密に議論と準備を行って来ました。研究成果は、インパクトの高い国際的学術誌、及び我が国の主要物理学雑誌であるJournal of Physical Society of Japanに発表する予定です。またこのホームページでも成果を常時提示するとともに、成果報告集を毎年作って関連研究者に送付するなど広く社会・国民への発信に努めてまいります。