Active English for Scienceこの本は,東京大学の理科系・一年次の教養学部生を対象にした必修の科学英語コース「ALESS」 (Active Learning of English for Science Students)プログラムでの学習のエッセンスをまとめたテキストです. この本は,この ALESS プログラムのために教員が開発してきたカリキュラムと,ワークシートやスライドなど多数の教材の蓄積の中から生まれました.内容の詳細は続く Introduction を参照してほしいのですが, 10 の章にわかれて,研究の基本的な手続きから,論文やプレゼンテーションの作成に至るまで,それぞれ豊富な事例と,設問,そして語学的なポイント解説を交えて解説されます(内容の構成は xi 頁を参照).各章の Part 3 は,その章で学んだ内容を実際に自分で試してみる課題です.授業での使用はもちろんのこと,独習する読者にも配慮してあります(学習法については ix 頁を参照). 2008 年に始まったこの ALESS プログラムでは,しばしば自身も自然科学の学位をもつネイティブの教員が,少人数のクラスを指導しますが,そこでは学生は教師やクラスメートと英語でコミュニケーションをしながら,自ら実験を行い,レポートにまとめ,プレゼンテーションをする「アクティブラーニング」を体験します.これによって,論理的な英語に必要とされる語法や,学術論文やプレゼンテーションの基本的な作法だけでなく,科学的方法論とは何かということを,参加しながら体得することが可能になります. この意味で,この本は単に「科学英語論文」の書き方指南というよりは,「英語で科学する」ためのワークブックです.自然科学だけでなく,心理学や社会科学などを専門とする,科学的方法とその手続きを学び,将来国際的な舞台で活躍したいすべての大学生や若手研究者に勧めたい本です. 2012 年 9 月 編者を代表して トム・ガリー
Introduction xi
xii Guide to Learners
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