中部 | 静岡県浜松市 静岡県裾野市 |
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■背景:中山間地域の高齢化
伊豆半島よりも広大な市域を有する浜松市において、その実に65%以上を占めているのが「中山間地域」である。現在、浜松市の中山間地域では住民の高齢化が顕著であり、高齢化率、高齢者のみの世帯率、高齢者の一人暮らし世帯率は、いずれも市全体の数値を大きく上回っている。
■問題意識:情報発信
現状、浜松市による主な市民向けの情報発信手段は、自治会加入世帯への広報紙の配布以外では、市ホームページ、SNSといったデジタルを活用した方法が中心となってきつつある。一方で、情報端末を持っていない、持っていても使うことができない高齢者のフォローをどのように行うかは、デジタルの活用と並行して検討しなければならない課題である。中でも、前述のような中山間地域においては、高齢者のみの世帯、高齢者の一人暮らし世帯の多さから、より手厚い支援が必要と考えられる。
当市は、2010年をピークに人口減少局面に入っているが、外国人の人数は、近年増加傾向にある。人口における外国人比率が高まりつつある中で、国籍を問わず暮らしやすい地域をつくることは重要である。市では、暮らしにおける手続きなどの困りごとに対応するための外国人相談や日本語教室などで共生社会を目指しているが、実際の暮らしにおいては居住地域における近隣住民との関係性なども暮らしやすさを享受する要素であると考えている。今後も増加が予想される外国人と地域住民がともに暮らしやすい地域にしたいと考える。
公開データ | |
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1.月別人口情報 | https://www.city.susono.shizuoka.jp/soshiki/2/2/4/1/index.html |
全国的に高齢化が進む中、高齢者が地域の中で、健康で安心して暮らしを続けられる社会の構築が進められています。令和5年版厚生労働白書では、第1部としてつながり・支えあいのある地域共生社会がテーマとして掲げられ、世代や属性による「支える側」「支えられる側」といった関係を超えて、包摂的な「つながり・支えあい」の創出の重要性に触れられています。当市においても、地域における住民のつながりつくりは重要であると考えており、地域の中で高齢者が活躍し、健康で安心して暮らし続けられる社会を構築したい。
公開データ | |
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1.厚生労働白書 | https://www.mhlw.go.jp/toukei_hakusho/hakusho/index.html |
林野庁の報告書によると全国で適切に管理されない竹林が発生し、竹林の面積が増加しつつあることが指摘されている。当市のタケノコは、かつて江戸幕府に献上されたと言われるが、現状、竹林の管理がどのようになっているか、暮らしにおいて課題が発生していないかなどを調査し、課題があればその対応について考えたい。
公開データ | |
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1.林野庁 竹の利活用推進に向けた報告書(平成30年10月作成) | https://www.rinya.maff.go.jp/j/tokuyou/take-riyou/ |
当市は、まちづくりや観光の面で、自然や施設・イベント等の豊富な資源を有するまちです。まち全体が富士山のふもとに広がり、東に箱根外輪山、西に愛鷹山といった豊かな緑に囲まれ、市民に親しまれている河川や豊富な地下水が私たちの生活にうるおいと恵みをもたらしています。
また、著名な観光地や映画やドラマなどのロケが行われた場所、特色あるイベントなどもあり、観光面における資源も充実しています。こうした資源を活かして、ここに暮らす市民のさらに豊かな生活と訪れる人にとって魅力的なまちづくりを考えたい。
公開データ | |
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1.市公式ウェブサイト市の紹介 | http://www.city.susono.shizuoka.jp/soshiki/3/3/8/2253.html |
2.第2次裾野市環境基本計画 | https://www.city.susono.shizuoka.jp/material/files/group/39/2susono-kankyoukeikaku-kouki.pdf |
3.裾野市観光協会 | https://www.susonokanko.jp/ |
4.裾野市のフィルム・コミッション(市公式ウェブサイト) | http://www.city.susono.shizuoka.jp/film/index.html |
当市と県立裾野高校は、平成29年10月(令和5年3月見直し)にお互いの資源の交流を促進し、地域の発展と人材の育成に努めることを趣旨に、連携協力に関する協定を締結し、以降、連携した取り組みによって関係強化に努めてきました。同校の学校目標には、時代の要請の中で変化を続けてきた沼駿地区唯一の総合学科高校として、裾野市との連携協定締結のもとキャリア教育を重視し、系列の特色を踏まえて、地域や産業界等と連携し課題解決能力を高める取組を実行すると掲げられるなど、まちと同校の関係は深化をしています。一方、同校の定員は、少子化などを背景に令和4年度、令和6年度と引き下げが続くなど、今後の動向を注視すべき状況となっている。同校の魅力を最大化し、選ばれる学校になるよう支援したい。
また、高校生の意見交換から高校生の居場所があることは高校の魅力に直結することが判明していることから、高校生の居場所づくりも併せて考えたい。
公開データ | |
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1.静岡県立裾野高校ウェブサイト | https://www.edu.pref.shizuoka.jp/susono-h/ |
2.裾野市ウェブサイト | https://www.city.susono.shizuoka.jp/soshiki/2/comyunity/4_1/19231.html |
当市は、イチゴ、銀杏、モロヘイヤ、やまといも、そば、米などの優良な農産物が特産となっている。全国的に農業者人口が減少を続けるなど、食糧生産を取り巻く労働力の状況は厳しいが、市場において価値を発揮している当市の特産物が今後も継続して生産を続けられるための方策を考えたい。
また、近年では農産物だけでなく人的被害が発生するなど、鳥獣による被害の激化を防ぐ手立ても必要になることも併せて考慮したい。
公開データ | |
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1.市公式ウェブサイト市の特産物 | https://www.city.susono.shizuoka.jp/sangyo/2/5/2983.html |
2.農林水産省農業労働力に関する統計 | https://www.maff.go.jp/j/tokei/sihyo/data/08.html |
当市では、現在、裾野駅周辺の区画整理事業やウーブンシティ建設に伴う岩波駅周辺の開発、道の駅構想といった地域経済の活性化にインパクトのある事業を推進している。一方、地域経済循環分析によると2018年時点では、市内生産額よりも支出が上回り、支出の域外流出が多く地域経済循環率は95.7%に留まっている。
市民意識調査によると市民のどの年代においても産業の充実に関する行政サービスを望む声は上位であり、地域の活性化への期待は大きい。
今後当市事業が進み、民間活力が発揮されることで地域経済に好循環を生み出し、地域の活性化に資する方策を考えたい。
公開データ | |
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1.地域経済循環分析 | http://www.env.go.jp/policy/circulation/index.html |
2.令和5年度市民意識調査 | https://www.city.susono.shizuoka.jp/shisei/12/3/18757.html |
2019年以降のコロナ禍において、オンライン会議の普及や非接触型のサービスが充実するなど、暮らしを取り巻くデジタル環境が目覚ましく進展した。特にスマホを活用したキャッシュレス決済に関しては、経済産業省が発表した「2023年のキャッシュレス決済比率」によると、2017年には0%であったスマホ決済利用率が2023年には8.6%になるなど近年急速に進んでいるといえる。
裾野市においても、PayPayキャンペーンを2回実施し、税金の納付もスマホ納付を整備するなど、社会情勢に応じたスマホ決済を推進している。
一方、スマホ決済は利用できる人しかサービスの恩恵を受けることができないという課題があるため、デジタル化の推進と情報通信技術の格差是正は同時に進める必要がある。誰もがデジタル化の恩恵を受けられる社会を構築するための方策を考えたい。
公開データ | |
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1.総務省情報通信白書 | https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/index.html |
2.経済産業省ニュースリリース | https://www.meti.go.jp/press/2023/03/20240329006/20240329006.html |
国では、「天然資源の消費の抑制を図り、もって環境負荷の低減を図る」社会を循環型社会と位置づけ、入口と出口のそれぞれに循環利用率の数値目標を掲げている。目標達成のため、容器包装や家電、食品、建設、自動車、小型家電に個別のリサイクル法を制定し、リサイクルを推進している。裾野市においても、第2次裾野市環境基本計画(後期計画)を策定し、社会情勢や環境を取り巻く状況が変化に合わせ環境の保全および創造に関する施策を総合的かつ計画的に推進している。循環型社会の形成には、法令や計画に基づき、住民の行動変容を促す必要があると考える。
公開データ | |
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1.裾野市環境基本計画 | https://www.city.susono.shizuoka.jp/soshiki/2/4/3/2261.html |
2.令和4年度第四次循環型社会形成推進基本計画に係るフォローアップ及び令和5年版「循環型社会白書」作成支援等業務報告書 | https://www.env.go.jp/content/000136404.pdf |
人口減少や少子高齢化の進行・核家族化といった人口構造の変化、人々の価値観・ライフスタイルの多様化など、市民の暮らしを取り巻く状況は目まぐるしく変化を続けています。状況の変化は、1人暮らし世帯の暮らしや災害対応、介護予防、貧困、空き家などさまざまな地域課題を生じさせています。こうした地域課題は行政だけでは対応できないものもあり、地域コミュニティの希薄化が指摘される中ではあるものの、その解決にあたっては地域のコミュニティに関心が寄せられています。さらに進む人口減少社会にあっては、人と人とのつながりを再生し、協力して地域課題を解決できる地域づくりをする必要があると考えます。
公開データ | |
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1.第2次市民協働によるまちづくり推進計画 | https://www.city.susono.shizuoka.jp/soshiki/2/comyunity/4_1/4/17778.html |
2.地域コミュニティに関する研究会報告書 | https://www.soumu.go.jp/main_content/000819371.pdf |