実験室全景
ハイパーラマン分光装置およびラマン分光装置・顕微ラマン分光装置については、それぞれハイパーラマン分光およびラマン分光の項目をご参照ください。
実験室入って左手。水回りと手前の定盤、さらに奥に2つの定盤。顕微ラマンの高い暗箱があります。
黒いアクリルボードの中に自分たちで組んだハイパーラマン分光計やラマン分光計があります。きっちり覆っているので、電気をつけていてもハイパーラマン測定が可能です。
実験室中央。レーザー(Millennia eVとTsunami)の乗った定盤(撮影時半分物置ですが、現在は光学系が組まれています)があります。
実験室右手。居室との扉があります。小さなドラフトチャンバー、汎用のFTIR、UV-vis、電子天秤、試薬棚など。居室とつながっているので、実験室にすぐGO!
レーザー
実験室のレーザーを紹介します。
フェムト秒レーザー
Light ConversionのPharos (PH-2)と光パラメトリック増幅器Orpheus。Pharosは~300 fs, 1030 nm, 10 W, <200 uJ, <200 kHzのモデルです。 Orpheusは515 nm励起で可視域~近赤外域で波長可変です。インストール時から少ししてOrpheusの出力が下がり慌てましたが、再調整していただき完全に安定になりました。素晴らしい安定性です。この組み合わせで新しい非線形分子分光&時間分解振動分光を開拓する予定です!
ピコ秒レーザー
Photon EnergyのCepheus1002です。産業・加工用とのピコ秒レーザーですが、理化学でも十分に使用できます。1064 nm, ~3 W, 10 uJ, 数100 kHz, ~15 ps程度の出力で、振動分光を行うにはちょうど良いスペックではないかと思います。基本波ではある1064 nmでのハイパーラマン分光およびBBO結晶で発生させた倍波の532 nmを用いたハイパーラマン分光法に使用しています。研究室におけるハイパーラマンのたくさんの論文を生み出してきました。
532 nm CWレーザーおよびピコ秒発振器
532 nm CW レーザーのMillennia eV(15W)およびそれを励起光源としたピコ秒Ti: SapphireレーザーのTsunamiです。Millenniaは素晴らしく安定です。Tsunamiは現在使用用途募集中…。Millenniaは主に532 nm自発ラマン分光の励起光として使用しています。
これらのほかにも顕微ラマンに使う半導体レーザーなどが実験室にあります。
分光器&CCD検出器
実験室で使用している分光器&CCDを紹介します。
1064 nm励起ハイパーラマン用のCCD&分光器です(右の写真では分光器は隠れてます)。AndorのiDus(BVF)とShamrock 303iの組み合わせ。
532 nm励起ラマン分光にも使用しています。最も使いやすい組み合わせです。
可視光励起ハイパーラマン分光用CCD&分光器。分光器はSOLのイメージング分光器、CCDはAndorのiDus(OE)です。
SOLの分光器はトラブルが…。主に紫外域で使っているので、1800, 2400, 3600 grooves/ mmのUV用の回折格子を積んでいます。大きさと回折格子から考えるともっと分解能が出てもいい気がするのですがどうなのでしょうか。
分光器はHORIBAのiHR320、CCDはAndorのiVac(DD)です。回折格子として紫外用、可視用、近赤外用のものを積んでいるので、いろいろな場面で使えます。性能は素晴らしいです。顕微ラマンで使ったり、新しい装置をちょっと作ったりするときに移動して使っています。
分光器は分光計器MK300、CCDはGreateyesのELSEです。MK300はiHR320と同等(以上?)の性能があると思いますが、出口ポートが1個なので使い方がやや難しいです(オプションでもう一つ付けられるようですが)。ただし、回折格子も自分で交換可能なので、いろいろと使い方はあると思います。
ELSEは18 bitのCCDということで買ってみました。電気系統・冷却・ソフトウェアすべて不満(不備?)があります。ただし、自分で制御を行い、冷却水を流し、納品前に電気系統のことをうるさく言っておけば、使えるのでは?という感じです。18 bitでダイナミックレンジが通常のCCDより大きいのか、ちゃんと検証できていません…。ハイパーラマンを取れることは確認しています。
Orielの分光器です。退職された久我先生よりいただきました。年代物ですがまだまだ使えます!この分光器は3枚しか積んでいませんが、4枚回折格子を搭載する橋がけ的なモデルだったとのことです。
汎用装置
水道水接続の超純水製造装置。ELGAのPurelabFLEXです。見た目がスタイリッシュ…。
紫外・可視吸収分光計。JascoのV-570です。退職される先生から譲っていただいたものです。ランプを交換し、元気に使えています。
FT-IR分光計。JascoのF670です。浜口研で使用していたもの→筑波大加納研で眠っていたものをいただいてきました。こちらも元気に動いています。
これらのUV-vis, FTIR分光計を制御しているのが、Windows95搭載のこのPCです。データのやり取りはフロッピーディスクで、学生さんからはフロッピーを見るのは生まれて初めて…という感想をよくもらいます。まだまだ現役です。
電子天秤。A&DのGR202。