主な研究テーマ
- ガンウイルスを含む遅発性感染症の発症機序に関する研究
- ワクチンを含む感染症コントロールのための研究
- パピローマウイルスの性状解析
- 病原体検出法の開発
感染制御学研究室は2012年に新設された研究室です。獣医領域の感染症をどのように制御するか、多岐にわたる課題をカバーします。
近年、動物の感染症に対する社会の意識は急激に高まりました。グローバリゼーションの流れの中、以前は遠くヨーロッパのできごとと思われたBSEが我が国でも発生し、口蹄疫や高病原性鳥インフルエンザなど、国内には長い間なかった感染症が発生して大きな被害をもたらしました。21世紀、人類は環境・食糧・感染症という共通の課題を抱え、世界の人の健康・動物の健康・環境の保全は一つに繋がっているという”One World, One Health”の観点から、地球規模で課題の克服に挑むことが求められます。
動物の中には、ペット、家畜、実験動物、野生動物、希少動物など、いろいろな区分があり、感染症対策も、どのような動物を相手にするかで変わってきます。病原体の検出、感染から発病に至る病態の解析、予防や病原体抑制のためのワクチンといった、感染制御に関わる科学的基礎となる研究を発展させ、現実社会へ科学的成果を還元するとともに、特にレギュラトリーサイエンスに繋がる研究に取り組みたいと考えています。地球上の多様な命と関わって生かされる人類という視点を忘れず、科学リテラシー向上に貢献するような研究を推進することを目指しています 。
最近の研究プロジェクト
- 牛パピローマウイルスの病原性解析:科学研究費 基盤研究(C)
- ポリフェノール類のウイルス性子宮頸癌抑制効果:浦上食品・食文化振興財団研究助成
- ミルク生産に悪影響を与える乳牛の乳頭腫症の原因ウイルスの解析と対策:森永奉仕会研究奨励金
- 牛乳・乳製品の需給に関する計量経済学的研究:農畜産業振興機構 畜産関係学術研究委託調査(分担研究)
- 動物用抗菌剤の使用量調査に関する情報整備:農林水産省 抗菌性物質薬剤耐性評価情報整備事業(分担研究)